皆さん、今日の勉強は、サランバンです。サランは愛だから、愛のバン(房、部屋)なんだ、
などと、早とちりをしてはいけません。
サラン:舎廊(一家の主の書斎、来客と接するところ)、バン:房、部屋。
主の書斎、応接間のことですね。
昔、朝鮮の家庭事情で、サランバンのある家は、両班以上の上流階級でした。
庶民の家にサランバンのある家庭は、少数でした。
現在では、昔風の家はほとんど無くなり、サランバンを設ける住宅は、無くなったと言っても
いいくらいです。
若い人達の間では、サランバンと言う言葉は、死語になってしまいました。
朝鮮には、儒教の教えに基づく道徳観が、根強く残っていて、人々は、この道徳観に束縛さ
れながら行動していました。
現在はありませんが、昔の朝鮮には、ネウェバン(内外法)と言う法律がありました。
人々は、この法律に拘束されて生活していたのです。
男女は、7歳になると、一つの家の中で、自由に顔を合わせられないと言う、儒教的道徳に
よって律せられました。
この事が、良く窺えられる有名な短編小説、「サラン ソンニム ガ オモニ」があります。
この小説は、朱耀變が1932年に発表したものです。
6歳になるオッキ(玉姫)は、父をなくして、若く美しい未亡人の母、母の実の弟の3人暮らしで
す。
そこへ、父の友人であった小学校教師が、サランバンに間借りをするようになります。
母と、このお客さんの間の、微妙な感情の変化が、オッキの目から見て、面白おかしい語り
口で描かれています。
6歳のオッキしか出入り出来ないサランバンに、いつも、食事を運ばせられるオッキは、
たまりかねて、お母さんが、運べばいいでしょう、と言ってしまいます。
母は、私が運べる訳はないでしょう、と言うのですが、さあ、ここでみなさんに宿題です。
次の、オッキの言った言葉を訳して下さい。
ヌ ニ ミ チョム サンドゥルグ ナカグリョ。 ヨセッセサン エ ネウェ ハムニカ?
ヌ:あなた、ニム様、~イ:~が。
サンドゥルグ:お膳。ナカ グリョ:ナカダ:出向く。~グリョ:~してください。
ヨセッ;このごろ。 セサン:世上、世間。
ハムニカ:ハダ:する、ニカ:反語的用法。
ところで、これから2日間旅行して来ます。しばらくお休みさせていただきます。
おまけ。
この方たちは、サランバンがおわかりかな?