俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

花見3

2010年03月31日 | 俳句

ちらほらと 満開桜 眼に入り
(ちらほらと まんかいざくら めにはいり)
12184 【季語】 桜 【季節】 晩春


花三分 今度の土日 花見ごろ
(はなさんぶ こんどのどにち はなみごろ)
12185 【季語】 花 【季節】 晩春


雨模様 春の匂いの 遠くなり
(あめもよう はるのにおいの とおくなり)
12186 【季語】 春 【季節】 三春


寒気来て 花見の空の 遠くなり
(かんききて はなみのそらの とおくなり)
12187 【季語】 花見 【季節】 晩春


花馬酔木 路地に見つけて 耳寄せて
(はなあしび ろじにみつけて みみよせて)
12188 【季語】 花馬酔木  【季節】 晩春


春鴨進む 波の矢形の 孤独感
(かもすすむ なみのやがたの こどくかん)
12189 【季語】 春鴨 【季節】 三春


秋篠の 瓦が笑い 花が咲く
(あきしのの かわらがわらい はながさく)
12190 【季語】 花 【季節】 晩春
秋篠=奈良 秋篠寺


川覆う 桜の下を 風通る
(かわおおう さくらのしたを かぜとおる)
12191 【季語】 桜 【季節】 晩春


花の昼 歩道橋にも 人の影
(はなのひる ほどうきょうにも ひとのかげ)
12192 【季語】 花 【季節】 晩春


誰しもが 桜と言いし 桜撮る
(だれしもが さくらといいし さくらとる)
12193 【季語】 桜 【季節】 晩春


接写して 桜の喜び 感じ入る
(せっしゃして さくらのよろこび かんじいる)
12194 【季語】 桜 【季節】 晩春


朝桜 雫に映る 空の色
(あさざくら しずくにうつる そらのいろ)
12195 【季語】 桜 【季節】 晩春


囀りの 聞こえし木々も 今はなく
(さえずりの きこえしきぎも いまはなく)
12196 【季語】 囀り 【季節】 三春


ふらここの 貴女の顔が 揺れている
(ふらここの あなたのかおが ゆれている)
12197 【季語】 ふらここ 【季節】 三春
ふらここ=鞦韆=ブランコ


芽柳の ふうわり揺れて 春の風
(めやなぎの ふうわりゆれて はるのかぜ)
12198 【季語】 春の風 【季節】 三春


武庫の土手 塊りて咲く いたちはぜ
(むこのどて かたまりりてさく いたちはぜ)
12199 【季語】 いたちはぜ 【季節】 仲春
鼬黄櫨(いたいはぜ)=連翹(れんぎょう)


春の鳥 まっすぐ落ちて 名も知らず
(はるのとり まっすぐおちて なもしらず)
12200 【季語】 春の鳥 【季節】 三春




花見2

2010年03月30日 | 俳句

満月と 知りて桜に 逢いに行く
(まんげつと しりてさくらに あいにいく)
12168 【季語】 花 【季節】 晩春


川沿いは 未だ三分と 嫁桜
(かわぞいは いまださんぶと よめざくら)
12169 【季語】 桜 【季節】 晩春


花見行く 途中に見し 花海棠
(はなみゆく とちゅうにみし はなかいどう)
12170 【季語】 花見 【季節】 晩春


川筋を 登れどつきぬ 桜道
(かわすじを のぼれどつきぬ さくらみち)
12171 【季語】 桜 【季節】 晩春


花見より 人見と言うが 真なり
(はなみより ひとみというが まことなり)
12172 【季語】 花見 【季節】 晩春


ひとひらの 花びら浮かべ 花見する
(ひとひらの はなびらうかべ はなみする)
12173 【季語】 花見 【季節】 晩春


願わくば 陽光の下 花を見ん
(ねがわくば ようこうのもと はなをみん)
12174 【季語】 花 【季節】 晩春


花見宴 別れはいつも 遠回り
(はなみえん わかれはいつも とおまわり)
12175 【季語】 花見 【季節】 晩春


花恋うは 桜のみにや あらずして
(はなこうは さくらのみにや あらずして)
12176 【季語】 花 【季節】 晩春


花心 いかに判るや 掴めるや
(はなごころ いかにわかるや つかめるや)
12177 【季語】 花 【季節】 晩春


蝌蚪の池 今しばらくは 静かなり
(かとのいけ いましばらくは しずかなり)
12178 【季語】 蝌蚪 【季節】 晩春
蝌蚪=お玉杓子(おたまじゃくし)


