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花、蝶、ペット、旅行など。
韓国文化の紹介。

朝焼け

2011-09-22 07:01:40 | 写真

台風15号がかけ足で通り過ぎて行きました。

通り道に当たった地方の皆さんには、被害は有りませんでしたでしょうか。

台風一過の青空とは行きませんが、朝焼け雲の合間に、わずかばかりの青い空がのぞいてお

りました。

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韓国の散歩道 金達寿(キム ダルス)のこと

2011-09-14 11:36:53 | 学問

金達寿(1919-1997)。在日1世の小説家。代表作として、「玄界灘」、「太白山脈」、「朴達の裁

判」など。

1958年、「朴達の裁判」で芥川賞候補に推されるが、すでに、新人ではなく、実績のある作家

ということで選考からもれる。

金達寿は、10歳まで、生まれ故郷の、慶尚南道昌原郡に過ごしました。

2年前、土地と家を失った両親は、達寿と、達寿の次兄を、父の母に預けて、その他の子供

とともに、日本へ渡っています。

父が死んだと言う知らせと、残された次兄も死んだのを機会に、達寿も日本へ渡ります。

苦学して大学を卒業した達寿は、日本の地方新聞の記者をして生計を保ちますが、仕事で

訪れたソウル(京城)の美しさにひかれ、朝鮮にもどり、京城日報の記者になります。

その後、京城日報が、朝鮮総督府の機関紙である事を知った達寿は、京城日報を止め、

釜山から、下関に渡る為、釜山港で乗る船を待ちます。

この時の彼の経験が、小説「玄界灘」の原点となります。

彼がまだ健在の頃、NHKの韓国語講座で語ってくれた、思い出を、テキストから挙げておき

ます。

ーーー

 忘れもしない、1944年2月18日。

 その日私は、昼頃京城を立ち、夜になって釜山へ着いた。暗い釜山港には、関釜連絡船の

大きな黒い船体が横付けにされ、桟橋には人があふれていた。

 「ああ、関釜連絡船か。また、あれに乗らなくてはいけないのか。」と、私は、ある激情に駆ら

れるのを覚えずにはいられなかった。

 当時釜山港からは、多くの朝鮮人が、家族と引き裂かれ、徴用されて日本へ渡って行った。

そして、その、それぞれの長恨の歴史を集中して運ぶものが、まさに関釜連絡船であった。し

かも人々は、日本人と同じ様にただ運賃を払うことで運ばれるのでは無かった。食うための

働き場を求めて朝鮮から日本へ渡るものは、駐在所や警察へ何度も通って、「渡航証明書」

を下付してもらわなくてはならないのであり、先に日本へ行っていたものは、朝鮮へ一度帰っ

て来る為には、これまた、同じ様な事をして、「一時帰鮮証明書」と言うのを下付してもらわな

ければならなかった。

 私は、桟橋の人々の列に続いて並んだ。乗船開始時間になり、タラップに上がってみると、

案の定、船の通路の両側には、特高の刑事がずらりと並んで目を光らせていた。私は、彼ら

のその視線を頬に感じながらも、知らん顔をして、前の人の背中にくっつくようにして徐々に進

んだ。と、これまた、案の定だった。

 私は、右の袖をつかまれて、列からいきなり抜きだされた。

「皇国臣民の誓詞」と、刑事はいきなり言った。

「えぇ、1ッ 我々ハ 皇国臣民ナリ・・・・」とそこまでは知っていたが、私は、それ以上覚えていな

かった。

「忘れました」

「何わすれた?」と、四角い顔のその刑事は、私の顔を睨んで言った。

「それじゃあ、御前は何ものだ?皇国臣民ではないのか?」

「いえ、私も皇国臣民であります。」・・・・・・

 その夜、玄界灘を渡ること8時間、私は、自己嫌悪に駆られて、一睡もすることはできなかっ

た。

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金達寿は、この体験を元に、「玄界灘」をかきました。

多くの在日小説家が、己の素性をひた隠しにして戦後の日本で活動して来たのに対して、

金達寿は、在日1世として、骨太の民族小説を書き続けます。

皆さんも、金達寿の小説をお読みになられたことがおありでしょう。


韓国の散歩道 チュソク(秋夕)

2011-09-11 07:44:54 | 写真

陰暦の8月の満月の15日は、チュソク(秋夕)です。

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(この写真は、ブログの投稿に合わせて撮ったもので、十三夜の月です。)

今年のチュソクは、9月12日です。

チュソクの月は、1年中で、もっとも美しいとされ、仲秋の名月とも呼ばれております。

韓国では、チュソクの前後1日を含めて、この3日間は、国民的行事としての、祝日になりま

す。

チュソクは、韓国では、一年で、一番大切な行事です。

本家の家に親戚が集まり、今年獲れた新しい穀物で料理を造り、先祖に対するお祭りの、

サレ(茶礼)を行なった後、先祖の墓へ行って草取りをして、墓参りをします。

この日に食べる、代表的な料理に、ソンピョンがあります。

ソンピョンは、米粉の皮で作った餅のことで、皮の中に豆、小豆、粟、ゴマ、栗、ナツメなどを包

み込んで、蒸し上げて作ります。

このソンピョンを上手に作りあげることが出来ると、可愛い娘が生まれると言い伝えられてい

ます。