老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

551;上手な介護サービスの活用処方 第45話「認定調査の項目」 〔42〕 「一人で出たがる」

2017-11-18 13:13:34 | 上手な介護サービスの活用処方
 上手な介護サービスの活用処方 第45話「認定調査の項目」 〔42
              4-9 一人で出たがる(有無)

「一人で外に出たり目が離せない」行動の頻度を評価する項目である

1.ない
2.ときどき
3.ある

・以前は目を離すとすぐに家の外に出てしまっていたが、 下肢の筋力低下が進んでからは、
歩行ができないため、 実際に外に出て行くことはないため、「ない」を選択する。


人間は(他の動物も同じ)外に出たがる生き物だと思う。
 家の中にジッとしておれない。それは認知症老人だけに限ったことではない。
 ただ時(時間)と場(状況)を考えなずに「(一人で)外に出たがる」から
 介護者は困ってしまう。
・介護施設やサービス事業所のなかで、利用者が「一人で出たがる」とき、行動を制止せず
 手が届く距離間をとり後ろからついていったりなどの見守りが必要である。
 サービス利用中に歩行など運動することにより、適度な疲労感と外に出たいという
 欲求を実現することで、自宅に帰ってから「外に出たがる」ような行為は消失していくことに
 つながっていく・・・・・。

 
 
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547;上手な介護サービスの活用処方 第44話「認定調査の項目」 〔41〕 「落着きなし」

2017-11-16 07:29:51 | 上手な介護サービスの活用処方
 上手な介護サービスの活用処方 第44話「認定調査の項目」 〔41
              4-8 落ち着きなし(有無)

ここでいう「”家に帰る”等と言い落ち着きがない」行動とは、施設等で「家に帰る」と言ったり、
自宅に居ても自分の家であることがわからず「家に帰る」等と言って落ち着きがなくなる行動のこと。
「家に帰りたい」という意思表示と落ち着きのない状態の両方がある場合はのみ該当する。


1.ない
2.ときどき
3.ある

・単に「家に帰りたい」と言うだけで、状態が落ち着いている場合は含まれない。

blog512「徘徊」や「一人で出たがる」(次回掲載)とも関連してくる
・認知症が進行してくると、ここがどこだかわからなくなり、そわそわし椅子から立ち上がり歩きだす。
・認知症を抱えている女性の場合、「家に帰る」と話されるが、よく聞くと「実家に帰る」の意味が多い。
・ちなみに男性は「~に行く」「~に出かける」と言い、それは「会社に行く」「仕事に行く」と言って、落ち着きがなくなる。

デイサービスやグループホーム、介護施設などで、認知症老人が落ち着かずそわそわし立ち上がったり、歩いたりするとき、
一概に「落ち着きがない」「徘徊がある」「出たがる」などの行為は本人の問題にしまいがちである
それは、介護職員のかかわり方に問題があるのではないか・・・・。
「自分はここに居てもいいんだ」というような場の雰囲気をつくることが大切になってくる。
「できる」ことをお願いしたり、お願いしたことが不十分であっても「ありがとう」と言葉をかけ、
「自分は役に立っている」、
ここには自分の居場所があると感じさせると、落ち着きが出てきます。
それを「坐っていなさい」、立ち上がると「どこへ行くの」などと言ったり、指示や命令などが多いと、
ここは自分が居てはいけないと感じてしまい、「家に帰る」「子どもが待っているから帰る」等と言って立ち上がり、そわそわする。
利用者がそわそわした行動になると、介護者(事業所、介護施設)のサービスが貧しいのだな、と反省する方が先なのかもしれない。
認知症老人は正直なのである。感情を隠さずそのまま行動に出していく。
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543;上手な介護サービスの活用処方 第43話「認定調査の項目」 〔40〕 「介護に抵抗」

2017-11-15 08:33:25 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第43話「認定調査の項目」 〔40             
               4-7 介護に抵抗 (有無)

1.ない
2.ときどきある
3.ある

・介助のあらゆる場面で、介護者の手を払ったり介護を拒否することが、
ほぼ毎日ある。他の介護者が話しかけ、気持ちを落ち着かせねがら介助を
行っており、介護の手間となっている。

