揚げ足を取る

 今日のYahoo!ニュースに、日本国内で見ることの出来る蝶(ちょう)259種全部を撮影された方のことが掲載されていた。

 東京都国立市の「国立あゆみ保育園」園長の佐伯元行さん(47)が、国の天然記念物に指定されているオガサワラシジミなど計259種類のチョウの撮影に成功した。26年間かけて全国の野山や森林を回り、レンズに収めた。国内で観察できるチョウは260種類前後と推測されており、「国内で見ることが出来るチョウはほぼ撮影できたのでは」と話している。(以上毎日新聞、Yahoo! Newsより転載)

 素晴らしいですね。ホントに粘り強い方です。1週間近く張り込んで、空振りに終わっても「会いたい一心だったので、待つことは苦にならなかった」ということですから、ホントに心から蝶を愛する方なのでしょう。郷秋<Gauche>にはとても真似が出来ません。

 で、佐伯さんの偉業はまっこと素晴らしいことですが、「レンズに収めた」はないでしょう。蝶の姿はレンズを通ってフィルム上に収まるのではないでしょうか。あるいは「カメラに収めた」という言い方もありますね。ただし、「カメラに収めた」はカメラの中に入っている「フィルムに収めた」ことを意味する言い方でしょう。

 カメラのレンズは、フィルム上に被写体の像を鮮明に結ばせるために実に大切なものではありますが、光はレンズを素通りするだけですね。収まるのはフィルムの上。

 と、書いて気になるのは、デジタル方式カメラの場合にはどう言えばよいのかということです。そのカメラが使っている「撮像体に収めた(例:CCDに収めた)」は、フィルムを撮像体に置き換えた言い方だけれど、被写体の像が撮像体に留まっているわけではなく、撮像体上に結ばれた像が電気信号に変換されその情報が記憶媒体(例:SDカードやCFカード)に書き込まれるだけです。撮像体上には何も残っていない。

 だとすると「メモリカードに収めた」か? メモリカードに記憶されたデータはやがてPCのHDDに移され、更にはバックアップのためにDVDにコピーされたりで、その頃には最初にデータを保存したメモリカードからはそのデータは消されてしまっているな。

 そんなこんなで「撮像体に収めた」や「メモリカードに収めた」ではピンと来ない。フィルム上に化学変化という目に見える形で像が固定されているからこそ「フィルムに収めた」といえる訳で、電気信号として記録されたものをフィルムの時と同じ言い方をしようとすることに、そもそも無理があるんだな。上手い言い方を思いついた方はいませんか?
 

 今日も彼岸花。土曜日から連続して彼岸花をご覧頂いてきましたが、今日はその最終回です。恩田の森に彼岸花の群生地があるのではないかと勘違いされている方がいらっしゃるといけませんので、種明かし。こんなところで撮影した3枚だったのです。ちなみになるせの森の北寄りの入り口から尾根道に向かう道を少し入ったところに咲いていたものです。
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