俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

銀杏散る

2006年11月30日 | 俳句

『親しみを 感じさせつつ 銀杏散る』
(したしみを かんじさせつつ いちょうちる)


『銀杏落葉 金の色した 絨毯や』
(いちょうおちば きんのいろした じゅうたんや)


『木洩れ日を 満面に受け 冬閑か』
(こもれびを まんめんにうけ ふゆしずか)


『幸せは 顔に出にけり 冬日向』
(しあわせは かおにでにけり ふゆひなた)


『幸せを 見れば幸せ 冬の午後』
(しあわせを みればしあわせ ふゆのごご)


『山茶花は 後を残さず 散りぬるを』
(さざんかは あとをのこさず ちりぬるを)


『冬木立 昨日より明日を 感じさせ』
(ふゆこだち きのうよりあすを かんじさせ)


『枯紅葉 散りゆく先を 目で追いぬ』
(かれもみじ ちりゆくさきを めでおいぬ)


『落ちて尚 風に漂う 冬紅葉』
(おちてなお かぜにただよう ふゆもみじ)


『二度ばかり 栞に使いし 彩落葉』
(にどばかり しおりにつかいし あやおちば)


『短日や 四句八句して 創句する』
(たんじつや しくはっくして そうくする)


『冬麗 楽しき旅を 思い出し』
(ふゆうらら たのしきたびを おもいだし)


『冬銀河 冴え冴えとして 星遠く』
(ふゆぎんが さえざえとして ほしとおく)


播州 清水寺3

2006年11月29日 | 俳句

『今日はよし 明日に残せよ 木の葉雨』
(きょうはよし あすにのこせよ このはあめ)


『常緑の バックに映える 枯紅葉』
(じょうりょくの ばっくにはえる かれもみじ)


『冬時雨 石段苦手 また金堂』
(ふゆしぐれ いしだんにがて またこんどう)


『落葉坂 錆びしポストの 頼りなく』
(おちばざか さびしぽすとの たよりなく)


『降るほどに 音も湿りし 落葉道』
(ふるほどに おともしめりし おちばみち)


『落葉踏む その傍らに 紅葉散る』
(おちばふむ そのかたわらに もみじちる)


『黄落は 夢か現か 黄泉の世か』
(こうらくは ゆめかうつつか よみのよか)


『いつになく 銀杏落葉の 気にかかる』
(いつになく いちょうおちばの きにかかる)


『どこまでか 降り積もらばや 落葉止む』
(どこまでか ふりつもらばや おちばやむ)


『枯落葉 踏みたくもあり たくもなし』
(かれおちば ふみたくもあり たくもなし)


『陶の町 下水の鉄蓋 冬の道』
(とうのまち げすいのてつぶた ふゆのみち)


『村時雨 陶の道しるべ 踏みて行く』
(むらしぐれ とうのみちしるべ ふみてゆく)


播州 清水寺2

2006年11月28日 | 俳句

『枯落葉 足をも止める 色使い』
(かれおちば あしをもとめる いろづかい)


『冬の道 阿吽の息の 顔に出て』
(ふゆのみち あうんのいきの かおにでて)


『前見ても 後をみても 冬紅葉』
(まえみても うしろをみても ふゆもみじ)


『時雨道 左に赤く 右は黄に』
(しぐれみち ひだりにあかく みぎはきに)


『黄落の 絨毯敷いて お出迎え』
(こうらくの じゅうたんしいて おでむかえ)


『黄落は 陽薄きところ 厚く積む』
(こうらくは ひうすきところ あつくつむ)


『参道は 時の過ぐるに 冬閑か』
(さんどうは ときのすぐるに ふゆしずか)


『緋の鯉は 黄落に負け 浮きもせず』
(ひのこいは こうらくにまけ うきもせず)


『陶工の 歴史語るや 冬時雨』
(とうこうの れきしかたるや ふゆしぐれ)


『冬枯れや 物より場に目 陶芸展』
(ふゆがれや ものよりばにめ とうげいてん)


『冬の茶は 地元丹波の 碗で飲む』
(ふゆのちゃは じもとたんばの わんでのむ)


『冬晴れや 朋の朋とは 真の朋』
(ふゆばれや とものともとは しんのとも)

                                  -1600

播州 清水寺1

2006年11月27日 | 俳句

昨日、播州清水寺への古寺探訪同好会に同行させていただいた。
その時、詠んだ句を紹介する。写真は、同寺境内の銀杏の木である。

『時雨るるに 気は播州 清水へ』
(しぐるるに きはばんしゅう きよみずへ)


