ゴエモンのつぶやき

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生活保護「申請は無駄」 交付渋る職員とのやりとり公開

2007年09月04日 00時55分57秒 | 制度の話し
生活保護「申請は無駄」 交付渋る職員とのやりとり公開 
2007年08月31日

 生活保護を申請するため大阪市の福祉事務所を訪れた内縁の夫婦と、福祉事務所職員とのやりとりを録音したテープを、生活保護問題に取り組む弁護士が公開した。夫婦の住居の家賃が高額であることを理由に、職員が「(申請は)無駄」などと申請書交付を渋る様子が録音されていた。窓口で対象者を絞る「水際作戦」は北九州市などで問題化しているが、詳細なやりとりが明らかになったのは極めて異例。厚生労働省は「保護受給権を侵害する行為」とみている。

 録音を公開したのは、「生活保護問題対策全国会議」事務局長の小久保哲郎弁護士。「申請者が違法な理由で追い返される例が多く、証拠保全のため」として申請者の了解を得て録音し、26日に東京であった同会議主催の全国集会で公開した。

 申請者は心身に病気があり、仕事や収入もない50代の夫と30代の妻。以前は夫が働き、家賃11万円のマンションに住んでいたが、夫は目が悪くなって仕事ができなくなった。多重債務を抱えて家賃を滞納しており、安いところへ引っ越すにも手持ち金がなかった。食事も友人からの差し入れだった。

 夫婦は6月20、27日と7月3日の計3回、福祉事務所を訪れた。録音・公開されたのは友人が同行した2回目と、弁護士が同行した3回目。

 6月27日の会話では職員が家賃を問題視。窮状を訴える夫婦に「緊急性が高いとは思っていない」と応対し、友人が申請書をもらおうとしても、「無駄」「無意味に近い」と発言していた。申請書はこの日最後に交付されたが、申請は受け付けられなかった。

 7月3日には別の職員が「指導をしている」と弁明。さらに「北九州市の水際作戦とは違う」などと、保護を受けられずに孤独死が相次いだ北九州市の対応との違いを強調していた。

 夫婦は7月3日に申請したが、簡易保険が財産とみなされたため、いったん撤回。保険を解約して債務を返済した後、同10日に再申請し、認められた。保護開始前後に安い家賃の住居に引っ越したという。

 大阪市の福祉事務所は無断で録音されたことについて、「知らなかった。言ってもらえば拒むことはなかった」と説明。上野厚雄・市生活保護担当課長は「家賃が高額の場合、保護を受けても最低限度の生活が保障されないため、申請前に通常、転居を勧めている」と話している。

 これに対し、厚労省保護課は「家賃を理由に申請を拒むことは問題がある」と指摘している。