目の前を ひらひらひらり 蝶ひらり
(めのまえを ひらひらひらり ちょうひらり)
12179 【季語】 蝶 【季節】 三春


どこからも 話のかからぬ 花見かな
(どこからも はなしのかからぬ はなみかな)
12180 【季語】 花見 【季節】 晩春


梅散るに 蘂のしぶとく 残りけり
(うめちるに しべのしぶとく のこりけり)
12181 【季語】 梅 【季節】 初春


梅の蘂 心たくさん 残しけり
(うめのしべ こころたくさん のこしけり)
12182 【季語】 梅 【季節】 初春


雲に乗る ノンちゃん有りし 春の夢
(くもにのる のんちゃんありし はるのゆめ)
12183 【季語】 春の夢 【季節】 三春





燕の巣

2010年03月29日 | 俳句

春なのに この寒さのことか 花冷えは
(はるなのに このさむさのことか はなびえは)
12151 【季語】 花冷え 【季節】 晩春


黒雲に 空が寒いと 言いし春
(くろくもに そらがさむいと いいしはる)
12152 【季語】 春 【季節】 三春


春風よ この黒雲を 吹き流せ
(はるかぜよ このくろくもを ふきながせ)
12153 【季語】 春風 【季節】 三春


花の香に 目覚まされ待つ 夜明けかな
(はなのかに めざまされまつ よあけかな)
12154 【季語】 花 【季節】 晩春


朧にて 寝ることゆえの 至福かな
(おぼろにて ねることゆえの しふくかな)
12155 【季語】 朧 【季節】 三春


朧にて 眠ればいつか 行ける国
(おぼろにて ねむればいつか ゆけるくに)
12156 【季語】 朧 【季節】 三春


春の夢 壊れて消えて あと少し
(はるのゆめ こわれてきえて あとすこし)
12157 【季語】 春の夢 【季節】 三春


逢瀬とは 咲く桜かや 散る花や
(おうせとは さくさくらかや ちるはなや)
12158 【季語】 桜 【季節】 晩春


雨音の 閑なること 願う春
(あまおとの しずかなること ねがうはる)
12159 【季語】 春 【季節】 三春


花の雨 いつしか流る 泪雨
(はなのあめ いつしかながる なみだあめ)
12160 【季語】 花 【季節】 晩春


虚空なる 空の正体 春霞
(こくうなる そらのしょうたい はるがすみ)
12161 【季語】 春霞 【季節】 三春


見上げれば 枝垂れ桜に 青い空
(みあげれば しだれざくらに あおいそら)
12162 【季語】 枝垂れ桜 【季節】 仲春


桜花 咲いたか散ったか 見たのかよ
(さくらばな さいたかちったか みたのかよ)
12163 【季語】 桜 【季節】 晩春


続けたし 花の縁を 人までも
(つづけたし はなのえにしを ひとまでも)
12164 【季語】 花 【季節】 晩春


我もまた 咲く花よりも 散る花よ
(われもまた さくはなよりも ちるはなよ)
12165 【季語】 花 【季節】 晩春


鯉の恋 桜の花を 口にして
(こいのこい さくらのはなを くちにして)
12166 【季語】 桜 【季節】 晩春


今昔 屋内にありし 燕の巣
(いまむかし やないにありし つばめのす)
12167 【季語】 燕の巣 【季節】 三春



花見

2010年03月28日 | 俳句

吹けば飛ぶ 人の世故の 桜かな
(ふけばとぶ ひとのよゆえの さくらかな)
12137 【季語】 桜 【季節】 晩春


花見酒 酔いてしたがる 膝枕
(はなみざけ よいてしたがる ひざまくら)
12138 【季語】 花見酒 【季節】 晩春


酔いしれて 花見の後の 膝枕
(よいしれて はなみのあとの ひざまくら)
12139 【季語】 花見 【季節】 晩春


花見とは 櫻はサクラ 酒女
(はなみとは さくらはさくら さけおんな)
12140 【季語】 花見 【季節】 晩春


もう少し 保つ予感あり 春の雨
(もうすこし もつよかんあり はるのあめ)
12141 【季語】 春の雨 【季節】 三春


桜咲く 大和魂 ゴミの山
(さくらさくやまとだましい ごみのやま)
12142 【季語】 桜 【季節】 晩春


散る桜 大和民族 何を見る
(ちるさくら やまとみんぞく なにをみる)
12143 【季語】 桜 【季節】 晩春


泥道に へばりつきたる 
(どろみちに へばりつきたる さくらかな)
12144 【季語】 桜 【季節】 晩春


夜桜や 夜目遠目も さくらかな
(よざくらや よめとおめも さくらかな)
12145 【季語】 桜 【季節】 晩春


十三夜 雨に降られし 桜かな
(じゅうさんや あめにふられし さくらかな)
12146 【季語】 桜 【季節】 晩春


川筋の 桜も三分 見頃何時
(かわすじの さくらもさんぶ みごろいつ)
12147 【季語】 桜 【季節】 晩春


手枕は 艪の腕羽や 散る桜
(てまくらは ろのうではねや ちるさくら)
12148 【季語】 桜 【季節】 晩春


酒なくば 花見なんぞは するものか
(さけなくば はなみなんぞは するものか)
12149 【季語】 花見 【季節】 晩春


散り際は 桜と椿 散らぬが華
(ちりぎわは さくらとつばき ちらぬがはな)
12150 【季語】 桜 【季節】 晩春




2010年03月27日 | 俳句


『登るほど淡くなりゆく山桜』
(のぼるほどあわくなりゆくやまざくら)

『石段を囲むがごとく山桜』
(いしだんをかこむがごとくやまざくら)

『花見とは人世一夜に人見頃』
(はなみとはひとよひとよにひとみごろ)

『紅強き花海棠の艶光る』
(べにつよきはなかいどうのつやひかる)

『万葉に酔いしれ聞こゆ花馬酔木』
(まんようによいしれきこゆはなあしび)

『せせらぎに鐘の音見えし花馬酔木』
(せせらぎにかねのねみえしはなあしび)

『懐かしきごろ寝の朋よ野の菫』
(なつかしきごろねのともよののすみれ)

『アネモネの流す涙は無邪気ゆえ』
(あねもねのながすなみだはむじゃきゆえ)

『実に合わぬ花と成りけり木瓜の花』
(みにあわぬはなとなりけりぼけのはな)

『三椏は花より枝で名を残し』
(みつまたははなよりえだでなをのこし)

『みつまたの赤花小花なまめかし』
(みつまたのあかばなこばななまめかし)

『可憐さを群れて見せしは雪柳』
(かれんさをむれてみせしはゆきやなぎ)

『さわさわとうわさ話のゆきやなぎ』
(さわさわとうわさばなしのゆきやなぎ)

『桜咲くサクラと見えし桜草』
(さくらさくさくらとみえしさくらそう)

『何よりも紅匂う桃の花』
(なによりもくれないにおうもものはな)