『紅葉枯る 色も形も 山閑か』
(もみじかる いろもかたちも やましずかか)


『冬の旅 前の車は はの八八八』
(ふゆのたび まえのくるまは はのぱっぱっぱ)


『葉を棄てて 銀杏並木の 万歳す』
(はをすてて いちょうなみきの ばんざいす)


『参道は 黄落ありて 行楽や』
(さんどうは こうらくありて こうらくや)


『村時雨 汚れ落としつ 山眠る』
(むらしぐれ よごれおとしつ やまねむる)


『清水は 紅葉の時雨 心地よし』
(きよみずは もみじのしぐれ ここちよし)


『眩しきは 本堂照らす 冬日かな』
(まぶしきは ほんどうてらす ふゆびかな)


『銀杏散る 古木はぽつん 仁王立ち』
(いちょうちる こぼくはぽつん におうだち)


『ご詠歌に 歩調合わせ 落葉道』
(ごえいかに ほちょうあわせ おちばみち)


『苔生せし 玉砂利の上 紅葉散る』
(こけむせし たまじゃりのうえ もみじちる)


『道の端に 楓と銀杏の 枯葉寄る』
(みちのはに かえでといちょうの かれはよる)


木の葉髪

2006年11月26日 | 俳句

『木の葉髪 育毛剤は 遅きかも』
(このはがみ いくもうざいは おそきかも)


『道往くに 落葉溜まりを 迂回して』
(みちゆくに おちばだまりを うかいして)


『ふく鍋を つついてみたく なりにけり』
(ふくなべを つついてみたく なりにけり)


『河豚鍋屋 これ見よがしに 鰭飾り』
(ふぐなべや これみよがしに ひれかざり)


『冬浅し 進む道をば 影に問う』
(ふゆあさし すすむみちをば かげにとう)


『落葉時 きりがないのが 人の道』
(おちばどき きりがないのが ひとのみち)


『山茶花は 咲いても散っても ぽつぽつん』
(さざんかは さいてもちっても ぽつぽつん)


『枯落葉 木の名も知らぬ 散歩道』
(かれおちば きのなもしらぬ さんぽみち)


『伝えてよ 落ち葉踏みしめ 君待つを』
(つたえてよ おちばふみしめ きみまつを)


『嫁は北 我は西へと 冬の旅』
(よめはきた われはにしへと ふゆのたび)


些事大事

2006年11月25日 | 俳句

『些事大事 どちらも無くて すぐ師走』
(さじだいじ どちらもなくて すぐしわす)


『温暖化 十一月は 句にならず』
(おんだんか じゅういちがつは くにならず)


『金無しの 話題を避くる 冬初め』
(かねなしの わだいをさくる ふゆはじめ)


『冬の星 頭上げねば 見えもせず』
(ふゆのほし あたまあげねば みえもせず)


『昔なら 河豚など食べて 身を清め』
(むかしなら ふぐなどたべて みをきよめ)


『好きですね 小春の明日香 畦に寝る』
(すきですね こはるのあすか あぜにねる)


『空仰ぎ 小さき冬を お願いす』
(そらあおぎ ちいさきふゆを おねがいす)


『下を見て 影寒ければ みな寒し』
(したをみて かげさむければ みなさむし)


『崩れゆく 冬の天気の 疎ましさ』
(くずれゆく ふゆのてんきの うとましさ)


『冬初め 風啼くごとに 寒さ増す』
(ふゆはじめ かぜなくごとに さむさます)


冬木立

2006年11月24日 | 俳句

『冬木立つ 抱けば聞こゆる 息づかい』
(ふゆきたつ だけばきこゆる いきづかい)


『枯落葉 ポプラを選んで ケンケンパッ』
(かれおちば ぽぷらをえらんで けんけんぱっ)


『小春日や 説教好きの 心無し』
(こはるびや せっきょうずきの こころなし)


『おでん種 芥子たっぷりの スジがよい』
(おでんだね からしたっぷりの すじがよい)


『冬浅し 風呂上りのみ 男前』
(ふゆあさし ふろあがりのみ おとこまえ)


『風呂の湯気 鼻にかかりて クシャミする』
(ふろのゆげ はなにかかりて くしゃみする)


『鰤大根 目の玉だけは 苦手だな』
(ぶりだいこん めのたまだけは にがてだな)


『冬の蜂 働き過ぎか ぼちぼちと』
(ふゆのはち はたらきすぎか ぼちぼちと)