・単に言っても従わない場合は含まない。


実際に認定調査を行うが、「ない」方の方が多い。
・上記の通り、「トイレやふろ場に行くよう」声掛けしても、従わずにいる場合は、「ない」になる。
・トイレに連れて行き、「紙パンツを下げますよう」と声かけしながら介助を行うと、紙パンツに手をかけ抵抗する場合は
 「ある」また「ときどきある」を選択している
声かけ等により行動を促しても、本人自ら行動できないよう拒否してしまう態度が、
 あるかないかで判断する。
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541;上手な介護サービスの活用処方 第42話「認定調査の項目」 〔39〕 「大声をだす」

2017-11-14 16:13:50 | 上手な介護サービスの活用処方
 上手な介護サービスの活用処方 第42話「認定調査の項目」 〔39               
               4-6 大声をだす(有無)

ここでいう「大声をだす」行動とは、周囲に迷惑をとなるような大声をだす行動のことである。
1.ない
2.ときどきある
3.ある


・もともと、性格的や生活習慣から日常会話で声が大きい場合等だでけでなく、場面や目的からみて
 不適当な行動があるかどうかで選択する。

・実際の認定調査では「大きな声をだす」といった調査対象者は少ない。
 女性はほとんどみられない。
 元々亭主関白な人や女性を見下すような男性は 自分の我儘を通そうと大きな声をだす場合が多々見受ける。
 それに認知症が重なりあうと、注意しても注意されたことの意味や言葉がわからず大きな声をだしてしまう。
 デイサービスや介護施設の場合、他の利用者もおり、自分をかまって欲しく大きな声をだす。
 「自分はここに居るぞ~」と存在感をアピールしているのかも・・・。
 威張り散らしたり大声をあげる老人は、同性利用者からも疎まれてしまう。
 声が大きいと、介護スタッフのかなには萎縮し、言いなりになってしまいがちである。
 あるときには他者の迷惑をかけていることから、毅然とした対応をとることも必要。
 他の利用者はどう対応されているか、スタッフの原動を観察している。
 
 興奮を抑える薬あるので、認知症専門医に受診し相談するとよいでしょう。
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537;上手な介護サービスの活用処方 第41話 認定調査の仕方で要介護度が左右される

2017-11-13 14:46:28 | 上手な介護サービスの活用処方
 上手な介護サービスの活用処方 第41話 認定調査の仕方で要介護度が左右される

上記の見出しで書くと
保険者(市町村)からは「そんなことはない」と言われてしまうかもしれませんが、
人間のやることです
介護施設や介護事業所、ケアマネジャーだって、人それぞれであり
気がくひと 気がきかない人 気持ちが伝わる人 余計なことはやりたくない人
さまざまです

認定調査員も同様
よく話を聞いてくれる人 機械的な人がいる
認定調査員を選べないだけに、調査内容は「運まかせ」
事務的な調査員だったとき どうしたらよいか

認定調査員は市町村職員(介護保険)、地域包括センター職員、または委託を受けた居宅介護支援事業所のケアマネジャーがなります。
なかには、市町村が認定調査員マニュアルの研修をしただけで臨時の職員(介護知識なし)に調査を実施させるところもあります。

親身な人か、事務的(機械的)な人か
人によって認定調査の結果が多きく変わる
一番困ってしまうのは
要支援2と要介護1のどちらかに分かれたとき
もしかしたら要介護1だったかもしれないのに
要支援2になってしっまった。
要支援2と要介護1では
使えるサービスが大きく変わってくる。
そういう意味で
認定調査員の調査の仕方は重要である

もし事務的な人が来て
本当に本人や家族の話を聞きとってくれたのか???
不安なとき・・・

特記事項の内容を確認する意味で
どのようにメモされたのか
お話しいただけますか、と
意見を求めることはできます。
調査員の話を聞いて
不十分なところや書き足りないところがあったら
率直に話をする
もしかしたら自分の方でも言葉足らずあるかもしれない

もしそれがだめならば、認定結果を持つ
認定決定通知に納得いかないときは
認定調査に関する情報開示を申請するとよいでしょう
本人の状態がよくなっていないのに、
要介護度が少ない数字になったときは
ケアマネジャーに相談し
区分変更の申請をするとよいでしょう。


上記の内容でわかりにくい点や説明不足のときは
お気軽にコメントへ投稿下さいませ 

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536;上手な介護サービスの活用処方 第40話「認定調査の項目」 〔38〕 「しつこく同じ話をする」