逃げ水

2010年03月26日 | 俳句

逃げ水の 如く去る夢 追い追いて
(にげみずの ごとくさるゆめ おいおいて)
12109 【季語】 逃げ水 【季節】 晩春


逃げ水は 自ら追って 来ないもの
(にげみずは みずからおって こないもの)
12110 【季語】 逃げ水 【季節】 晩春


花冷えが ぴったり来る日 寒すぎる
(はなびえが ぴったりくるひ さむすぎる)
12111 【季語】 花冷え 【季節】 晩春


花蕾 錆びたポストの 上で待つ
(はなつぼみ さびたぽすとの うえでまつ)
12112 【季語】 花 【季節】 晩春


丸山の 枝垂れ桜に 人溢れ
(まるやまの しだれざくらに ひとあふれ)
12113 【季語】 枝垂れ桜 【季節】 晩春


菜の花や あなたの黄色 嬉色です
(なのはなや あなたのきいろ きいろです)
12114 【季語】 菜の花 【季節】 晩春


桃色の 桜が映えし 青い空
(ももいろの さくらがはえし あおいそら)
12115 【季語】 桜 【季節】 晩春


春の夢 天井天下で 花見する
(はるのゆめ てんじょうてんがで はなみする)
12116 【季語】 花見 【季節】 晩春


三日天下 桜の話 世の話
(みっかてんか さくらのはなし よのはなし)
12117 【季語】 桜 【季節】 晩春


菜の花や 満ちたりなきや 月朧
(なのはなや みちたりなきや つきおぼろ)
12118 【季語】 菜の花 【季節】 晩春


春の昼 屋根で感じし 祖母の死を
(はるのひる やねでかんじし そぼのしを)
12119 【季語】 春の昼 【季節】 三春


春の昼 眼瞑り見る 空の赤
(はるのひる めつむりみる そらのあか)
12120 【季語】 春の昼 【季節】 三春


光る風 黄門さまと 天神に
(ひかるかぜ こうもんさまと てんじんに)
12121 【季語】 風光る 【季節】 三春





菜の花

2010年03月25日 | 俳句

中国の 臍から湧きし 黄砂降る
(ちゅうごくの へそからわきし こうさふる)
12097 【季語】 黄砂 【季節】 三春


黄色なき 菜の花和えの ものさびし
(きいろなき なのはなあえの ものさびし)
12098 【季語】 菜の花 【季節】 晩春


夫婦より 母娘が似合う 二輪草
(ふうふより おやこがにあう にりんそう)
12099 【季語】 二輪草 【季節】 晩春


菜の花の 後ろの世界 気が付いて
(なのはなの うしろのせかい きがついて)
12100 【季語】 菜の花 【季節】 晩春


菜の花の 色を辿れば 海に出て
(なのはなの いろをたどれば うみにでて)
12101 【季語】 菜の花 【季節】 晩春


野路すみれ 踏まれず生きる 一輪も
(のじすみれ ふまれずいきる いちりんも)
12102 【季語】 野路すみれ 【季節】 三春


野辺の梅 未だに咲いて 息長し
(のべのうめ いまだにさいて いきながし)
12103 【季語】 野梅 【季節】 初春


野辺の梅 桜を待って 散りにけり
(のべのうめ さくらをまって ちりにけり)
12104 【季語】 野梅 【季節】 初春


梅見ては 青空欲しと 雨空に
(うめみてはあおぞらほしと あまぞらに)
12105 【季語】 梅 【季節】 初春


桜咲く 花見もせずに もう五年
(さくらさく はなみもせずに もう5ねん)
12106 【季語】 桜 【季節】 晩春


桜咲き 猫も杓子も 花見かな
(さくらさき ねこもしゃくしも はなみかな)
12107 【季語】 桜 【季節】 晩春


梅が香や 観世音寺の 鐘おぼろ
(うめがかや かんぜおんじの かねおぼろ)
12108 【季語】 梅が香 【季節】 初春




春北風(はるならい)

2010年03月24日 | 俳句

おんぶして 寝る子重たし 春北風
(おんぶして ねるこおもたし はるならい)
12077 【季語】 春北風 【季節】 三春
春北風(はるならい)=春北風(はるきた)


