ここ数年、日本で買える「台湾華語」関連の参考書が明らかに増えている。しかし、見るかぎり、半数以上がマガジン感覚で参考程度のもの。文法が怪しかったり、個人的な感覚で裏付けのないものを平気で言ったりして。システマティックでしっかりした学習本は、残念ながら、本当に少ない。
しかし、今回ご紹介の「単語と文法から学ぶ PAPAGO式 台湾華語」は薦めても大丈夫な一冊だと思う。
薦める理由は以下3点です。
1.三声のとらえ方がいい
多くの参考書では、三声が弧を描く「✓」と表示されるが、実は二声とニアミスを生む元で、本当にお勧めしない。しかしPAPAGO式はなんと、地面に横たわる線である。
それは、私のとらえ方とまったく一致。写真はこれは私が教室で使うお手製のマグネット。
2.図式化した文型で並び順が見比べやすく認識しやすい
中国語の文法は何といっても並び順。なんとかく適当に並べて、あとは単語力で勝負というやり方はご法度だよと、まざまざ見せつけてくぎを刺す。
【第22課p.126】
3.基礎級のわりに、実用的な細かい注意点を提示してくれる
経験上、基礎級の本で教えると、内容が薄いせいで、実用の面に持っていくには、結局あれもこれも追加情報が必要。
しかしこの本の優れたところは、レベルこそは基礎級だが、内容はおせっかいでいろいろ注意点を言ってくれる。それも、驚くほどに私自身が提示しそうな内容がいっぱい。(これで教えるとサクサクだな)
【第22課p.127】
例:囲いの中は「“來了”の否定は“不來了”ではないことに注意しましょう。 "不來了”という言い方そのものは間違いではありませんが、意味が異なります。 p.139」とあった。
実際p.139では「她先生不喝酒了」に、「~しなかった」という意味ではなく、「~しなくなった、するのをやめた」という意味だよ、と説明された。
せっかくだから、【第22課p.128】
【第22課p.129】(下がp.128とp.129の例文の日本語訳)
【第22課p.130】(単語&フレーズ)
【第22課p.131】(練習問題)
ちなみに、発音はピンインと注音を併記している。
初級を終えたが、なんだかもやもやが残っている人。中級を頑張ってるのに、先に進むどころか基礎すらあやしくなってきた人。心当たりのある人は、いま一度基礎知識を整理するために、ぜひご活用ください。
参考記事:
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