老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

孤独のうちに施設で最期を迎えた「風変りな老人」が残した一編の詩

2023-06-03 05:02:04 | 沁みる砂時計
1947 孤独のうちに施設で最期を迎えた「風変りな老人」が残した一編の詩



孤独のうちに施設で最期を迎えた「風変りな老人」が残した一編の詩 (2016.06.18)

老人ホームで孤独に最期を迎えた男性が残したという一編の詩が、今年の初めに海外メディアを少しだけ賑わせました。
訪れる家族もなく、老人ホームの職員たちもあまり深く関わろうとはしなかった老人。
価値のある遺品などはありませんでしたが、彼が人生を振り返ったその詩、老いについて本人が表したその詩は、確実に人々の心に残りました。
その詩がこちらです。

「風変りな老人」
皆さんには何が見えていますか? いったい何が? あなたは何を考えていますか、
私を見ているそのときに? 風変りな老人…そんなに賢くもない どんな性格なのかもわからない、

遠くをただ見つめている 食事をこぼしたのは誰かと聞いても、何も答えない
あなたが大きな声を出すと、私は同じ目に合えばいいと思うんだ

あなたが何をしても、気づいた様子もない いつも靴か靴下を片方なくしている?
あなたがやりたいようにやらせる相手 抵抗することもあるけどね お風呂や食事に見合うほどの1日だった?

あなたはこう思っているんだろう? あなたにはこう見えているんだろう?
目を開けてみてみるんだ。あなたは私のことなんて見てはいない。

私のことを話そうと思う。
こうしてじっと座っているうちにね あなたの命令通りに動いているうちに あなたの思う通りに食事をしているうちに

私が10歳の子どもだったとき、父と母、 きょうだいたちと一緒だった 愛し合っていたよ

私が16歳だったとき、足に翼が生えていた きっとすぐに愛する人と会えるものだと思っていた

新郎になった20歳のとき、心は飛び跳ねていた 守ると決めた結婚式の誓いを覚えながら

25歳のとき、子どもたちが生まれた 道しるべと安全で幸せな家が必要だった

30歳のとき、子どもたちは急激に成長していったよ 共に過ごす運命にあった 永遠に続くはずの絆だった

40歳のとき、息子が成長して旅立った でも妻が側にいたから、悲しくなんてなかった

50歳のとき、孫が足にまとわりついてきたっけね 子育てについてはよく知っているよ 妻も私も

世界は暗闇に覆われた 妻はもういないんだ 先のことを考えると恐怖で震えた
子どもたちはみんな子育てをしていた そして私はかつて知っていた愛について考えた
今や私は老人だ そして自然は残酷だ 年を取るってことはバカみたいにみえるものだ
ぼろぼろになり、優雅さや力強さが失われた肉体 単なる石でしかない かつてはそこに心を持っていたものだけど
古ぼけた残骸の中には、まだ若い人間が宿っているんだ

そして再び、ぼろぼろになった心が一杯になる 喜びを覚えている 痛みを覚えている そして人生を繰り返し愛しみ、生きるんだ
早すぎるほどに過ぎ去った年月を考える そしてすべてははかないって事実を受け入れる
じゃあ目を開けてごらん 開けてよく見るんだ 風変りな年寄りをじゃない よく見るんだ…私を!!


真偽は不明
老人ホームで亡くなった104歳の男性、Mak Filiser氏の遺品整理をしていた職員が、この詩を見つけたそうです。
そして内容に感銘を受け、コピーをして職員全員に配り、やがて世界に知れ渡るようになった……と言われています。
この話が実話かどうかははっきりしません。
もし実話ではないとしたら、誰がどんな気持ちで、何を伝えたくて、この詩を書いたのでしょうか?

自分は『老いの詩』をネットで検索したとき、この詩に遭遇しました。
自分もこの詩に共感し、拙いブログ『老い楽の詩』に掲載した次第です。

今や私は老人だ そして自然は残酷だ 年を取るってことはバカみたいにみえるものだ
ぼろぼろになり、優雅さや力強さが失われた肉体 単なる石でしかない かつてはそこに心を持っていたものだけど
古ぼけた残骸の中には、まだ若い人間が宿っているんだ

そして再び、ぼろぼろになった心が一杯になる 喜びを覚えている 痛みを覚えている そして人生を繰り返し愛しみ、生きるんだ
早すぎるほどに過ぎ去った年月を考える そしてすべてははかないって事実を受け入れる


この最後の言葉(詩)に衝撃を受ける。

「石でしかない・・・・古ぼけた残骸の中には、まだ若い人間が宿っているんだ・・・・生きるんだ」

まだ齢七十の自分
へこたれてはいけない
百四歳の老人の生き様から「爪の垢を煎じて飲め」、と自省せねばならない










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2 コメント

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おはようございます (吾亦紅)
2023-06-03 08:37:07
>早すぎるほどに過ぎ去った年月を考える そしてすべてははかないって事実を受け入れ
一年一年の時の流れを速く感じます。年ごとにそれを感じます。
また、写真を撮られて見せられた時、カメラの残酷さを痛切にを感じます。
寂しいですが、生きねばなりません。

この詩をどなたが書いたかは、どうでもいいのです。
わが身に置き換えて、感銘を受けました。
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Unknown (星光輝)
2023-06-03 15:04:16
コメントありがとうございます。
ハッとさせられました。

見ているようで見ていない。
見られているのは自分。

老い逝くこと
時間は刻刻と過ぎ
砂時計の砂は容赦なく落ちていきます。

{寂しいですが、生きねばなりません}
その言葉に同感します。

吾亦紅 の詩、曲も素敵です
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