2017-11-13 12:27:37 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第40話「認定調査の項目」 〔38
             4-5 同じ話をする(有無)

「しつこく同じ話をする」行動の頻度を評価する項目である

1.ない
2.ときどきある
3.ある

・もともと、性格や生活習慣から、単に同じ話をすることではなく、場所や目的からみて不適当な行動があるかどうかで選択する。


・認定調査項目「3-4 短期記憶」(blog #499)とも関連性がある。
・例えば、「今日、デイサービスに行く日か」と聞かれ、「明日だよ」と答えても、その後も数回にわたり同じことを聞いたりする場合は、「ある」の選択になる。
 認知症症状があり、いま話したことやいまあった出来事ごとを忘れ、何回も聞き直すことがある。
 そのような場合は、「短期記憶障害」の箇所でも「できない」の選択にチェックされる。
 忘れるため、その日に同じことを何度でも聞き直す。
 その場合、「また同じ話をして」「さっき話したでしょう」「同じことを何回聞くの」などと、つい言葉で返ししてしまいます。
 口から言葉が出たときは仕方がないですが、先ほど同じ話を聞いたとしても、はじめて聞くような素振りで聞かれるとよいでしょう。
 なかなか同居している家族にとっては大変なことです。怒ったところで、本人はどうして怒られたのかわからないのです。
 人間関係が悪くなるだけ・・・。お互いにストレスが溜まります・・・・。
 今、話したことを忘れる。その忘れたこと自体も忘れているのです。
 
・4-5の調査項目は、本人よりも家族介護者に聞かれることが多いので、普段「しつこく同じ話をされる」言葉を 事前にメモしておくとよいでしょう。

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532;上手な介護サービスの活用処方 第39話「認定調査の項目」 〔37〕 「昼夜逆転」

2017-11-12 05:58:24 | 上手な介護サービスの活用処方
後ろ姿の女性は、毎日、深夜「散歩」が続き、家族は疲労困憊。
デイサービスを変え、週6回のデイサービス利用、利用開始3日目で夜間「散歩」は消失。


「認定調査の項目」のブログは、内容が硬く、
似たような文章が続き、興味を引くようなところがないのでは、と思っています。
現在、要介護認定を受けておられ在宅で過ごされている人や在宅介護者に、
今後の認定調査のときに、少しでも役に立てれば幸いです。
認定調査を受けても、実際にどのような基準評価で調査が行われているのか、
わかりにくいのが実情です。
要介護認定調査の結果や主治医意見書の情報(写し)は
利用者本人が申請すれば、その情報を得ることができます。
詳しくは市町村介護保険に電話で相談されるとよいでしょう。
私が要介護認定の調査を受けたときは、その結果がどうなったか、
自分のことなので知りたいと思います。


 上手な介護サービスの活用処方 第39話「認定調査の項目」 〔37
                4-4 昼夜逆転

ここでいう「昼夜の逆転がある行動」とは、夜間に何度も目覚めることがあり
そのために疲労や眠気があり日中に活動ができない、もしくは昼と夜の生活が
逆転し、通常、日中行われる行為を夜間行っているなどの状況をいう。


1.ない

2.ときどきある
3.ある

下記の場合は、昼夜逆転にはならない
・夜更かし(遅寝遅起き)など単なる生活習慣によるもの
・蒸し暑くて寝苦しい、周囲の騒音で眠られない等の生活環境のために眠られない
・夜間頻尿のため、夜中に2~3回ほど起きる場合


・夜中にタンス等をあけて預金通帳を探し始める(週2回)などの行動は、「ある」を選択する


認知症が進むと「昼夜逆転」があり、それに「徘徊」や「転倒」が重なると
家族介護者の負担は大きくなります。
夜間起き出し、外へ出て歩き回るなどの行動にでると更に大変であり、家族の負担ははかりしれないものがあります。
疲労困憊し、介護者の方が倒れてしまいます。


昼夜逆転があるとき
ケアマネジャーがまだ決まっていないときは
地域包括支援センターに電話でもよいから相談されるとよいでしょう。


ケアマネジャーがおり、介護サービスを利用してされている場合
1)まず認知症の専門医に受診されることです。
そのときにはケアマネジャーにも同席して頂くようお願いするとよいでしょう。

