0.960

0.960マイクロシーベルト毎時。福島における5日午前9時から6日午前午前9時までの間の最大放射線量である。

 

毎日この値が新聞に載る。「福島」と云うのが具体的にどこを指すのかはわからないが、きっと福島市にある福島県庁か福島市役所、どちらかの正面玄関前だろうと勝手に思っている。Webではもっと詳細なデータを見ることができるが、状況を大掴みにするために、郷秋<Gauche>は神奈川新聞に掲載される、「福島」の数値を毎朝確認する。

 

福島第一原発を地中心にした半径300kmの範囲の地図上に書き込まれた福島の数値で覚えているのは1.800が一番大きな値だった。3.11からどのくらい経ってのことなのかは良く覚えていない。その後順調に数値は減り続けたが、1.200辺りでしばらく足踏み。1.200を切った後はゆっくり下がり続けたがまた1.000辺りで足踏み。

 

1.000を切ったのは半月ほど前の事だっただろうか。そして今日、ようやく0.960。郷秋<Gauche>が覚えている1.800と比べればほぼ半分になったけれど、事故前の0.050程度と比べればまだ20倍である。首都圏では、ホットスポットと呼ばれる特定の極狭い場所で0.200程度が測定されると大騒ぎになり、新聞でも報道されるが、福島県民の多くは、今なお辺り一面0.960、首都圏で騒がれるホットスポットの5倍程度の放射線量の中で24時間生活しているのである。

 

その福島県民に広く賠償金が支払われることになりそうである。浜通り全域と、南部を除く中通りの市町村が対象で、自主避難したかしないかに関わらず、妊婦と子どもには40万円、それ以外には8万円が一律支払われるようである。対象となる市町村で福島県のほぼ半分の面積を占めるのだが、人口は200万県民の3/4150万人がこのエリアに住んでいるから、支払われる賠償金の総額は2000億円にもなると云う。

 

今回の賠償金は今年12月末までの分とのことで、年明け以降、放射線量が劇的に減少でもしなけれど、半年あるいは1年後に来年1月以降の分として追加支給される可能性もあるようだ。自主避難すれば(204万人と云われた福島県の人口は事故後200万人を割り込んでいる)経費がかさむ。エリア内に居続ければ被ばくによる健康被害のリスクと不安が増大する。結果として、自主避難の有無に係わらず同額が支給されることになるようだが、不満をいだく方も少なくないだろうな。

 

今回の賠償金支払いが、一時的な「ばらまき」や「口封じ」とならないことを祈らないではいられない郷秋<Gauche>である。

 

 

例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、すみよしの森Nさんのお宅の見事なモミジ。

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