古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

戦争法案は成立しても平和を希求する姿勢を!

2015年09月20日 07時06分28秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 また『日本戦後史論』より引用します。ちょっと長いですが、自衛隊の現場の人たちの真剣さが伝わります。

内田: 僕はこの3年連続で、自衛隊に講演に呼ばれているんです。防衛研究所に呼ばれて、日本の安全保障について講演します。聞いているのは佐官将官クラスの制服組と官僚たちと軍事産業の社員たちが3分の1ずつ。制服組はこのあと将官に任官して第一線の指揮を執る人たちなんだけれども、僕の話を実に真剣に聞いてくれます。
 最初呼ばれたときはどうせ「色物」見たさの一回限りの企画だろうと思って、言いたい放題言って、そのまま逃げ帰ってきた。そしたら、翌年もまた呼ばれた。2年目は研究所長が代わって、その人はいささか懐疑的な様子で僕の講演を後ろで聞いていたので、これはもう呼ばれないだろうと思ったら、また次の年も呼ばれた。その所長に「いあ、去年の話は大変おもしろかったです」と言っていただきました。
 僕がどういう主張をしているかは先方はもとよりご存じのはずで、そんな人間に日本の安全保障についての講演を依頼するということは、「日本はアメリカの属国である」という話をしても構わないのだろうと思って、そういう話をしました。それを自衛隊員たちが黙って聞いている。 (中略)  政治的に正しい意見を聞きたいわけじゃない。ほんとうの話を聞きたいわけです。軍事上のパートナーであるアメリカが何を考えているか、どういう世界戦略の中で自衛隊をどう位置づけているか、それを理解したい。だからどんな政治的立場の人間からもたらされる情報でも構わない。自分たちの役に立つなら聴く。そういう態度ですね。自衛隊はさすがプロだなと思いました。

白井: 現場のプロは冷静ですね。全然現場を知らないような連中に限って、タカ派的な言動をする。基本的には安倍晋三もそういう気質だと思うんです。最近やっていた『NHK特集』の自衛隊についての番組を非常に興味深く見ましたけれども、やっぱり自衛隊の現場と「積極的平和主義」のような政治スローガンとは、まったく乖離していると感じました。ここ10年、20年ぐらい自衛隊がやってきたPKO活動というのは、国際的にも結構高い評価を得ている、と。そういう実績を積み重ねたところで、安倍さんの路線「ますます活躍してもらいますよ」というのだけれど、自衛隊の現場からすれば「それは全然違う話じゃねえか」と思っているのが伝わってくる。もちろん彼らは政治的発言を規制されていますから、ストレートには言わないんですけれども、間違いなくそれが本音だろうと思うんですね。そこら辺どうですか。防衛研究所なんかで話されていて、今の政権が取っているような方向性と現場のトップとかの温度差について知りたいですね。

内田: 僕を講演に呼ぶというわけですから、バランス感覚はいいですよね。クールな人たちです。できるだけ広い範囲で情報を取ろうとしている。情報を解釈する文脈もできるだけ多様であった方がいい。憲法集会で護憲の発言をするというので、後援を拒否した神戸市なんかに比べると防衛庁の方がはるかにオープンマインドです。それだけ自分たちの職務に本気だということです。

白井: そう。だから、「積極的平和主義」なんて、現場からすればもういい加減にしてくれ、という話だと思うのです。


自衛隊とか防衛省は、安倍とか田母神某とか右翼がやってきて「さー、戦争だ!」とあおりたて、「わーわー」と鉄砲持って走り出すところではないようです。むろん彼らだって平和な世の中がいい。国民の真剣に「平和を希求する思い」がそんな彼らを応援する。
 先日温泉に入りに行ったとき、東条のとどろき荘の食堂『成山』のレジにチラシが置いてありました。

『元自衛官が語る戦争法案』 9月22日 2時 ~ 4時 (小野市 エクラ大会議室) 
 主催は「9条の会・北はりまネットワーク」(多可/にしわき/加東/かさい/おの/みき/の「9条の会」)。

 ちょうど午前中に母をショートステイに預ける日です。何もできなかったけど、法案は通ってしまったけど、午後のこの学習講演会には行けます。顔を出すつもりです。 
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