せろふえ

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学習曲線は階段状

2004年11月29日 | 音楽

 楽器の練習のことで思い出すのは「悪魔のトライアングル」ともう一つは、高校の時の吹奏楽部の顧問、M先生の話だ。以下、まさに受け売りだが。

 楽器でも勉強でも、練習(勉強)すれば、必ずその成果は現れる。でもそれは、こちらが思うような形ではない。
 つい、我々は勉強すればするだけすぐ成果が現れるように、つまり勉強時間とその成果が比例するように期待してしまう。実際は比例するのではなく、グラフで言うと階段状にのびるんだね。(図参照)
 勉強してもすぐには結果が出ない。意味わかんない。あ!そうか! いや、わかったと思うと、またわからなくなる。あ、なんだ、こんな簡単なことか、と思う。思ったように実力がつかない。だめだ、おれって、本質的にはばかだ。ひょいっとのびる。なんだよ、簡単じゃん、おれって天才?わかんないよ、こんなの無理。ひょいっ。なんだよ、わかったわかった。早く言ってよ。
 だんだん進歩していけば行くほど、階段のとどまっている時間が長くなるし、下手すると落ちてるように感じられる。(これがスランプとかプラトーと言うやつだ。)君らはこの、わからない、上手くならない、と言う状態に耐えなければならない。潜在的にはやればやっただけのことは必ず身についていくのだ。

 いたいけな少年だった僕は、いたく感動した。
 タモリはトランペット買ってきて、その日のうちにマイルス・デイヴィスのように吹けないのが耐えられない、なんて言っていて、まったくだまったくだ、と思う。
 それでも「楽器演奏のこつは、短期的にはすぐあきらめる。でも長期的にはあきらめないということだ」と、今でも思っております。


悪魔のトライアングル

2004年11月27日 | 音楽
 神谷徹のリコーダー入門講座、第4回はリコーダーの上達についてだった。曰くリコーダーを吹くのは面白いからだ。面白いから吹き、吹くと上達し、上達すると楽しい、という「リコーダー初級循環3角形」が、登場する。
 ところがじきに、あまり上達しなくなってきて、つまり、あまり上達しなくなって、つまらないで吹かないから、上達しない、という「悪魔のトライアングル」へと転がり込む。(写真参照。「俗に」って、ははは、誰も言ってないって)
 これを抜け出すには色々あるが、彼が勧めているのは「練習法が上達するような循環三角形」を生み出すことで、そうすれば「練習方法が上手くなっていく」のだ。そして、それも倦怠期に入った頃(練習法の上達の上限)には充分リコーダーは上達している、と言うのだ。



 するどいなあ。こんな事をちゃんと言ってるのを聞いたことがない。勉強でもスポーツでも、あらゆる「人間の遊び」に当てはまるよなあ、と思って時々人に話すことにしている。


 著作権の問題があるんだろうか?でも本にもなってないだろうし、これからもならないだろうし、このくらいは書いて良いのかな?

神谷徹と言えば、リコーダー奏者だ

2004年11月25日 | 音楽
 この間テレビで、ストローのはじっこを2枚舌にして(オーボエと同じ原理)笛にするだけでは飽きたらず、入れた息で先っぽがぐるぐる回ったり、はてはゴジラの鳴き声に、炎ならぬ、スズランテープのほぐしたのを吐いたり、ともかく、大笑いした。
 「ストロー奏者の神谷徹さんです。」というのでさらにびっくりした。

http://straw-music.jp/index.html

 神谷徹と言えば、リコーダー奏者だ。
 昔、季刊コンソートという雑誌があった。創刊号から古楽器入門講座のリコーダーを担当して書いていたのが神谷徹だった。このリコーダー入門講座がすごかった。息の入れ方、タッチ、易しい曲の演奏の仕方、と順調に進んでいくトラベルソ、チェンバロなどを横目に、どんどん不思議な進行をしていった。
 第一回目は、リコーダーを吹くあたっては「世間の目」、逆境不遇に耐えねばならぬ、という話。以下、時報の「ぽっぽっぽっぴー」は名曲だの、レッスンを受けるにあたっては、酒飲んでくるな、先生に暴力を振るっちゃイカンだとか(すみません、
ちょっと脚色してます(^^;))楽器の上達の哲学的考察。(これはなかなかすばらしい内容で、僕は人と楽器の練習についての話になると、必ず「悪魔のトライアングル」(と学習曲線)の話をします。)
 ともかく、延々とリコーダー入門講座以前、みたいな話を書き連ね、とうとう何回目には実際にリコーダーの吹き方に入る前に、首?になってしまって、別の講師(吉澤実だったかな?)に変わってしまったのだった。

 あの神谷徹がまさか「ストロー奏者」になっているとは!