早春のこの季節、マンション入口の集会所通路脇に山茱萸サンシュユの可憐な黄色の小花がポッ、ポッと数十輪咲いている。これまでずうと同じ早春に咲く日本原生種のマンサクの花と思い込んでいたが、同じ黄色の小花でも花弁のつき方が微妙に違う。ともに若葉に先だって花をつけるのは共通だけれど、マンサクはひとつの花ごとに長めの花弁が数本づつシュルッと伸び、サンシュユのほうは同じ長さの花弁と雄蕊の集合体がひとかたまりになっていてる。時代は大きく異なるが、ウメやお茶の木と同じ中国大陸が原産の外来種で、江戸時代に朝鮮半島経由で薬用植物として持ち込まれたものだと知った。
ここに咲くサンシュユの花はどうも芯が強いのか、普通の風にはわずかに雄蕊のほうが振れるくらいで、春一番くらいの勢いのある風でないと揺れたりはしないようだ。おもしろいのは、この枝を温めた牛乳にいれて保温のして一晩おくと、なんとヨーグルトが出来上がるそうでちょっとした驚きである。ヨーグルトのすこし発酵したニオイは大好き、ということは乳酸菌が生息している?
秋になるとグミによく似た赤い実がつくのだが、これが生薬となり、精強・止血・解熱作用があるということで、奥ゆかしく可憐な花にして思わぬ?意味深の効用は試してみてもいい?
二十日春分の日は、MARIYAバースデー、その日に先だってのひと月前に、近くの国道16号線沿いのリサイクルショップで見つけた1992年のアルバム「Quiet Life」を手にして購入する。この頃の彼女は子育てがひと段落した頃で、本格的な音楽活動をこのアルバム制作で再開していた。もう24年前のことである。なにはともあれ、この温故知新のようなアルバムが最近のドライブの友となった。それとうれしくもつい最近、生前の歌声が発見された大瀧詠一の“新作”自作曲カバー集「DEBUT AGAIN」が加わることになった。ひとには理屈抜きで好きな声、歌い方っていうのは確かにあって、このお二人は自分の場合、とくにそうだ。
さらにこの季節は、サイモン&ガーファンクルの1966年アルバム「パセリ・セージ・ローズマリー&タイム」のアンニュイで優しげな歌声を聴いてみたくなる。ことし発売50周年を迎えることになる、ハーブ名を連呼したユニークなアルバムタイトルは、収録一曲目「スカボロー・フェア」の一節からとられている。元歌はイギリス中世のフォークソングで、曲名はイギリス中部北海に面した小さな港町だという。いつか訪れることが叶うのだろうか。
春分すぎての21日付夕刊新聞、一面の題字横にサクラのイラストが描かれるようになった。名古屋と並んで、関東でもソメイイヨシノが例年より数日早く開花する。昨晩の駅からの帰り道、病院前の通りを見上げると舗道の灯りに夜桜が浮かんでいる。雲のない夜空には彼岸明けの満月がくきっりさえて、これから生命溢れるいい季節になるだろう。
満月の夜、東林さくら通りに浮かび上がる(2016.3.24 撮影)
日々の行きかえりに思いつくと眺めていたサンシュユの黄色い花輪、よくみると実に繊細な造り、もうじき待ち焦がれたひとがやってくる。ほんのすこしうす緑の葉先が芽吹きだしていて、本格的な春はもうすぐだ。
ここに咲くサンシュユの花はどうも芯が強いのか、普通の風にはわずかに雄蕊のほうが振れるくらいで、春一番くらいの勢いのある風でないと揺れたりはしないようだ。おもしろいのは、この枝を温めた牛乳にいれて保温のして一晩おくと、なんとヨーグルトが出来上がるそうでちょっとした驚きである。ヨーグルトのすこし発酵したニオイは大好き、ということは乳酸菌が生息している?
秋になるとグミによく似た赤い実がつくのだが、これが生薬となり、精強・止血・解熱作用があるということで、奥ゆかしく可憐な花にして思わぬ?意味深の効用は試してみてもいい?
二十日春分の日は、MARIYAバースデー、その日に先だってのひと月前に、近くの国道16号線沿いのリサイクルショップで見つけた1992年のアルバム「Quiet Life」を手にして購入する。この頃の彼女は子育てがひと段落した頃で、本格的な音楽活動をこのアルバム制作で再開していた。もう24年前のことである。なにはともあれ、この温故知新のようなアルバムが最近のドライブの友となった。それとうれしくもつい最近、生前の歌声が発見された大瀧詠一の“新作”自作曲カバー集「DEBUT AGAIN」が加わることになった。ひとには理屈抜きで好きな声、歌い方っていうのは確かにあって、このお二人は自分の場合、とくにそうだ。
さらにこの季節は、サイモン&ガーファンクルの1966年アルバム「パセリ・セージ・ローズマリー&タイム」のアンニュイで優しげな歌声を聴いてみたくなる。ことし発売50周年を迎えることになる、ハーブ名を連呼したユニークなアルバムタイトルは、収録一曲目「スカボロー・フェア」の一節からとられている。元歌はイギリス中世のフォークソングで、曲名はイギリス中部北海に面した小さな港町だという。いつか訪れることが叶うのだろうか。
春分すぎての21日付夕刊新聞、一面の題字横にサクラのイラストが描かれるようになった。名古屋と並んで、関東でもソメイイヨシノが例年より数日早く開花する。昨晩の駅からの帰り道、病院前の通りを見上げると舗道の灯りに夜桜が浮かんでいる。雲のない夜空には彼岸明けの満月がくきっりさえて、これから生命溢れるいい季節になるだろう。
満月の夜、東林さくら通りに浮かび上がる(2016.3.24 撮影)
日々の行きかえりに思いつくと眺めていたサンシュユの黄色い花輪、よくみると実に繊細な造り、もうじき待ち焦がれたひとがやってくる。ほんのすこしうす緑の葉先が芽吹きだしていて、本格的な春はもうすぐだ。