春北風 黄土も雨も 連れて来な
(はるならい おうどもあめも つれてくな)
12078 【季語】 春北風 【季節】 三春


春北風 潮の匂いの きつくある
(はるならい しおのにおいの きつくある)
12079 【季語】 春北風 【季節】 三春


春北風 俺にだってある 野暮用は
(はるならい おれにだってある やぼようは)
12080 【季語】 春北風 【季節】 三春


春北風 優しい便り 待つほどに
(はるならい やさしいたより まつほどに)
12081 【季語】 春北風 【季節】 三春


春北風 飛ばせしものは 帽子なり
(はるならい とばせしものは ぼうしなり)
12082 【季語】 春北風 【季節】 三春


春北風 野暮な奴ほど よく眠る
(はるならい やぼなやつほど よくねむる)
12083 【季語】 春北風 【季節】 三春


春北風 鳶の翼 マキシマム
(はるならい とんびのつばさ まきしまむ)
12084 【季語】 春北風 【季節】 三春


老人に 若気の至り 春北風
(ろうじんに わかげのいたり はるならい)
12085 【季語】 春北風 【季節】 三春


春北風 洗いたる首の 多きこと
(はるならい あらいたるくびの おおきこと)
12086 【季語】 春北風 【季節】 三春


たんぽぽや 絮など要らぬ 存在感
(たんぽぽや わたなどいらぬ そんざいかん)
12087 【季語】 たんぽぽ 【季節】 三春


タンポポは 絮を手玉に 瞞してる
(たんぽぽは わたをてだまに だましてる)
12088 【季語】 たんぽぽ 【季節】 三春


木に掛かる 春の月ほど 重すぎる
(きにかかる はるのつきほど おもすぎる)
12089 【季語】 春の月 【季節】 三春


花蕾 明日こそ咲くと 今日も言い
(はなつぼみ あすこそさくと きょうもいい)
12090 【季語】 花 【季節】 晩春


春の宵 眼瞑ればはい それまでよ
(はるのよい めつむればはい それまでよ)
12091 【季語】 春の宵 【季節】 三春


初雲雀 色気ある音や 乱れ髪
(はつひばり いろけあるねや みだれがみ)
12092 【季語】 初雲雀 【季節】 三春


夜昼の 区別なくなり 春おぼろ
(よるひるの くべつなくなり はるおぼろ)
12093 【季語】 春 【季節】 三春


人知れず 流れし泪 老いの春
(ひとしれず ながれしなみだ おいのはる)
12094 【季語】 春 【季節】 三春


サクチルと サクラ電文 オチはなし
(さくちると さくらでんぶん おちはなし)
12095 【季語】 桜 【季節】 晩春


春の夢 気の違わぬが 華なのよ
(はるのゆめ きのちがわぬが はななのよ)
12096 【季語】 春の夢 【季節】 三春

桜咲く

2010年03月23日 | 俳句

花粉症 鼻毛伸びれば むず痒く
(かふんしょう はなげのびれば むずがゆく)
12061 【季語】 杉の花粉 【季節】 晩春


春故か 上弦の月 雨多し
(はるゆえか じょうげんのつき あめおおし)
12062 【季語】 春 【季節】 三春


待て待てど 春のカーテン 半開き
(まてまてど はるのかーてん はんびらき)
12063 【季語】 春 【季節】 三春


お彼岸も 今日で終わりや 雨止まず
(おひがんも きょうでおわりや あめやまず)
12064 【季語】 彼岸 【季節】 仲春


春の雨 花見話に 水を差す
(はるのあめ はなみばなしに みずをさす)
12065 【季語】 春の雨 【季節】 三春


綿雪の 積もり始めか 雪柳
(わたゆきの つもりはじめか ゆきやなぎ)
12066 【季語】 雪柳 【季節】 晩春


春の風 気儘過ぎるが それも良し
(はるのかぜ きまますぎるが それもよし)
12067 【季語】 春の風 【季節】 三春


春霞 明日香の里が おぼろげに
(はるがすみ あすかのさとが おぼろげに)
12068 【季語】 春霞 【季節】 三春


土筆立つ 春の息吹の 誇り持ち
(つくしたつ はるのいぶきの ほこりもち)
12069 【季語】 土筆 【季節】 仲春


吉野には 負けず劣らず 花近場
(よしのには まけずおとらず はなちかば)
12070 【季語】 花 【季節】 晩春


豌豆や からすにすずめ 賑々し
(えんどうや からすにすずめ にぎにぎし)
12071 【季語】 豌豆 【季節】 初夏


転げても 転げ過ぎても 蓮華草
(ころげても ころげすぎても れんげそう)
12072 【季語】 蓮華草 【季節】 仲春


恥じらいを 魅せて咲けるか 水仙花
(はじらいを みせてさけるか すいせんか)