2)ケアマネジャーにも相談し、ケアプランの見直しをしていただくことです。
ケアマネジャーの対応が遅いときは、市町村の地域包括支援センターに相談されるとよいでしょう
センターからケアマネジャーに連絡が入ります。


・デイサービスを利用されていない日は、夜間起き出し動き回るが
デイサービス利用日の日は、夜間起き出さずに寝ている。
そのデイサービスは、日中、リハビリや体を動かす活動をされているため、適度な疲労感により
夜眠れているのだと思います。


デイサービスを利用した日でも、夜間起き出している。
そのデイサービスはその方にとっては適切なサービスがされていないので、
活動的なデイサービスをケアマネジャーに探してもらい、デイサービスの事業所を変更してみる。
日中散歩もしてくれるようなデイサービスを探すとよいでしょう。
(夜間徘徊がある老人は「外へ出たい」という欲求が強いことから、その欲求をデイサービスで解消を図ることです)

要介護度に応じて週利用できる回数が決まります。
要介護1でもデイサービスだけのサービス利用なら、週4回は利用できます。
但し訪問介護や他のサービスを利用されている場合はデイサービスの利用回数は変わってきます
そのところはケアマネジャーは詳しいので、よく相談されるとよいでしょう


要支援2の認定を受けている方は、地域包括支援センターに相談し、要介護認定の区分変更を
お願いすることです。

区分変更の申請書を出された場合は、かかりつけ医の受診をされる際、昼夜逆転など困っている行動を話されることが
大切です。 受診のときに話されたことが、認定審査会に使われる主治医意見書に反映されます
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529;上手な介護サービスの活用処方 第38話「認定調査の項目」 〔36〕 「感情が不安定」

2017-11-11 04:27:18 | 上手な介護サービスの活用処方
 上手な介護サービスの活用処方 第38話「認定調査の項目」 〔36
               4-3 感情が不安定(有無)

ここでいう「泣いたり、笑ったりして感情が不安定になる」行動とは、
悲しみや不安になどにより涙ぐむ、感情的にうめくなどの状況が自然なほど
持続したり、あるいはそぐわない場面や状況で突然笑いだす、怒り出す等、
場面や目的からみて不適当な行動のことである


・家族の話では、昔から涙もろく、昔の話などをしていたりテレビドラマをいると直ぐに泣いてしまうという
場合は、「ない」になる。場面や目的からみて不適当な行動ではないため。


実際の認定調査では、「ある」を選択することの方が少ない。
認知症や脳卒中(脳血管障害)後遺症になってから、性格が変わり怒ることが増えてきた。
認知症が進んでくると、自分の気持ち(感情)を、ありのままに出してくる。
二重人格とは違い、人間、職場でも近所付き合い、嫁姑などの関係において
嫌な感情を持っていても挨拶をしたり本音とは違う言葉で会話を行う。
それは人間関係を保つためにある。

認知症になる前、性格のきつい人は、認知症になった場合、そのまま性格がきつく出てくることもあり
怒った感情になり、デイーサビスなどでは利用者から疎まられてしまう。
会話なかで、言葉のきつさが表れ、これでは嫁姑の関係は上手くいっていなかったのだ、感じることもある。

心穏やか、柔らかな心で過ごされ、老いを迎えていくことと、感謝の気持ちを持つことが大切なのかな、と。
そのような人が老い、認知症になっても穏やかな性格で、周りから「可愛いがられる」。
人生の大先輩を「可愛がる」という言葉は不謹慎なのかもしれないが、
好かれる老人、嫌われる老人がいる(老人の世界でも同性から嫌われると、異性からも嫌われる)
それは老人でなくても、人間誰にもある。

脳卒中後遺症を持つ人の場合は、
いままで「出来ていた」ことが、「出来なくなる」など
思うようにいかなくなることで、性格が変わり怒ったするようになる。
また感情をコントロールする箇所の脳細胞が損傷されることで、泣いたり、怒ったりと感情が不安定になりやすくなる。
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525;上手な介護サービスの活用処方 第37話「認定調査の項目」 〔35〕 「作話」

2017-11-09 00:47:59 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第37話「認定調査の項目」 〔35
               4-2 作話(有無)

