前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

改めて、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル

2011-02-11 20:17:22 | クラシック音楽
チャイコフスキーの交響曲を聴いたのは高校生の時です。

その当時はまだ、指揮者や演奏の違い、良し悪しなどよくわからず、
とりあえず最初に聴いて耳に馴染んだ演奏が、自分にとって"一番いい"ものでした。


そんな時、教えてもらったのが、
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルの演奏です。
グラモフォンから出ていた1960年録音盤です。

チャイコフスキーの交響曲第4番~第6番の演奏としては、
まさに"定番中の定番"とされていました。


私の高校時代(1980年代)、まだまだ"ソビエト"は
ヴェールに包まれた謎の国、恐ろしい?国、という印象でした。

レニングラード・フィルの演奏についても、「テンポが速いな」とか
金管(特にトランペット)の音に「やっぱ、ソ連はすげえな」とかなんとか、
そんな程度の感想です。


その後、いろいろな作曲家、指揮者や演奏家を聴き、
コンサートにもいろいろ行くようになって、自分なりの"好み"や"評価"も
できあがってきました。

生意気に一端の評論めいたことも語り合うようになりました。


先日、著作権が切れた昔の録音を無料でダウンロードできるサイトで、
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルのチャイコフスキーを聴きました。
録音は1956年です。

目から(耳から?)鱗が落ちるようでした。
一点の迷いも無い演奏、自信と確信に満ち溢れた演奏、というのでしょうか。

  ロシアが生んだ偉大なる作曲家、チャイコフスキーの交響曲の演奏は
  我々ソビエト人が一番に決まっている!

そんな想いがストレートに伝わってくるような"潔い"演奏でした。


ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルの生演奏を聴く機会はありませんでしたが、
もし聴いていたら、好き嫌いにかかわらず、きっと圧倒的な感動を覚えたでしょう。

音楽に限らず、自分なりにいろいろと見聞を広げてきたつもりですが、
"作者の思い"だとか"精神性"だとか、"苦悩"だなんだ・・・といった小賢しい議論など
全部吹っ飛びます。



ヴォルコフの『ショスタコーヴィチの証言』の中で、ショスタコーヴィチは
ソビエトの英雄であり自分の交響曲の初演も行ったムラヴィンスキーを
「耳なしも同然」と言ったとされています。

この『証言』の真偽についてはいろいろ言われていますが、
改めてムラヴィンスキーの演奏を聴いて、この発言は"偽"だと感じました。

作曲者が認めないはずがない、と思うのですが・・・。
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