12073 【季語】 水仙花 【季節】 晩冬


首を垂れ 腰を曲げてる 水仙花
(くびをたれ こしをまげてる すいせんか)
12074 【季語】 水仙花 【季節】 晩冬


野水仙 核家族の如 寄り添って
(のすいせん かくかぞくのごと よりそって)
12075 【季語】 水仙 【季節】 晩冬


土手の下 小池の畔 黄水仙
(どてのした こいけのほとり きすいせん)
12076 【季語】 黄水仙 【季節】 仲春


2010年03月22日 | 俳句

予報ずれ 桜の開花 早まれり
(よほうずれ さくらのかいか はやまれり)
12045 【季語】 桜 【季節】 晩春


お彼岸に 合わせて桜 開花する
(おひがんに あわせてさくら かいかする)
12046 【季語】 彼岸 【季節】 仲春


花冷えや 開花に続く この知らせ
(はなびえや かいかにつづく このしらせ)
12047 【季語】 花冷え 【季節】 晩春


公園の 桜の蕾 弾けごろ
(こうえんの さくらのつぼみ はじけごろ)
12048 【季語】 桜 【季節】 晩春


つばくらめ 老いたる我は 追いつけず
(つばくらめ おいたるわれは おいつけず)
12049 【季語】 つばくらめ 【季節】 仲春
つばくらめ=燕


蛍烏賊 まるごと食べれば やみつきに
(ほたるいか まるごとたべれば やみつきに)
12050 【季語】 蛍烏賊 【季節】 晩春


春の水 光あつめて ふっくらと
(はるのみず ひかりあつめて ふっくらと)
12051 【季語】 春の水 【季節】 三春


春の虹 その七色に ロマンあり
(はるのにじ そのなないろに ろまんあり)
12052 【季語】 春の虹 【季節】 三春


春の草 青空友の 昔あり
(はるのくさ あおぞらともの むかしあり)
12053 【季語】 春の草 【季節】 三春


チューリップ 花だけ目立つ 世界なり
(ちゅーりっぷ はなだけめだつ せかいなり)
12054 【季語】 チューリップ 【季節】 晩春


雪柳 道に枝張り とおせんぼ
(ゆきやなぎ みちにえだはり とおせんぼ)
12055 【季語】 雪柳 【季節】 晩春


流れ来る 椿一輪 紅が揺る
(ながれくる つばきいちりん べにがゆる)
12056 【季語】 椿 【季節】 三春


白黄緑 丘の斜面の 水仙花
(しろきみどり おかのしゃめんの すいせんか)
12057 【季語】 水仙花 【季節】 晩冬


万華鏡 春の息吹を 覗かせて
(まんげきょう はるのいぶきを のぞかせて)
12058 【季語】 春 【季節】 三春


梅が香の 孫の電話に 充満す
(うめがかの まごのでんわに じゅうまんす)
12059 【季語】 梅が香 【季節】 初春


菜の花や 一面黄色 我も嬉に
(なのはなや いちめんきいろ われもきに)
12060 【季語】 菜の花 【季節】 晩春


黄砂

2010年03月21日 | 俳句

春の空 女心に ほど遠し
(はるのそら おんなごころに ほどとおし)
12030 【季語】 春の空 【季節】 三春


ボタ山の 稜の先より 春の雲
(ぼたやまの りょうのさきより はるのくも)
12031 【季語】 春の雲 【季節】 三春


霾に 金団雲も 来るかしら
(つちふるに きんとんうんも くるかしら)
12032 【季語】 霾る 【季節】 三春
霾(つちふる)=黄砂、金団雲=孫悟空の乗る雲


世は黄色 日本全土 黄砂降る
(よはきいろ にっぽんぜんど こうさふる)
12033 【季語】 黄砂 【季節】 三春


高塔に 引っ掛かりたる 春の雲
(こうとうに ひっかかりたる はるのくも)
12034 【季語】 春の雲 【季節】 三春
高塔=送電塔


春の雲 沖の鴎の 遊び処
(はるのくも おきのかもめの あそびどこ)
12035 【季語】 春の雲 【季節】 三春


春の荒れ 鳶たまらず 急降下
(はるのあれ とんびたまらず きゅうこうか)
12036 【季語】 春の荒れ 【季節】 三春


春の宵 いつもの自分 若かりし
(はるのよい いつものじぶん わかかりし)
12037 【季語】 春の宵 【季節】 三春


たんぽぽの 葉に見る棘と 根性と
(たんぽぽの はにみるとげと こんじょうと)
12038 【季語】 たんぽぽ 【季節】 三春


春深む 今期のけじめ 後がない
(はるふかむ こんきのけじめ あとがない)
12039 【季語】 春深む 【季節】 晩春



青き踏む 男と女 区別なく
(あおきふむ おとことおんな くべつなく)
12040 【季語】 青き踏む 【季節】 晩春
青き踏む=中国の古俗で、春先に野に出て青草を踏んで遊ぶ行事。