『甲山 形円やか 冬陽射す』
(かぶとやま かたちまろやか ふゆひさす)


『旅に見る 明日香の冬よ まほろばよ』
(たびにみる あすかのふゆよ まほろばよ)


勤労感謝の日

2006年11月23日 | 俳句

『半平の 最後に残りし おでん鍋』
(はんぺんの さいごにのこりし おでんなべ)


『なつかしき 伊予の二年の 蜜柑食ぶ』
(なつかしき いよのにねんの みかんたぶ)


『嫁の剥く 蜜柑が美味し お世辞抜き』
(よめのむく みかんがうまし おせじぬき)


『貸してみぃ 我が蜜柑をば 妹の剥く』
(かしてみぃ わがみかんをば いものむく)


『妹が指 黄色く染めて 蜜柑剥く』
(いもがゆび きいろくそめて みかんむく)


『冬日差し 背中に受けて 小走りに』
(ふゆひざし せなかにうけて こばしりに)


『日の当たる 枯野なんぞは 期待せず』
(ひのあたる かれのなんぞは きたいせず)


『まして今 雪の花野に 風情なし』
(ましていま ゆきのはなのに ふぜいなし)


『冬日本 自殺自殺で 日も暮れる』
(ふゆにほん じさつじさつで ひもくれる)


『掃き溜めの 朽ちし落ち葉に 侘はなし』
(はきだめの くちしおちばに わびはなし)


『ああ三年 勤労感謝と 嫁言わず』
(ああさんねん きんろうかんしゃと よめいわず)


『それならば 良い兄さんで いようかな』
(それならば いいにいさんで いようかな)
              {11/23 いい兄さんの日}


『素うどんに 葱に天カス 冬浅し』
(すうどんに ねぎにてんかす ふゆあさし)


小春日

2006年11月22日 | 俳句

『小春日に 孤首を出して まず一句』
(こはるびに こくびをだして まずいっく)


『カーテンより 洩れる冬日の まだ温く』
(かーてんより もれるふゆびの まだぬるく)


『再会は 焼き鳥焼酎 時戻る』
(さいかいは やきとりしょうちゅう ときもどる)


『牡蠣食えば 行く末心配 日本食』
(かきくえば いくすえしんぱい にほんしょく)


『ネクタイし ツリーも変身 サンタさん』
(ねくたいし つりーもへんしん さんたさん)


『久々に 活けし水仙 粉噴きし』
(ひさびさに いけしすいせん こなふきし)


『冬初め 妹のはなしや 気は重く』
(ふゆはじめ いものはなしや きはおもく)


山茶花

2006年11月21日 | 俳句


『黄落は 厳か気分 味合われ』
(こうらくは おごそかきぶん あじあわれ)
               {季語:黄落 季節:晩秋}

『いつ止むか いつ降り出すか 夕時雨』
(いつやむか いつふりだすか ゆうしぐれ)


『山茶花は 若い姫御の 匂いする』
(さざんかは わかいひめごの においする)


『初雪や 車スキーする 南坂』
(はつゆきや くるますきーする みなみざか)


『黴餅は 食えても食えぬ 高松塚』
(かびもちは くえてもくえぬ たかまつづか)


『冬の陽は 悲しきものよ すぐ暮れる』
(ふゆのひは かなしきものよ すぐくれる)


『枯落葉 踏みしめるたび 淋しくて』
(かれおちば ふみしめるたび さびしくて)


『酔いまかせ 木の葉を避けて ほろほろと』
(よいまかせ このはをよけて ほろほろと)


『大望の 掻き揚げうどん 冬の昼』
(たいもうの かきあげうどん ふゆのひる)


『風邪の神 明日は騒ぐな 娘来る』
(かぜのかみ あすはさわぐな むすめくる)


『冬の月 雲あらずとも 照りもせず』
(ふゆのつき くもあらずとも てりもせず)


『いつの日か 枯野見んとて 句に励む』
(いつのひか かれのみんとて くにはげむ)

選挙

2006年11月20日 | 俳句


『時雨るるに 相合傘で 選挙行く』
(しぐるるに あいあいがさで せんきょゆく)


『校庭の 塀より覗く 枯銀杏』
(こうていの へいよりのぞく かれいちょう)


『枯落葉 銀杏に楓 土に消ゆ』
(かれおちば いちょうにかえで つちにきゆ)


『枯れ草の 音の違いを 踏み分けて』
(かれくさの おとのちがいを ふみわけて)


『焼き鳥屋 酌み交わす酒 朋の時』
(やきとりや くみかわすさけ とものとき)


