初燕 凪の川面に 影も飛ぶ
(はつつばめ なぎのかわもに かげもとぶ)
442 【季語】 初燕 【季節】 仲春
いにしえの 高松、キトラ 黴に啼く
(いにしえの たかまつ、きとら かびになく)
440 【季語】 黴 【季節】 仲夏
石庭に 木漏れ陽温く 竹落葉
(せきていに こもれびぬるく たけおちば)
441 【季語】 竹落葉 【季節】 初夏
薔薇咲くに 色香溢れて 人屯ろ
(ばらさくに いろかあふれて ひとたむろ)
438 【季語】 薔薇 【季節】 初夏
薔薇哀し 朽ち果てるまで 咲いており
(ばらかなし くちはてるまで さいており)
439 【季語】 薔薇 【季節】 初夏
魅せられし 濃ゆくて深い 薔薇の色
(みせられし こゆくてふかい ばらのいろ)
435 【季語】 薔薇 【季節】 初夏
年を経るに 潜りて恥ずかし 薔薇の門
(としふるに くぐりてはずかし ばらのもん)
436 【季語】 薔薇 【季節】 初夏
風吹けど 青筋揚羽 びくとせず
(かぜふけど あおすじあげは びくとせず)
437 【季語】 揚羽 【季節】 三夏
川鵜ども 羽を広げて 見得を切る
(かわうども はねをひろげて みえをきる)
432 【季語】 川鵜 【季節】 三夏
鷺群舞 川鵜乱舞の 河川敷
(さぎぐんぶ かわうらんぶの かせんじき)
433 【季語】 川鵜 【季節】 三夏
水遊び 天下泰平 お犬様
(みずあそび てんかたいへい おいぬさま)
434 【季語】 水遊び 【季節】 三夏
楠若葉 風に揺られて 雫垂る
(くすわかば かぜにゆられて しずくたる)
428 【季語】 楠若葉 【季節】 初夏
この配置 白鷺川鵜 オセロする
(このはいち しらさぎかわう おせろする)
429 【季語】 川鵜 【季節】 三夏
夜明け頃 野生に戻る 夏の猫
(よあけごろ やせいにもどる なつのねこ)
430 【季語】 夏の猫 【季節】 三夏
座り良き 牡丹姉妹の 艶姿
(すわりよき ぼたんしまいの あですがた)
431 【季語】 牡丹 【季節】 初夏
薔薇園の 入り口に咲く 野薔薇良し
(ばらえんの いりぐちにさく のばらよし)
425 【季語】 野薔薇 【季節】 初夏
薔薇の花 朝日浴びてか 威張りだし
(ばらのはな あさひあびてか いばりだし)
426 【季語】 薔薇 【季節】 初夏
玄関番 蛙たまがり 賊帰る
(げんかんばん かえるたまがり ぞくかえる)
427 【季語】 蛙 【季節】 三春
何が好き さみどり若葉 楠木よ
(なにがすき さみどりわかば くすのきよ)
422 【季語】 若葉 【季節】 初夏
雨上がり 若葉目にしむ 朝の道
(あめあがり わかばめにしむ あさのみち)
423 【季語】 若葉 【季節】 初夏
花薔薇 雨の真珠玉 陽を浴びて
(はなそうび あめのまじゅだま ひをあびて)
424 【季語】 花薔薇 【季節】 初夏
葉桜も これまた佳しと 思いなん
(はざくらも これまたよしと おもいなん)
420 【季語】 葉桜 【季節】 初夏
薔薇園も コンマ五分咲き 昨日今日
(ばらえんも こんまごぶさき きのうきょう)
421 【季語】 薔薇園 【季節】 初夏
その心 溶かしてみたき 雪柳
(そのこころ とかしてみたき ゆきやなぎ)
418 【季語】 雪柳 【季節】 晩春
紫電英見て 蒲公英探す 我おかし
(げんげみて たんぽぽさがす われおかし)
419 【季語】 蒲公英 【季節】 晩春
春の畑 鋤入れ見事 味を見る
(はるのはた すきいれみごと あじをみる)
416 【季語】 春の畑 【季節】 三春
見つけしは タンポポの宿 蜂二匹
(みつけしは たんぽぽのやど はちにひき)
417 【季語】 タンポポ 【季節】 三春
どんたくも 遠くにありて 晴れ祈る
(どんたくも とおくにありて はれいのる)
413 【季語】 どんたく 【季節】 晩春
鯉幟 緋鯉に真鯉 池の鯉
(こいのぼり ひごいにまごい いけのこい)
414 【季語】 鯉幟 【季節】 初夏
日の丸に 包まれ泳ぐ 鯉幟
(ひのまるに つつまれおよぐ こいのぼり)
415 【季語】 鯉幟 【季節】 初夏
花苺 純白ゆえに 実は赤し
(はないちご じゅんぱくゆえに みはあかし)
410 【季語】 花苺 【季節】 晩春
春あした こぶし効かせて 鴉啼く
(はるあした こぶしきかせて からすなく)
411 【季語】 春あした 【季節】 三春
春あした=春の朝(あした)
春暁や 雲を掻き分け 陽は出ずる
(しゅんぎょうや くもをかきわけ ひはいずる)
412 【季語】 春暁 【季節】 三春
鳩は寄り 頬白逃げる デジカメに
(はとはより ほおじろにげる でじかめに)
408 【季語】 頬白 【季節】 晩春
その枝は 孕み雀にゃあ ちと細い
(そのえだは はらみすずめにゃあ ちとほそい)
409 【季語】 孕み雀 【季節】 仲春
雨の後 顔膨らませ 躑躅咲く
(あめのあと かおふくらませ つつじさく)
405 【季語】 躑躅 【季節】 晩春
垣根より 顔出す躑躅 赤く燃え
(かきねより かおだすつつじ あかくもえ)
406 【季語】 躑躅 【季節】 晩春
涙目は うれし涙や 花粉かや
(なみだめは うれしなみだや かふんかや)
407 【季語】 花粉症 【季節】 晩春