春愁や 眠い眠いと うたた寝を
(しゅんしゅうや ねむいねむいと うたたねを)
12041 【季語】 春愁 【季節】 三春


春風に 負けじ踏ん張る 水すまし
(はるかぜに まけじふんばる みずすまし)
12042 【季語】 春風 【季節】 三春


蝶に会う しがみ付く花 風に揺れ
(ちょうにあう しがみつくはな かぜにゆれ)
12043 【季語】 蝶 【季節】 三春


一度だけ 差してみたきや 春日傘
(いちどだけ さしてみたきや はるひがさ)
12044 【季語】 春日傘 【季節】 晩春



花粉症

2010年03月20日 | 俳句

当たらねば いい予報なり 春嵐
(あたらねば いいよほうなり はるあらし)
12015 【季語】 春嵐 【季節】 三春


連休の 初日なりしが 春嵐
(れんきゅうの しょにちなりしが はるあらし)
12016 【季語】 春嵐 【季節】 三春


春荒れや 己がシューズを 自慢する
(はるあれや おのがしゅーずを じまんする)
12017 【季語】 春荒れ 【季節】 三春


夜更かしの 癖抜けきれず 春の朝
(よふかしの くせぬけきれず はるのあさ)
12018 【季語】 春の朝 【季節】 三春


目覚めれば パソコンの前 春の朝
(めざめれば ぱそこんのまえ はるのあさ)
12019 【季語】 春の朝 【季節】 三春


寝転んで 空を見上げて 春の野に
(ねころんで そらをみあげて はるののに)
12020 【季語】 春の野 【季節】 三春


げんげ田に 寝転ぶ我は 空にとけ
(げんげたに ねころぶわれは そらにとけ)
12021 【季語】 げんげ田 【季節】 仲春
げんげ田=紫雲英田=蓮花田


大空に 声あるのみの 初雲雀
(おおぞらに こえあるのみの はつひばり)
12022 【季語】 初雲雀 【季節】 三春


いつまでも 降れると思うな 春の雨
(いつまでも ふれるとおもうな はるのあめ)
12023 【季語】 春の雨 【季節】 三春


雨の中 球春到来 ドームあり
(あめのなか きゅうしゅんとうらい どーむあり)
12024 【季語】 春 【季節】 三春


ふるさとの ボタ山恋し 山笑う
(ふるさとの ぼたやまこいし やまわらう)
12025 【季語】 山笑う 【季節】 三春


手枕で 居眠りかこつ 春の宵
(てまくらで いねむりかこつ はるのよい)
12026 【季語】 春の宵 【季節】 三春


手枕を 覚えし妹も 目借時
(てまくらを おぼえしいもも めかりどき)
12027 【季語】 目借時 【季節】 晩春
蛙の目借時(かわずの めかりどき)=「目借時」
=春は陽気のせいか、ついうとうとしてしまうことがある。
春に眠気をもよおす理由は、
蛙が人の目を借りるためという俗説がある。


