☆第168話『ぼんぼん刑事登場!』
(1975.10.3.OA/脚本=小川 英&杉村のぼる/監督=竹林 進)
私が最も入れ込んだ七曲署刑事=ボン(宮内 淳)の登場編です。
テキサス(勝野 洋)を殺人犯だと思い込んで手錠を掛ける、城南署のおっちょこちょいな新米刑事=田口 良。
殺人の証拠を掴むためテキサスにつきまとう内、その人柄と刑事魂にすっかり心酔し、自ら七曲署勤務を志願するという変わり種。自分で転勤先を決められるとは、なんておおらかな世界観!w
しかし、その人懐っこさと素直さは視聴者の共感を呼び、歴代新人刑事の中でも屈指の人気者となり、番組の黄金期を支える存在にまでなっていきます。
実際、ボンが七曲署に在籍した4年間は、視聴率的にも『太陽にほえろ!』の絶頂期でした。そしてボンが抜けた直後の急降下。ちょうどTVドラマ(で描かれる内容)の転換期だったせいもあるでしょうが、ボンのファンが離れた影響の方が、もしかすると大きかったかも知れません。
だって、ゲイでもない私がとことん惚れ込んだワケですから、よっぽど魅力的なキャラクターなんだと思います。演じた宮内淳さんが俳優としては短命だった理由も、最初に演じたこのボン刑事があまりに当たり役すぎたせいじゃないか?って書かれてるブロガーさんもおられました。確かにそうかも知れません。
最初の1年は頼りない感じが強調されますが、スコッチ(沖 雅也)のサポート期を経て独り立ちし、ロッキー(木之元 亮)の先輩になってからはクールな側面も描かれ、どんどん魅力を増していきます。
歴代刑事の中でもボンほど著しく成長を遂げたキャラクターは他におらず、その過程を見届ける楽しみも「ボンがいた4年間」の隠し味になってると思います。
もちろん、後輩を得てより頼もしくなったテキサスの成長ぶり、大人の色気を増していくベテラン刑事たち、そして更にクオリティーを高めたドラマ内容の充実ぶりも見逃せない『太陽にほえろ!』4年目のスタートです。
PS. この第168話では、テキサス&ボンが相当な長距離を延々と全力疾走させられてます。編集で残ってる分だけでも長いですから、カットされた分も足せばとんでもない距離でしょう。
撮影直後、犯人役の俳優さんと宮内さんがゲロを吐いてる横で、1年間シゴかれて来た勝野さんだけが平然としてたんだとか。
なんか、全てが尋常じゃないですよねw
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます