唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
ユーロファイター・タイフーンは当て馬か?
現在の航空自衛隊の主力戦闘機はF-15J(初飛行:1972年、運用開始:1976年、航空自衛隊での配備:1981年)であるが、30年以上前に設計された機体であることから世代交代の時期が近づいてきている。FX(次期戦闘機)選択の時期であるわけだが、どうもその選択作業に暗雲がかかってきている。
最有力とされるのが圧倒的な戦闘能力を持ちステルス性(レーダーに補足されない性能)にに優れるF-22であるが、イージス艦の機密漏えい事件以降、米国議会における日本の機密情報管理体制対する不信感が強くなり、日本への輸出に慎重な動きがある。また、日本側としても一機130億円といわれる価格に対する抵抗が強いのも事実である。
そうした中、イギリス・ドイツ・イタリア・スペインが共同開発したユーロファイター・タイフーンがFX候補として急上昇しているようだが、このバックにはイギリス政府からの売込みがあったらしい。先に書いた四カ国で共同開発したわけだが、当然のコスト負担として各国が導入する機数が事前に決められていたことだろう。ところがここに来て、イギリスが財政上の理由から予定の数の導入ができないことから、日本に対してその肩代わりを打診してきたものらしい。
日本としても、日本独自のカスタマイズの余地が大きいこと、ライセンス生産が可能であることなどから、航空産業の技術水準維持を考えるとF-22にはないメリットが多いことなどもあり、具体的な検討に入っている気配がある。しかし、自衛隊発足後、取り分け航空自衛隊にあってはその装備のアメリカ依存度は高く、これまでまったく実績のないヨーロッパ製戦闘機導入には慎重にならざるを得ない事情もある。
防衛省はFX導入の予算要求を見送り、変わってF-15の近代化改修予算を要求することになるようだが、これはF-15の近代化を図りつつFXの選定を先延ばしし、アメリカ議会に対してユーロファイター タイフーンの導入をちらつかせて、F-22導入を早期・有利に進めようという作戦なのではないだろうか。つまり、ユーロファイター・タイフーンは「当て馬」と言うわけだな。
同じようなことが、どうやら民間航空機でも行われているような気配だから面白い。7月4日に書いた「ANAがA380を購入か」がそれだ。
エアラインでは、燃費の良い中・小型機による多頻度運行が時代の流れだ。A380も、その席数を考えれば勿論燃費性能の高い新世代機であるわけだが、いかんせん席数が多すぎる。満席で飛ぶならば実に高効率だが、半分が空席のA380を飛ばすのではまったく意味のないことになる。
ANAは、早くかつより良い条件で787を手に入れたいのである。そのための当て馬がA380。郷秋<Gauche>も当初はANAがボーイング一辺倒(A320/321の導入実績はあるが、ボーイング737NGへのリプレイスが進行中)であった機材購入の方針を変更したのかと考えたが、よくよく考えてみると、それはちょっと怪しい。航空自衛隊におけるユーロファイター・タイフーンと同じ、当て馬なのではないかと考えるに至ったわけである。
ひとりのヒコーキファンとしてはトリトンブルーのA380を見てみたい気もするけれど、このご時勢、あんな巨大な機体を導入したら、席が埋まらないままの運行となり結局はANAの経営を圧迫するのではないかと、他人事ながら心配になる郷秋<Gauche>である。が、FXがユーロファイター・タイフーンに、そしてANAがA380を導入することにでもなれば、米国一辺倒であった日本の航空産業が一気にヨーロッパを向くことになり、それはそれで面白いかも。
例によって記事本体とは何の関係もない今日の一枚は、一昨日、昨日に続いて「窓シリーズ」。諏訪湖畔の原田泰治美術館のあとは車山へ。雄大な景色を楽しみにしていたのですが、生憎の雨と霧で何も見えず。宿に着いても窓の外は濃い霧で何も見えず。トホホ。
最有力とされるのが圧倒的な戦闘能力を持ちステルス性(レーダーに補足されない性能)にに優れるF-22であるが、イージス艦の機密漏えい事件以降、米国議会における日本の機密情報管理体制対する不信感が強くなり、日本への輸出に慎重な動きがある。また、日本側としても一機130億円といわれる価格に対する抵抗が強いのも事実である。
そうした中、イギリス・ドイツ・イタリア・スペインが共同開発したユーロファイター・タイフーンがFX候補として急上昇しているようだが、このバックにはイギリス政府からの売込みがあったらしい。先に書いた四カ国で共同開発したわけだが、当然のコスト負担として各国が導入する機数が事前に決められていたことだろう。ところがここに来て、イギリスが財政上の理由から予定の数の導入ができないことから、日本に対してその肩代わりを打診してきたものらしい。
日本としても、日本独自のカスタマイズの余地が大きいこと、ライセンス生産が可能であることなどから、航空産業の技術水準維持を考えるとF-22にはないメリットが多いことなどもあり、具体的な検討に入っている気配がある。しかし、自衛隊発足後、取り分け航空自衛隊にあってはその装備のアメリカ依存度は高く、これまでまったく実績のないヨーロッパ製戦闘機導入には慎重にならざるを得ない事情もある。
防衛省はFX導入の予算要求を見送り、変わってF-15の近代化改修予算を要求することになるようだが、これはF-15の近代化を図りつつFXの選定を先延ばしし、アメリカ議会に対してユーロファイター タイフーンの導入をちらつかせて、F-22導入を早期・有利に進めようという作戦なのではないだろうか。つまり、ユーロファイター・タイフーンは「当て馬」と言うわけだな。
同じようなことが、どうやら民間航空機でも行われているような気配だから面白い。7月4日に書いた「ANAがA380を購入か」がそれだ。
エアラインでは、燃費の良い中・小型機による多頻度運行が時代の流れだ。A380も、その席数を考えれば勿論燃費性能の高い新世代機であるわけだが、いかんせん席数が多すぎる。満席で飛ぶならば実に高効率だが、半分が空席のA380を飛ばすのではまったく意味のないことになる。
ANAは、早くかつより良い条件で787を手に入れたいのである。そのための当て馬がA380。郷秋<Gauche>も当初はANAがボーイング一辺倒(A320/321の導入実績はあるが、ボーイング737NGへのリプレイスが進行中)であった機材購入の方針を変更したのかと考えたが、よくよく考えてみると、それはちょっと怪しい。航空自衛隊におけるユーロファイター・タイフーンと同じ、当て馬なのではないかと考えるに至ったわけである。
ひとりのヒコーキファンとしてはトリトンブルーのA380を見てみたい気もするけれど、このご時勢、あんな巨大な機体を導入したら、席が埋まらないままの運行となり結局はANAの経営を圧迫するのではないかと、他人事ながら心配になる郷秋<Gauche>である。が、FXがユーロファイター・タイフーンに、そしてANAがA380を導入することにでもなれば、米国一辺倒であった日本の航空産業が一気にヨーロッパを向くことになり、それはそれで面白いかも。
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例によって記事本体とは何の関係もない今日の一枚は、一昨日、昨日に続いて「窓シリーズ」。諏訪湖畔の原田泰治美術館のあとは車山へ。雄大な景色を楽しみにしていたのですが、生憎の雨と霧で何も見えず。宿に着いても窓の外は濃い霧で何も見えず。トホホ。
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