電気柵の移動は、一日でしなければなりません。
もし電線張りの途中でひと晩通電しないと、電線にふれた動物が「この柵は大丈夫なんだ」と思ってしまいます。「大丈夫!」と思うと鼻で電線をたしかめなくなり、背中でグイと電線を持ち上げて入ってしまいます。(イノシシでもアライグマでも背中は毛が生えていて感電しにくい)
ポールを打ち込んで電線を張るだけなら簡単ですが、下に防草シートを敷かないとすぐ草が伸びてしまいます。平らな地面なら碍子を上下に動かして電線の高さを調整できますが、畝の端でデコボコしています。張り終えたのは夕方6時を過ぎでした。移動したのは4辺形の1辺だけです。残り3辺は近日中に移動します。やれやれ。
電線がなくなった土手はすっきりしました。足場の材木を片付ければ草刈りがらくになります。考えてみるとこの3年、電線越しの土手の草刈りは難儀でした。「畑全体を電線で囲んで動物を締め出す」という思いにとらわれて余分な苦労をしました。
「完璧」より「必要最小限」が発想できる人になれるといいのですが。