紫雲英草 土俵の俵 春霞
(げんげそう どひょうのたわら はるがすみ)
12028 【季語】 春霞 【季節】 三春


なみだ目や 強き朋にも 花粉症
(なみだめや つよきともにも かふんしょう)
12029 【季語】 花粉症 【季節】 ー


春の夢

2010年03月19日 | 俳句

大霞 生駒の山は 隠れしか
(おおがすみ いこまのやまは かくれしか)
12000 【季語】 霞 【季節】 三春


春霞 明日香の里の 化粧かな
(はるがすみ あすかのさとの けしょうかな)
12001 【季語】 春霞 【季節】 三春


春霞 大和三山 神の山
(はるがすみ やまとさんざん かみのやま)
12002 【季語】 春霞 【季節】 三春


春二番 来ても吹いても 無用です
(はるにばん きてもふいても むようです)
12003 【季語】 春 【季節】 三春


遠近の 調節難く 春おぼろ
(えんきんの ちょうせつかたく はるおぼろ)
12004 【季語】 春 【季節】 三春


ああこれが 個性の固まり チュ-リップ
(ああこれが こせいのかたまり ちゅ-りっぷ)
12005 【季語】 チュ-リップ 【季節】 晩春


陽炎や 景色も人も 揺らいでる
(かげろうや けしきもひとも ゆらいでる)
12006 【季語】 陽炎 【季節】 三春


山笑う どちらを見ても 笑うひと
(やまわらう どちらをみて もわらうひと)
12007 【季語】 山笑う 【季節】 三春


年輪の 粗密重ねて 山笑う
(ねんりんの そみつかさねて やまわらう)
12008 【季語】 山笑う 【季節】 三春


虹の橋 大きくなって 連れてって
(にじのはし おおきくなって つれてって)
12009 【季語】 虹の橋 【季節】 三夏


菜の花は 遠く蓮華は 近く見る
(なのはなは とおくれんげは ちかくみる)
12010 【季語】 菜の花 【季節】 晩春


つばめ飛ぶ 横を飛び去り また来たり
(つばめとぶ よこをとびさり またきたり)
12011 【季語】 つばめ 【季節】 仲春


菜の花に 目をやれば覚め 雲雀啼く
(なのはなに めをやればさめ ひばりなく)
12012 【季語】 菜の花 【季節】 晩春


暇でなく 忙しくもなく 春の夢
(ひまでなく いそがしくもなく はるのゆめ)
12013 【季語】 春の夢 【季節】 三春


三日月を 取ってくれろと 春の夢
(みかづきを とってくれろと はるのゆめ)
12014 【季語】 春の夢 【季節】 三春


花蕾

2010年03月18日 | 俳句

春霞 淡路の島の 遠霞
(はるがすみ あわじのしまの とおがすみ)
11985 【季語】 春 【季節】 三春


囀りや 運が頼りの 写真撮り
(さえずりや うんがたよりの しゃしんとり)
11986 【季語】 囀り 【季節】 三春


天平の 甍の下で 囀れり
(てんぴょうの いらかのしたで さえずれり)
11987 【季語】 囀り 【季節】 三春


暖かさ 二日と保たず 雨も降り
(あたたかさ ふつかともたず あめもふり)
11988 【季語】 暖か 【季節】 三春


暖かや 思考の先に 睡魔あり
(あたたかや しこうのさきに すいまあり)
11989 【季語】 暖か 【季節】 三春


暖かや 足を伸ばせば 豆が生え
(あたたかや あしをのばせば まめがはえ)
