再放送でしたが、1月3日NHK-BSの放送番組<ザ・プレミアム 幻解!超常ファイル-超古代史文明スペシャル-」>で、韓国人がなぜ、偽の歴史を唱えるかのヒントがありました。
この放送内容は、エジプトのピラミッドや、インカ、アステカ文明は、宇宙人が作ったと言う話を検証している番組です。
番組の最後に、歴史研究家:原田実さんが、偽史について語っています。
(NHK「幻解!超常ファイル-超古代史文明スペシャル-」での、解説を文章にしました。)
(ドイツでヒットラーがユダヤ人狩りをした背景にも、アトランティック大陸の古代史の背景があったと言う話の後の解説です。)
・大阪城の蛸石はじめ、大きな石は100トンもあります。
大きな動力が無いということでは、古代エジプトと同じです。
でも、大阪城の石垣を宇宙人が造ったという人は、あまりいませんね。
それは、大阪城の石を運んだ人のイメージが、私たち(日本人)の中にあるからです。
ピラミッドをどうやって作ったのかが分からない(現代人)のは、古代人にも作れなかったのだろうと言うことで、アトランティス人(=宇宙人)、つまり、宇宙人が造ったのだろうと繋がった。
・古代人の文化に向き合うには、その時代に作った文化とか技術を、調べ直さなければならない。
コツコツと小さなことを調べ直すことにより、初めて大きなシステムが見えてくる。
ところが、その一つ一つを考証する過程をすっ飛ばして、超古代文明を想定すると、一気に過去と現代が結ばれてくる。
・要は、自分たちの現状はこんなはずではない。そこで、(我々の)祖先には、凄い栄光の時代があったはずではないか(自分のルーツへの過剰な期待)と考え出すうちに、現実の歴史を離れて、良く言えばロマンですが、悪く言えば、妄想の中に自分のあるべき姿を作り出します。
・歴史を作るということは、作った人の偏見が反映しやすいということです。
自分たちが優れたものであると言うことは、言いやすいために、偏見の対象になった存在(他者)を貶(おとし)めたり、虐(しいた)げたりの理由になり易い。
そういうものを、偽の歴史には、孕(はら)んでいます。
話として、気宇壮大だから、あるいは、話として美しいからということだけで、その危険があり、それらに目を逸らして仕舞うと、偽歴史の毒に付け込まれてしまいます。
この放送を聞いていたら、韓国の人が、どうして偽の歴史に嵌るのかがわかりました。
自分たちはもっとも優れた人種なのだと過剰な期待があり、偏見の対象に日本・日本人にして、貶(おとし)めたり、虐(しいた)げたりしているのです。
まさに、偽歴史の毒に付け込まれています。
なお、この番組では、古代文明の宇宙人が造ったという説は、否定しております。
追記:
きう-そうだい【気宇壮大】の意味
心意気、度量や発想などが人並みはずれて大きいさま。▽「気宇」は心の持ち方、度量。「壮大」は非常に大きくて立派なさま。