ゴエモンのつぶやき

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授産所の収入増へ、経営の専門家派遣 県が事業化

2007年08月19日 00時34分10秒 | 障害者の自立
授産所の収入増へ、経営の専門家派遣 県が事業化
2007/08/17

 経営指導で障害者が受け取る工賃アップへ―。県は本年度、障害者が作業する授産施設に対する経営コンサルタント派遣事業を始める。厚生労働省の2006年度のモデル事業で、経営コンサルタントの指導、助言を受けた授産施設6カ所すべてで工賃が増えた。県内の福祉関係者も「経営のプロの派遣で施設職員に経営感覚が身に付くのでは」と期待は大きい。
 県は中小企業診断士らの派遣を想定し、モデル授産施設の選定を急ぐ。授産製品の品質向上や作業工程の見直し、経費削減などを助言する。業務改善の成果は、県が今秋開催する「工賃倍増計画策定委員会」の議論に反映させる。県は本年度中に、県内授産施設が2011年度までに達成すべき目標工賃を設定する予定という。
 富士宮市内の障害者就労支援施設「富士山ドリームビレッジ」の代表林博道さん(51)は「経営コンサルタントの活用は職員の意識改革を促すのに有効」と指摘し、「施設同士や一般企業と連携が進み、仕入れや販売体制が整うことも期待したい」と話した。
 一方、静岡市葵区の「ウイン作業所」施設長の北野美代子さん(57)は「障害者の就労の場にはゆとりの部分も必要。一般企業とは性格が異なる」と懐疑的な見方。「根本的な問題として健常者と同じ待遇を求めたい」と話した。
 県によると、県内には法定授産施設が約80、法定外の小規模作業所が約90ある。06年度実績で平均工賃は月約1万7000円だが、施設の設置主体、規模、事業内容ともさまざまで工賃にも開きがある。全国平均は02年度で月1万5000円。
 障害者自立支援法で福祉サービス利用料の1割負担が導入された結果、負担増に苦しむ障害者も多い。県は「現状の工賃の倍以上の水準でないと実際の自立生活は難しい」とした上で、「福祉的事業の中にどう経営的手法を取り入れるか、模索している段階」と説明している。
 
 障害者授産施設 障害で企業の就労が困難な人に、働く場や訓練を提供しながら自立を促すための社会福祉施設。企業就労までの通過施設としての役割があるが、長期利用となるケースも少なくない。障害者はあくまで労働基準法などが適用されない福祉施設の利用者で、一般企業の雇用とは異なるが、工賃が低く抑えられてきた一因となっている。政府は2011年度までに授産施設の工賃の全国平均を3万円にする「工賃倍増5カ年計画」の本年度中の策定を各都道府県に通知している。