Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

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ダンジーブログ

胃癌治療ガイドライン

2012-06-28 | 胃の診療
宝くじに当たる確立は極めて低いけど、当たったときに入る金額がとてつもない可能性があるから、買う人がいるのも頷ける。でも胃癌の治療を受けるのに、治る可能性が極めて低い上にとてつもなくいいことが待っているわけでもない治療方法に賭ける、などというのは頷けない。◆しっかりした臨床研究から、7割近くの人に効果があると分かっている治療方法を捨てて、他の治療方法との比較試験すらしていない効果の薄い治療方法を採るというのはどういう考えからなのだろうか。◆しかも怪しげとまでは言わないまでも、効果があることが検証されていない治療方法は保険適応ではないことが多い。その上ちょっとお高めのものも多い。するとすごい出費である。がん治療が高いといっても、保険で認められている治療方法なら、当然保険がきくし、癌にも効く可能性ありなのに。◆胃癌といわれたら、せめて「胃癌治療ガイドラインの解説」という本を書店に注文して読んで欲しい。この解説書は第2版までしか出ていないので、詳しく見れば少し時代遅れの部分はあるが、基本は押さえられる。慌ててネット検索をかけて、統一性の無い知識をかき集める前にぜひ。