Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

求められたときに

2010-11-28 | 想い・雑感
朝の病棟回診が終わり
手術室に向かおうとしたとき
外来から電話

Yさんが体重減少を気にして
外来に来られているとのこと
緊急性はなさそうなので
外来日に改めて受診してもらうように言おうとして
言葉を飲み込んだ

Yさんの姿を思い浮かべてみる

よほど気になって
突然外来に来られたものと思われる

時間が無いの一言で済ませるのは簡単だが
兎にも角にも手術室に行く前に
Yさんの顔を見ようと考えた

診察をすると
やはり緊急性はなさそうだが
癌の再発を気にされているのは明らかなので
四日後に検査の予定を組んだ

検査では
臨床症状は全く欠落しているが
CTごく一部に肺炎と呼べるような
僅かな陰影を認めた
しかし再発は認めなかった

結果を説明し
念のための抗生物質を処方して
診察を終えようとした時

Yさんが一通の手紙を差し出した
Yさんの親友から私への手紙だ

そこには
突然の受診に対し
すぐに対応したことについての礼が述べられていた

たった四日の間に
遠隔地の友が手紙を届けていたわけだ

きっと
時間を縫って診察したことを
すぐにYさんが喜びを持って親友に伝え
その喜びを親友も自分のこととして一言伝えたくなったのだろう

患者さんが外来を訪れるというのは
必ず理由がある
それにできる限り応えることが
大切なことだと改めて教えられた出来事だ

それにしても
素敵な友情ですね
少し羨ましくも感じたのでした