『鮭鍋に さけの刺身 こんばんは』
(さけなべに さけのさしみ こんばんは)


『湯豆腐の 味判るには あと幾つ』
(ゆどうふの あじわかるには あといくつ)


『湯豆腐は 嵐山よと 嫁せがむ』
(ゆどうふは あらしやまよと よめせがむ)


『運悪しく ゆどうふ竹むら 宣伝す』
(うんあしく ゆどうふたけむら せんでんす)


『銀婚は 小夜の時雨や さっと明く』
(ぎんこんは さよのしぐれや さっとあく)

黄落

2006年11月19日 | 俳句

『黄落や 並木の道に 寂しさが』
(こうらくや なみきのみちに さびしさが)
{季語:黄落 季節:晩秋}


『夕時雨 朋と飲む酒 お膳立て』
(ゆうしぐれ ともとのむさけ おぜんだて)


『旅時雨 金婚までの 遠きこと』
(たびしぐれ きんこんまでの とおきこと)


『オーバーを 脱いで戻るや 妹の笑み』
(おーばーを ぬいでもどるや いものえみ)


『カラオケに 恥らい隠し 懐手』
(からおけに はじらいかくし ふところで)


『昼飯に 幕弁出され 冬旱』
(ひるめしに まくべんだされ ふゆひでり)


『木の葉散る 踏み締めし音に 寂しさが』
(きのはちる ふみしめしおとに さびしさが)


『木の葉散る 急くも緩くも 身勝手に』
(このはちる せくもゆるくも みがってに)


『木の葉色 いかなる画家も 出せぬ色』
(このはいろ いかなるがかも だせぬいろ)


『冬の朝 固太りの鯉 飛びはねし』
(ふゆのあさ かたぶとりのこい とびはねし)


『冬菫 ベランダに咲き 嫁笑顔』
(ふゆすみれ べらんだにさき よめえがお)

敷松葉

2006年11月18日 | 俳句

『小春日や 一人で遊ぶ すべり台』
(こはるびや ひとりであそぶ すべりだい)


『小春日は 授かりものの 便り待つ』
(こはるびは さずかりものの たよりまつ)


『山茶花は 長き人生 朽ちるまで』
(さざんかは ながきじんせい くちるまで)


『道の端の 銀杏落葉 赤く燃え』
(みちのはの いちょうおちば あかくもえ)


『敷松葉 閑の一景 清清し』
(しきまつば かんのいっけい すがすがし)


『枯れ落葉 川に流して 砂に埋め』
(かれおちば かわにながして すなにうめ)


『冬麗 朝寝してすぐ 昼寝して』
(ふゆうらら あさねしてすぐ ひるねして)


『冬日差し 明日香の道を 案内す』
(ふゆひざし あすかのみちを あんないす)


『冬服の 背に刻みし 歴史見ゆ』
(ふゆふくの せなにきざみし れきしみゆ)


『遅ればせ 紅葉の冬の 見受けられ』
(おくればせ もみじのふゆの みうけられ)


『冬の朝 影も凍えて 歩の縮む』
(ふゆのあさ かげもこごえて ほのちぢむ)

冬めく

2006年11月17日 | 俳句

『冬めくは 心の内と 思いしが』
(ふゆめくは こころのうちと おもいしが)


『冬めいて 手に取る星の 多かりき』
(ふゆめいて てにとるほしの おおかりき)


『足の音 多く聞こえて 冬めける』
(あしのおと おおくきこえて ふゆめける)


『香の道 電車道や 冬の道』
(きょうのみち でんしゃみちや ふゆのみち)
           {11/17は将棋の日とか。そして冬場所。}


『冬木立 花も実もなく 葉は散りて』
(ふゆこだち はなもみもなく ははちりて)


『カラオケは 八代演歌や 冬時雨』
(からおけは やしろえんかや ふゆしぐれ)

追悼 畠山日盛様

2006年11月17日 | 俳句

大変お世話になった畠山日盛様の訃報に接し、追悼の句を捧げます。

『花野には 親子二輪の 華やある』
(はなのには おやこにりんの はなやある)
           季語:花野 季節:三秋


『日は盛り 畠に山に 星流る』
(ひはさかり はたけにやまに ほしながる)
           季語:流れ星 季節:三秋


『冬めいて 悲しき便り 庄下川』
(ふゆめいて かなしきたより しょうげがわ)



『偲ぶれば 凛呼の姿勢 冬の雨』
(しのぶれば りんこのしせい ふゆのあめ)