那須連山と阿武隈川の夕焼け 右端のラパン・ショコラは愛車 在宅訪問大活躍 38月で75,000km走行
寂寥感癌の病を抱え
歩くこともままならぬ老女は
長年住み慣れた家に帰ることもできず
空蝉の如く空家となった
いまは 殺風景な温もりのない
高齢者住宅の一室に棲む
窓に鉄格子がないだけの
俗世間から遮断された時空間
老女は呟く
「こうして独りでいると 言葉まで忘れてしまう」
髪の毛が抜け落ちるように
記憶までも失っていく
残るのは寂寥感
握った老女の手を離し
「またね」と別れの言葉を「放す」(話す)
遣る瀬無く
せつなく
どうしようもなく
独り生きる老女の寂寥感を
包み込むこともできない
非力な自分
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