岩手県花巻市の社会福祉法人「花巻ふれあいの里福祉会」が、岩手大とともに、知的障害者のよりよい就労の在り方を探る共同研究に乗り出した。一人一人の障害特性に合わせた最適な「就労モデル」を構築するのが狙い。研究成果は「福学連携」による雑穀パン作りに生かす計画だ。
共同研究の場は、法人が市内で運営する知的障害者通所授産施設「こぶし苑」。現在、利用者36人がおしぼりを畳む仕事などに携わっている。年内に4000万円を投じて工房を整備し、来年4月には雑穀パンの生産販売を始める。
岩手大教育学部の名古屋恒彦教授と施設職員6人が、生産工程ごとに作業日誌をつけて「生産量がどれほど伸びたか」「労働を強いていないか」などの視点で検証していく。研究は10年までの2年間。2年目は、実際に雑穀パンを作りながら、最適な役割分担と求められる支援方法の確立を目指す。
岩手大が福祉施設と共同研究するのは初めて。名古屋教授は「障害者自立支援法が施行されても、障害者は学卒時に『働ける』『働けない』と分けられてしまう。個々の力、持ち味を引き出す就労支援が求められている」と説明する。
法人は雑穀パンの生産を通じ、利用者の賃金を現在の倍の月3万円に増やしたい考え。研究は花巻市の企業支援事業にも選ばれた。
こぶし苑の増子義久園長は「福学連携で知的障害者のよりよい職場環境づくりと経済支援を目指したい」と話している。
2008年06月03日火曜日
共同研究の場は、法人が市内で運営する知的障害者通所授産施設「こぶし苑」。現在、利用者36人がおしぼりを畳む仕事などに携わっている。年内に4000万円を投じて工房を整備し、来年4月には雑穀パンの生産販売を始める。
岩手大教育学部の名古屋恒彦教授と施設職員6人が、生産工程ごとに作業日誌をつけて「生産量がどれほど伸びたか」「労働を強いていないか」などの視点で検証していく。研究は10年までの2年間。2年目は、実際に雑穀パンを作りながら、最適な役割分担と求められる支援方法の確立を目指す。
岩手大が福祉施設と共同研究するのは初めて。名古屋教授は「障害者自立支援法が施行されても、障害者は学卒時に『働ける』『働けない』と分けられてしまう。個々の力、持ち味を引き出す就労支援が求められている」と説明する。
法人は雑穀パンの生産を通じ、利用者の賃金を現在の倍の月3万円に増やしたい考え。研究は花巻市の企業支援事業にも選ばれた。
こぶし苑の増子義久園長は「福学連携で知的障害者のよりよい職場環境づくりと経済支援を目指したい」と話している。
2008年06月03日火曜日