ここでいう「作話」行動とは、事実と異なる話をすることである。

1.ない
2.ときどきある
3.ある

自分に都合のいいように事実と異なる話をすることも含む。
起こしてしまった失敗を取りつくろうためのありもしない話をすることも含む

濡れたおむつをしまいこんでいるのがわかると、
「赤ちゃんのおむつを捨てていく人がいるの」
といって取り繕うことがある


箪笥の引き出しや押入れに濡れた紙おむつがあったのを発見されると
「私じゃない」「誰かが入れたんだ」と取り繕う行動がみられる

このように取り繕いの行動は、認知症が進むとみられてくる。
忘れてしまった記憶を取り繕うために、作話したり、誰かのせいにしたりするのが特徴である。
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522;上手な介護サービスの活用処方 第36話「認定調査の項目」 〔34〕 「被害的」

2017-11-08 07:46:41 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第36話「認定調査の項目」 〔34
                4-1 被害的(有無)

ここでいう「物を盗られたなどと被害的になる」行動とは、
実際は盗られていないものを盗られたという等、被害的な
行動のことである。


1.ない
2.ときどきある
3.ある

「物を盗られた」ということだけでなく、「食べ物に毒が
入っている」「自分の食事だけがない」等と被害的な行動
も含む。



認知症が進むと「財布がない」「お金がない」「通帳がない」と言って、探し回るが見つからない。
見つからないと「嫁が盗った」などと矛先が変わり被害的になる。
そのときは、「誰も盗っていないよ」と話しても、信じようとはしない。
「一緒に探してみようか」と声掛けし、一緒に探す。探していると布団の下やタンスの引き出しの中に
「財布」を発見。その場合本人に誘導するような形で「布団の下あるかどうか調べてみてくれる。私は
こっち探してみるから」。本人は布団の下に「財布があった」、と安堵の声がする。「見つかって良か
ったね」と、一件落着。

また、「知らない男が家に入ってきている」と訴えた場合、
「そんな男は家にはいないよ」と話すと、
本人は「私の話が嘘だというのか」と怒りだす場合もある。
そのようなときは
「どんな顔した男なの」とか
「警察に電話を入れて悪い男を連れて行ってもらったから大丈夫」
などと本人の話を否定せず肯定的に受け止めていくことが大切。

ある意味では認知症ケアは、役者になった気持ちで会話をしてみる。
そうは言っても家族となると、感情が入りなかなか上手くはいかない・・・・。
大事なことは、「否定しない」言葉が大切。
否定すると「私の話を嘘だと思っているのでしょう」と本人は余計に反発します。

水分不足になるとせん妄的な状態になることもある。
「蛇がいる」などと

被害的な言動が出たときには、認知症の専門医を受診することも大切です。
また市町村の地域包括支援センターや居宅介護支援事業所の介護支援専門員に相談されるとよいでしょう。

認定調査のときには、被害的な言動で苦労していること困ったことなど話されるとよいでしょう
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518;上手な介護サービスの活用処方 第35話「認定調査の項目」 〔33〕 「第4群 精神・行動障害」

2017-11-07 02:16:13 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第35話「認定調査の項目」 〔33
              第4群 精神・行動障害

「第4群 精神・行動障害」は、被害妄想、昼夜逆転等の精神症状等や、
介護に抵抗し、物を壊したり、衣類を破いたりする等の行動に関して
調査を行う項目の群である。
 
選択肢の選択基準

1.ない
2.ときどきある
3.ある

1.その問題となる行動が、過去1か月間に1度も現れたことがない場合や
ほとんど月1回以上の頻度では現れない場合をいう

・意識障害、寝たきり等の理由により、外出が起こりえない場合も含まれる
2.少なくとも1か月間に1回以上、1週間に1回未満の頻度で現れる場合をいう
3.少なくとも1週間に1回以上の頻度で現れる場合をいう

「精神・行動障害」の認定調査項目
4-1 被害的
4-2 作話
4-3 感情が不安定
4-4 昼夜逆転
4-5 同じ話を繰り返す
4-6 大声を出す
4-7 介護に抵抗
4-8 落ち着きなし
4-9 一人で外に出たがる
4-10 収集癖
4-11 物や衣類を壊す
4-12 ひどい物忘れ
4-13 独り言・一人笑い
4-14 自分勝手に行動する
4-15 話がまとまらない

