情けない酒飲み

 酒飲みが情けないのではなく、情けない酒飲みがいると言うことなのだろ。日産が、ドライバーが吐き出す息からアルコールが検知されるとエンジンが始動しない飲酒運転防止装置を搭載したクルマの開発を始めるという。

 例えば、運転者が自ら息を吹き込み、アルコール濃度が基準以上だとエンジンが始動しない、あるいは酔い酔いの状態だと正確に打ち込めないような桁数の多い暗証番号を設定するなどの方法が検討されているらしい。

 どちらも技術的には簡単なものだろうからすぐにでもそれらの機能が搭載されたクルマが登場することだろう。しかしだ、アルコール濃度を測定する方式の場合、息を吹き込んだのが間違いなくドライバーであることをどうやって確認するんだろう。飲んでいない人に吹き込んでもらう手もあるし、飲む前に膨らましておいた風船の空気を使う手だって考えられるぞ。

 桁数の多い暗証番号方式は、郷秋<Gauche>だったら飲んでいなくても覚えられないかも知れないぞ。その場合にはメモっておいて、ゆっくりキーインすればいいか。それでは始動できないくらいのインターバルが設定するのかも知れないが、それでは記憶と指先の運動能力が共に減退している高齢者ドライバーは素面のときにもクルマに乗れないことになるんじゃないか。

 基幹技術的は単純でも、運用上の誤りを発生させないようにすることがきっとすごく難しいんだろうな。モラルの問題であるはずなのに、飲酒運転の防止を機械に頼らなければならないとは、まったくなさけない話だ。もっとも、メーカーがいくら本気で開発しても、走行中は受信できないはずのTV放送を受信できるようにする装置が販売されているのと同様に、飲酒運転防止装置をカットする装置がきっと販売されるんだろうな。なんともはや。

 郷秋<Gauche>も、遡れば飲んで運転したことがないとは言えないけれど、少なくとも2002年の道路交通法改正以降は「飲んだら運転しない」を徹底しているぞ。結局は自分のためなのに、飲酒運転が原因の悲惨な事故が連日のように報道されているにもかかわらず、この手の違反・事故が根絶できないのはなんとも情けないことだ。

今日の1枚は、葉鶏頭(はげいとう)。花ではなく「葉」を楽しみます。
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