~ 恩師の「心行の解説」下巻より ~
講演 五
「六根あるがゆえに己が悟れば菩提と化すことを悟るべし」
先の続き・・・
じっくりと反省しますと
自分の数々の過ちが浮かび上がりますから、
自分の罪に対する償いとして、どなたに対してでも構いませんから
「あの罪の償いとしてこの方に善をさせていただこう」と
思って実践することによって罪は消えていきます。
しかし次々と罪を繰り返しましと、
いつまで経ってもカーテンは上がってくれません。
曇りの原因をまず作らないこと、「今度はいっさい腹を立てまい」
「今度はいっさい愚痴は言うまい」
「すべてのものに足ることを知る生活をしよう、
貪欲を捨てさせてもらおう」これでいいのです。
お釈迦様の教えの「悟り」についてみますと、
悟りとはニルバーナ、つまり
火が燃え尽きてしまった状態という意味です。
この言葉が中国に伝わりまして涅槃という言葉になっております。
「涅槃」そのものが「悟り」です。
あるお弟子がお釈迦様に質問をされたのですね。
「ニルバーナ(涅槃)とはいったいどういうことですか」。
そうしますとお釈迦様は次のようにお答えになったそうです。
「ニルバーナとは私たちの心の中に怒りの壊滅、愚痴の壊滅、
そして貪欲の壊滅である」と。
この状態がニルバーナであるとおっしゃっていますから、
これなら私たちも悟りの心境に至ることができるはずです。
この教えが理解できましたら、私たちは自信を持って、
勇気を持って挑戦することができます。
滝に打たれたり、断食したりということはちょっと真似ができませんが、
この三つでしたら日々の生活の中で実践できるはずですね。
誰でもできることです。
それが悟りであったのです。
この状態になったことをまた菩薩ともいえるわけですね。