※※
・認定調査員から「日頃の行動や介護上でなにか困ったことや問題行動がありますか」と、聞かれ
「なにもない」と回答された場合、それでこの第4群の調査を終えてしまうことがある。
・「このくらい、この程度は話さなくてもいいか」、ということで、なにもない、
ということで、終えてしまっては、認定調査員に何も伝わらない。
あらかじめ、ささいなことでもよいから箇条書き的にメモでもしておくとよいでしょう。
(そのメモを調査員に渡してもかまいません)

・「ない」「ときどきある」「ある」の回答だけでなく、実際の対応や介護の手間、頻度なども
具体的に調査員に話されるとよいでしょう。
・上記の15項目以外に類似した行動やそれ以外の行動で困ったことや手間がかかっていることも
あれば、それについても話されるとよいでしょう。

・上記のの「精神・行動障害」は認知症高齢者だけでなく、
脳卒中後遺症により、「できなくなった」ことで、性格が変わり、「感情が不安定」「大声を出したり」
などの行為が見られることもあります。


「精神・行動障害」は、恥かしいことではないので、躊躇うことなく
認定調査員に話されるとよいでしょう
(認定調査員は、守秘義務を遵守する責務があります)。
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516;上手な介護サービスの活用処方 第34話「認定調査の項目」 〔32〕 「外出すると戻れない」

2017-11-06 14:09:14 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第34話「認定調査の項目」 〔32 
             3-9 外出すると戻れない(有無)

1.ない
2.ときどきある
3.ある

1.外出して一人で戻れないことが、過去1か月間に1度も現れたことがない場合や
ほとんど月1回以上の頻度では現れない場合をいう

・意識障害、寝たきり等の理由により、外出が起こりえない場合も含まれる
2.少なくとも1か月間に1回以上、1週間に1回未満の頻度で現れる場合をいう
3.少なくとも1週間に1回以上の頻度で現れる場合をいう

「外出すると戻れない」行動とは、外出だけでなく、居室や居住棟から出て自室や自宅に戻れなくなる行動も含む。

認定調査項目〔31〕「徘徊」とも関連する。
認定調査対象者が、外へ出だし「徘徊」中に、家に戻れなくなったことがあり、
警察官や近所の人のお世話になったことも度々あったので、
いまは家族交代で本人が出ないように見守りをしている。
このような場合、外へ出ることもなくなり、「ない」に選択されてしまい、
家族の苦労が特記事項に反映されなくなる。
家族が見守りをしている「手間」や「苦労」を認定調査員に話されることが大切です。
(見守りをしていなければ、「本人は外出し戻れない」状態になる)

勿論、自宅内でもトイレや洗面所に行っても寝室や居間に戻れないような場合も、
「ある」または「ときどきある」に該当します。


次回から 第4群 精神・行動障害 の認定調査項目になる(15項目あります)
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512;上手な介護サービスの活用処方 第33話「認定調査の項目」 〔31〕 「徘徊」

2017-11-05 05:02:32 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第32話「認定調査の項目」 〔30〕  
3-8 徘徊(有無)

ここでいう「徘徊」とは、歩き回る、車いすで動き回る、床やベッドの上で這い回る等、
目的もなく動き回る行動のことである。


1.ない
2.ときどきある
3.ある

1.徘徊が、過去1か月間に1度も現れたことがない場合や
ほとんど月1回以上の頻度で現れる場合をいう。
・意識障害、寝たきり等の理由により、徘徊が起こりえない
場合も含まれる

2.少なくとも1か月間に1回以上、1週間に1回未満の頻度で
現れる場合をいう。
・定義した行動のいずれか、1つでもある場合をいう

3.少なくとも1週間に1回以上の頻度で現れる場合をいう。
・定義した行動のいずれか、1つでもある場合をいう


毎日、ベッド上を這い回っているが、
ベッドから下に降りて、部屋を這って動き回ることはない。
この場合は、「ある」を選択する。


認定調査員のテキストでは、徘徊は目的もなく動き回る行動としている。
認定調査では、徘徊の捉え方を問うているのではないので、上記の解釈で「よし」とする。
しかし、認知症ケアにおいては「徘徊」に対する捉え方は違ってくる。
認知症高齢者に限らず、人間は目的があるから、「立ち上がり」「立ち」そして「歩く」という行動に出る。
《目的なく歩き回ることはない。「歩く」、それは目的があるから歩く》

