立春を過ぎて暖かさで春の予感到来と思いきや、ちょうどロシアソチでの冬季オリンピックが開幕した先週の金曜日から土曜日にかけて20年ぶりというc大雪が降りしきり、あたり一面を白銀世界に一変させてしまった。積雪量は20数センチに達し、八日午後のマンションの中庭の様子もご覧の通り。ベランダの雪ダルマも雪に埋もれている・・・
そして、翌九日は東京都知事選投票日、結果は本命の舛添要一氏が200万票を超える得票で当選、原発ゼロを掲げた細川護煕、宇都宮健児氏はそれぞれ90万票後半の得票を分け合う形となった。途中オリンピックが開幕して話題がやや分散気味となり、思ったほど原発問題が焦点として論争化しないままに終わってみれば、雪の影響もあっての46%台の低投票率。細川氏が次点に届かず三番目の得票だったのは正直、予想を下回った感じだ。盛り上がったのは、当事者の都民よりも外野の直接投票権のなかった、わたしも含めた隣人周辺だったのかもしれない。やはり、殿の政界引退から16年たっていまひとつ現役感が薄く、都政への執念が伝わってこなかったということなのか?華々しく原発ゼロを唱えて当初は心情に訴えることがあっても、なによりそこに至る具体的かつ地道な道筋を示すことができなかったこともあろう。
急速に進む少子高齢化と福祉政策、空洞化する雇用問題など生活に直結する問題への遡及も弱かった気がする。元首相らしい憲法や安全保障問題、近隣外交政策などの国家的な視点や大局的な文明論だけでは、切実な民意をひきつけることは難しかった。
同じ元首相で3.11当事者だった市民運動派が原点の菅直人氏はどのようにこの都知事選挙を眺めていたのだろうか?開票日の9日新聞朝刊一面書籍広告欄には「菅直人 原発ゼロの決意 元総理が語る福島原発事故の真実」が掲載されていた。
投票日の選挙掲示板の二人のポスター、細川氏は“赤”、舛添氏は“青”の背景色だが、細川氏のポスターが張りかわっていたのに気がついた。
『決断!原発ゼロでオリンピックを』 のメッセージが付加されている。元首相の名前だけではアピールが薄いとの焦りか?
結果があきらかになった10日の朝日新聞天声人語が読ませる。そこからの引用。
「では、無駄な戦いだったのかといえば、そうではない。(中略)原発ゼロを正面から訴えた意味は大きい。おととしの総選挙や去年の参議院選では生煮えだった難題を、有権者が改めて考える機会になった。」
天声人語は、さらに以下のように続ける。 『この「文明史的」な問いから私たちは逃れることができない。』
そう、原子力発電の是非とエネルギー問題は、今後の宇宙船地球号におけるライフスタイルのあり方を問う人類全体の課題であるに違いない。プルトニウムなど放射性廃棄物を人工的に生み出してしまう原子力発電によるエネルギーは、太陽光を元にした循環系自然エネルギーと大きく異なり、人間社会と共生することが不可能なもののはずだ。
私たちはどこからきて、どこに行こうとしているのか、「大事なのはいま、どのように生きるかということ」という、H.D.ソローの思想が胸にこだまのように深く響く。
そして、翌九日は東京都知事選投票日、結果は本命の舛添要一氏が200万票を超える得票で当選、原発ゼロを掲げた細川護煕、宇都宮健児氏はそれぞれ90万票後半の得票を分け合う形となった。途中オリンピックが開幕して話題がやや分散気味となり、思ったほど原発問題が焦点として論争化しないままに終わってみれば、雪の影響もあっての46%台の低投票率。細川氏が次点に届かず三番目の得票だったのは正直、予想を下回った感じだ。盛り上がったのは、当事者の都民よりも外野の直接投票権のなかった、わたしも含めた隣人周辺だったのかもしれない。やはり、殿の政界引退から16年たっていまひとつ現役感が薄く、都政への執念が伝わってこなかったということなのか?華々しく原発ゼロを唱えて当初は心情に訴えることがあっても、なによりそこに至る具体的かつ地道な道筋を示すことができなかったこともあろう。
急速に進む少子高齢化と福祉政策、空洞化する雇用問題など生活に直結する問題への遡及も弱かった気がする。元首相らしい憲法や安全保障問題、近隣外交政策などの国家的な視点や大局的な文明論だけでは、切実な民意をひきつけることは難しかった。
同じ元首相で3.11当事者だった市民運動派が原点の菅直人氏はどのようにこの都知事選挙を眺めていたのだろうか?開票日の9日新聞朝刊一面書籍広告欄には「菅直人 原発ゼロの決意 元総理が語る福島原発事故の真実」が掲載されていた。
投票日の選挙掲示板の二人のポスター、細川氏は“赤”、舛添氏は“青”の背景色だが、細川氏のポスターが張りかわっていたのに気がついた。
『決断!原発ゼロでオリンピックを』 のメッセージが付加されている。元首相の名前だけではアピールが薄いとの焦りか?
結果があきらかになった10日の朝日新聞天声人語が読ませる。そこからの引用。
「では、無駄な戦いだったのかといえば、そうではない。(中略)原発ゼロを正面から訴えた意味は大きい。おととしの総選挙や去年の参議院選では生煮えだった難題を、有権者が改めて考える機会になった。」
天声人語は、さらに以下のように続ける。 『この「文明史的」な問いから私たちは逃れることができない。』
そう、原子力発電の是非とエネルギー問題は、今後の宇宙船地球号におけるライフスタイルのあり方を問う人類全体の課題であるに違いない。プルトニウムなど放射性廃棄物を人工的に生み出してしまう原子力発電によるエネルギーは、太陽光を元にした循環系自然エネルギーと大きく異なり、人間社会と共生することが不可能なもののはずだ。
私たちはどこからきて、どこに行こうとしているのか、「大事なのはいま、どのように生きるかということ」という、H.D.ソローの思想が胸にこだまのように深く響く。