悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

083 桜花霞の

2005-10-15 02:05:00 | 新古今集

 「女を物越しにほのかに見て」(詞書)遣わした、男の歌。美しい女と見たら声を掛けるのが男というもの、というどこかの国の常識が、古き日本でも常識だった。
【略注】○にほふ=何回か出ているが、どちらかと言うと、嗅覚よりも視覚に
    比重がかかる。「美しく咲いている(だろうなあ)」。花と、花にたとえられ
    た女性に対して。
    ○惜しき春かな=「自分はそのままにして、ほかの人に渡すのが惜し
    い。」(小学版) 男の勝手な言い分だが、これも当時の倫理観では当然
    という意識である。
    ○清原元輔=下総守春光の長男(顕仲の子?)。肥後守。深養父(ふか
    やぶ)の孫。清少納言の父。八十三歳の長寿。

[science]以下、weblog メモなので、無視されたし。
■数学■大事件!! 2005年10月15日(土)朝日、p.22。朝、6時、どの日本語のウェブ・ニュースにもなし。
Camille Jordan の曲線定理、120年経て「完全証明」
信州大とポーランド・ビアリストーク大の共同研究。91年から電脳解析。
Bialystok University / Uniwersytet w Białymstoku is a Justice Initiative partner institution in the area of Legal Capacity Development.
Website currently under construction. No English version currently available
http://www.uwb.edu.pl


短歌写真2005-1014 芳しき

2005-10-14 06:30:00 | 短歌写真

 百合も園芸種がたくさん出回っている。これは「コンカドール」の花名札が付いていた。Conquador だとすれば、スペイン語で「征服者」。いま、内玄関で華やかに咲き誇っている。恋の色、スペインの赤、情熱のアプローチ(マクロ撮影)。

082 これほどの思いが

2005-10-14 04:50:00 | 新古今集

 思いの手紙を送ると、返事は来るけれど、自宅はなかなか教えてくれない。ますます恋の炎は燃える。ここで、返事が来るのならすぐ分かるだろう、などと言うのは、現代人の無粋というもの。新古今人は、ほんのりはんなり・・・。
読み:煙=けぶり。
【略注】○思ひ=「ひ」は「火」に掛ける。だから空に立ちのぼる煙になる。
    ○雲居=雲の居る(在る)ところ。女性(本院侍従)のいる宮中も?
    「空」の縁語でもある。
    ○藤原兼通=忠義公。関白太政大臣。堀川関白。本院侍従・兼通の
    贈答歌一対だけ。
☆「Yomiuri Weekly」10月16日号の巻頭大特集は「 <恋愛嫌い> の男
 vs <恋愛依存> の女」。副題は「30代 <心の危機> 」。『新古今集』は、
 恋愛嫌い人種には、不向きであることは確か。/同誌に、「東京駅、1938」
 として、同駅の珍しい丸屋根の写真がA4で紹介されている。

081 何年も思い

2005-10-13 05:00:00 | 新古今集

 ようやく受け取った返事。嬉しくて詠み返した歌。女の名は「西の御」(にしのご)。
【略注】○たよりの風=「雁の便り」と同じで、当時から「風の便り」の言葉もあった。
    ○藤原高光=師輔の八男。二十二歳ごろ出家して、如覚と号。多武峰(とうの
    みね)に庵を結んだことから、多武峰少将とも。

080 山の田の小屋の

2005-10-12 04:05:00 | 新古今集

 『新古今集』の白眉、恋歌(こいのうた)は 0900 から 1434 まで。巻十一(恋歌一)から巻十五(恋歌五)まで。恋歌一は 0900~1080。『万葉集』の相聞歌(そうもんのうた)は、『古今集』から恋歌の部立て名になる。巻数・配列とも古今にならって、心理的過程に合わせる。
 この歌は、万葉では作者未詳。
 読み:守る=もる。庵=いお。蚊火=かび。下=した。燻る=くすぶる。
【略注】○あしひきの=「山」の枕詞。
    ○柿本人麿=悠 036(08月09日条)既出。

 


短歌写真2005-1012 それぞれに

2005-10-12 04:00:00 | 短歌写真

 晶子と深く関わるミュシャ。先日の記事を読んだEさんから、来年のカレンダーをいただいた。表紙は Les Saisons 1900(四季:1900年)。(アートコレクションハウス) このテーマは、ミュシャ・ファンにはおなじみ。
 きょうは最も熱心な読者に、短歌を添えて贈るとしよう。あたかもわが新古今は恋歌の初日。
 
☆アルフォンス・ミュシャの綴りは Alphonse Mucha である。

079 あなたほど位の

2005-10-11 06:35:00 | 新古今集

 作者「遊女」は、二千首のうちこれだけ。天皇から遊女までという選歌、この事実も新古今集を理解するうえで、重要だ。西行が四天王寺詣での折り、一夜の宿を断られて詠んだ歌への、返し。
【略注】○心とむな=心を留めるな。執心するな。
    ○遊女妙(たえ)=摂津国江口(大阪市淀川区)の遊女とだけ伝わる。例外的に
    肩書き表示。

078 夫とのまともな

2005-10-10 00:00:00 | 新古今集

 夫の大江匡衡(まさひら)の死後、長谷寺詣でした夜、親切な人から草枕をいただいて詠んだ、という一作。彼を詞書で、「頼み侍りける人」(頼りにしていた人)と記した妻。夫婦愛の深さを感じる。
【補注】○ひとり露けき=ひとり(旅しながら)涙する。「露」はさらに「草」の縁語ともなる。
    ○赤染衛門=赤染時用(ときもち)、実は平兼盛の子か。「歌で和泉式部と並び
    称せられた。」(広辞苑) 80代半ばまでの長命。
【補説】初瀬寺 奈良県桜井市初瀬にある、いまの長谷寺。同寺のウェブ・サイトには
    こう書いてある。
     当山は山号を豊山(ぶさん)と称え、寺号を長谷寺(はせでら)と申します。「こ
    もりくの泊瀬山」と万葉集にうたわれていますように、この地は昔は豊初瀬(とよ
    はつせ)、泊瀬(はつせ)などと美しい名でよばれていたので、初瀬寺、泊瀬寺、
    豊山寺とも言われていました。