
大志くんが檻の戸を引き上げて猫を解放したところです。ずいぶん離れていますが、猫は小さいもの・弱いものには威嚇するような態度をとるので用心してヒモを長くしました。檻から出ようとしている動物は猿に見えます。でも猫です。干からびて蟻にまみれた饅頭を食べようとして、踏み板を踏んでしまいました。甘い物に目のない猫だったのでしょう。
きょうは夕方『シモン一号』の畝をガードする動物用の網を強化しました。あんなに順調に育っていたシモンの畝を、メチャメチャにしてしまったアライグマに、怒りがおさまりません。シモンは10本植えたけど全く収穫できなかった年もあります。また一度つくるとその畝は5年はつくれないといわれます。それが今年は豊作の予感がして「あの人とあの人に送ってあげよう」とたのしみにしていたのです。「シモン茶をつくってみよう」と張り切っていたのです。それを全部打ち砕いてしまった。許せない!
そこで本格的に木の杭を打ち込み、竹の柱をビス止めして、マイカ線を張り、それに動物ネットをかぶせてピンと張るやり方で、難攻不落の畝にしようと作業をすすめました。でも作業しているうちに「わずか<5メートル×1メートル>の畝をガードするのに意地になってるな。この意地はなんだ」とふと思いました。
アライグマには悪意はなかった。意地悪してやろうとは思わなかった。ただ生きるために食べられるものを食べただけだ。人間がいろんな感情をくっつけるんだ。
そういえばムカデは絶対平和主義者です。自分からカマキリのように威嚇的・攻撃的態度をとることは絶対にありません。どんな場合もただひたすら逃げるだけです。捕まって身に危険が迫ったときだけ咬む。でもムカデを見た瞬間人間は悲鳴をあげ、「このまま逃がしたら大変だ。なんとしてもチョン切って殺してしまわなければ」と心が反応します。
そう思うと頑丈な枠をつくる気がなくなり、「去年はネットをかぶせただけだった。それでもネットの下をくぐってサツマイモを掘られることはなかった。今年もそれでいこう。それでやられたら仕方がない」と柱やマイカ線をはずしてしまいました。
そうそう。思い出しました。引っ越した年、となり村の人が、鉄の柱で枠をつくり、指ほどの太さの丈夫な網を張ってスイカを守ってました。散歩の途中立ち話しながら、「この人、アライグマにかなり意地になってるな」と感じました。あとできいたら、スイカは風通しがわるくなって枯れてしまったそうです。
人間の「一人相撲」にならないようにします。