~ 恩師の「心行の解説」下巻より ~
講演 六
先の続き・・・
では線香はなぜ立てるようになったのか。
インドの地は暑い所でございますから、いろいろな毒虫がおります。
人の血を吸う虫、或いは毒蛇などもおりますから、
そのままでは噛まれて仕事にならないので、薬草の汁を絞って、
それを体に塗り付け虫よけにしたのです。
今でいう殺虫剤の代わりで、虫が寄り付かないためのものです。
ところがこれがものすごく臭いのです。
これを体に塗って仕事をしますと汗と薬草の臭いで
もう臭くてたまらなかったようです。
お説教の場へ人々が集まりますと我慢できないほどの臭気ですから、
頭の良いプルナヤニプトラという方が栴檀の木をくすべたところ
たいへん良い匂いがして悪臭が消されましたので、
それで皆さんが集合の時には必ず栴檀の木を持ってきて各自がくすべたのです。
それがいつの間にか線香やお香へと変わりました。