一部の介護施設や介護事業所のなかで
認知症高齢者が椅子から立ち上がると、「危ないから坐っていなさい」と、
肩に手をかけ坐らせようとする。
また椅子から立ち上がり、歩きだすと「危ないから坐ってて」とか、
「どこへいくの」などと大きな声で行動を制止する。

認知症高齢者はなぜ「椅子から立ち上がったり」「歩きはじめたり」したのか。
その理由(わけ)を考えていくことがケアである。
体はオシッコしたいと信号(シグナル)を出していても、
認知症高齢者は、どうしていいかわからず、
立ち上がったり歩きだしたりしてソワソワすることもある。
その場合、介護者が「トイレですか」と声をかけ誘導してみる。

また喉が渇いても、水を飲むことがわからない。
喉が渇くと人間落着かなくなる。それで立ち上がり、歩き始めることもある。
トイレでなければ、次に水分を与えてみる。

水分を与えても落ち着かなければ、何故歩き回るのか、
認知症高齢者とともに考えてみる(悩んでみる)。

目的のない行動はない
それは自分を基準に考えてみる。
行動を起こすときには、必ず目的がある。

目的もなく夜、飲み屋街をはしご酒をし、ウロウロと歩き回る男の行動が
「徘徊」なのかもしれない。



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507;上手な介護サービスの活用処方 第32話「認定調査の項目」 〔30〕 場所の理解

2017-11-03 04:56:09 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第32話「認定調査の項目」 〔30〕 
3-7 場所の理解(能力)


ここでいう「場所の理解」とは、「ここはどこですか」という質問に答えることである

1.できる
2.できない

1.質問されたことについて、ほぼ正確な回答ができる場合をいう。
2.質問されたことについて正しく回答できない、あるいは、まったく回答できない場合をいう。

所在地や施設名をたずねる質問ではない。質問に対して「施設」「自宅」などの区別がつけば、「できる」になる。
現在、施設に入所中だが、施設に入所していること自体、理解していない場合は、「できない」を選択する
現在、施設に入所していることは、理解しているが、施設の所在地や施設名について答えることができなかった。これは「できる」になる。


実際に、認定調査で「ここはどこですか」と質問した場合、自宅の場合は、所在地を答える人が多い。それでは「できる」にならず、
「ここは誰の家ですか」と聞き直しをしてしまう。たいていは「俺の家」「息子の家」と答える事が多い。
場所の理解ができているかどうか(場所の失見当識の判断)、を知る調査項目になるのだが、私は付け足しで、自宅のトイレや洗面所など場所を理解しているかどうかも聞き、そのことも特記事項に記載する。
現実にトイレや洗面所がわからなかったことがある場合は、認定調査員に話されるとよいでしょう
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504;上手な介護サービスの活用処方 第31話「認定調査の項目」 〔29〕 今の季節を理解する

2017-11-01 21:32:24 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第31話「認定調査の項目」 〔29
今の季節を理解する(能力)


ここでいう「今の季節を理解する」とは、面接調査日の季節を答えることである

1.できる
2.できない

1.質問されたことについて、ほぼ正確な回答ができる場合をいう。
2.質問されたことについて正しく回答できない、あるいは、まったく回答できない場合をいう。
  回答の正誤が確認できない場合も含まれる。


旧暦での季節でも、「今の季節を理解する」ことができれば、「できる」になる
季節に多少のずれがあってもよい(例えば、1月であれば「冬」あるいは「春の初め」と回答するなど)
今の季節を答えることはできないが、調査当日の月日は答えることができた場合は、「できない」になる。


現在使われている新暦は、太陽が基準です。しかし旧暦は、月の満ち欠けが基準でした。だから現在とは,季節のずれがあります
旧暦の季節 春(1月~3月) 夏(4月~6月) 秋(7月~9月) 冬(10月~12月)

実際に認定調査を行ったとき、旧暦よりは体で感じた季節を回答されることの方が多い。
認定調査が実施される地域(私の場合は南東北に住む)により、季節感は幾分変わるのかもしれない。
季節の変わり目が難しく、またその日の天候によって認定調査対象者の回答が変わる(例えば3月は「春」としているが、雪が降ったりすると「冬」と答える。そのようなときは「冬」にする)
私の場合目安として 春 3月~5月 夏 6月~8月 秋 9月~11月 冬 12月~2月 としている。
旧暦の季節を理解し、回答される人は少ない


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