毎年、漢字能力検定協会が、京都の清水寺で、その年を表す漢字一字を発表しております。
今年の漢字は、「密」でした。
個人的には、「密」にするなら、二字で「三密」して欲しかったです。
「密」を、新字源で引いてみました。
山の木々の生えしげった奥深い所、ひいて、こみあう、くわしい意を表す。
①奥深いところ。
②しげし。こみあっている。びっしりつまっている。
③こまかい。こまやか。
ア)もれがない。
イ)くわしい。ゆきとどいた。「精密」
➃ちかい。したしい。
⑤とじる。
⑥ひそか。ひそかに。そっと。人に知られない。
⓻人に知らせないこと。
⑧しずか。やすらか。ひっそりする。
です。
奥深いところなので、結果、密となっている意味です。
三密とは、密教で、身(しん)・口 (く) ・意(い)の三業 (さんごう) 。
本来「三密」は悟りを得るために必要な知恵です。
手を合わせる「身密(しんみつ)」、真言やお経を唱える「口密(くみつ)」、仏の心を抱く「意密(いみつ)」のことで、真言密教の教理の神髄です。
真言密教では、「三密」の読みかたすら分からない人が多かったのが、読みかたは正確になりました。
本来の悟りを得る意味と懸け離れています。
この「三密」(密閉・密集・密接)の意味は、10年後も残っているのだろうか?