11990 【季語】 暖か 【季節】 三春


過ぎゆきし 思いで故に 冴え返る
(すぎゆきし おもいでゆえに さえかえる)
11991 【季語】 冴え返る 【季節】 初春


此岸での 悲願もなくて 彼岸入り
(しがんでの ひがんもなくて ひがんいり)
11992 【季語】 彼岸 【季節】 仲春


豆の花 忘れ去られし 純朴さ
(まめのはな わすれさられし じゅんぼくさ)
11993 【季語】 豆の花 【季節】 晩春


降る雨に 香り抑えて 沈丁花
(ふるあめに かおりおさえて じんちょうげ)
11994 【季語】 沈丁花 【季節】 仲春


陣取りの 諍い絶えぬ 春の鳥
(じんとりの いさかいたえぬ はるのとり)
11995 【季語】 春の鳥 【季節】 三春


花蕾 校庭の奥 契沖碑
(はなつぼみ こうていのおく けいちゅうひ)
11996 【季語】 花 【季節】 晩春


花つぼみ 明日になれば 明日こそ
(はなつぼみ あしたになれば あしたこそ)
11997 【季語】 花 【季節】 晩春


桜似の アーモンドの花 もう花見
(さくらにの あーもんどのはな もうはなみ)
11998 【季語】 花見 【季節】 晩春


蘖や 老木に見る 再起の芽
(ひこばえや ろうぼくにみる さいきのめ)
11999 【季語】 蘖 【季節】 晩春
蘖(ひこばえ)=木の切り株から出る若芽、孫(ひこ)生えに由来



雪柳

2010年03月17日 | 俳句

春の夢 覚むれば風呂の 靄の中
(はるのゆめ さむればふろの もやのなか)
11972 【季語】 春の夢 【季節】 三春


春の川 定位置で待つ 亀に鷺
(はるのかわ ていいちでまつ かめにさぎ)
11973 【季語】 春の川 【季節】 三春


風に木に そこまで来たか おらが春
(かぜにきに そこまできたか おらがはる)
11974 【季語】 春 【季節】 三春


知らぬ間に 寝てる幸せ 春うらら
(しらぬまに ねてるしあわせ はるうらら)
11975 【季語】 春 【季節】 三春


雪柳 道に飛び出し 低姿勢
(ゆきやなぎ みちにとびだし ていしせい)
11976 【季語】 雪柳 【季節】 晩春


菜の花や 貴女の黄色 無限です
(なのはなや あなたのきいろ むげんです)
11977 【季語】 菜の花 【季節】 晩春


曲がり角 その先きっと 夢の春
(まがりかど そのさききっと ゆめのはる)
11978 【季語】 春 【季節】 三春


春ですね 鳶が高く 輪を描いて
(はるですね とんびがたかく わをかいて)
11979 【季語】 春 【季節】 三春


願わくば 人世一夜の 花見ごろ
(ねがわくば ひとよひとよの はなみごろ)
11980 【季語】 花見 【季節】 晩春


花見せん 己が寿命と 引き替えに
(はなみせん おのがじゅみょうと ひきかえに)
11981 【季語】 花見 【季節】 晩春


風呂入れば ぐすりぐすりと 春の鼻
(ふろいれば ぐすりぐすりと はるのはな)
11982 【季語】 春 【季節】 三春


白木蓮を 上から見たき 花姿
(はくれんを うえからみたき はなすがた)
11983 【季語】 白木蓮 【季節】 仲春


城跡の 櫻は蕾 気は満開
(しろあとの さくらはつぼみ きはまんかい)
11984 【季語】 桜 【季節】 晩春