俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

春隣

2008年01月31日 | 俳句

『冬旱 優先座席の 女高生』
(ふゆひでり ゆうせんざせきの じょこうせい)

『久し振り 満員電車 冬の陣』
(ひさしぶり まんいんでんしゃ ふゆのじん)

『今日もまた 遅延満員 冬の怪』
(きょうもまた ちえんまんいん ふゆのかい)

『冬の快 下りの列車 遅延する』
(ふゆのかい くだりのれっしゃ ちえんする)

『坐れれば これまた乙な 冬の旅』
(すわれれば これまたおつな ふゆのたび)

『冬陽射す 列車の揺れの 心地良し』
(ふゆひさす れっしゃのゆれの ここちよし)

『冬の暮 ドヤドヤ降りる 北新地』
(ふゆのくれ どやどやおりる きたしんち)

『雪雲の 東へ流れて 夕日消す』
(ゆきぐもの ひがしへながれて ゆうひけす)

『冬の宵 街路灯の 点き初め』
(ふゆのよい がいろとうの つきはじめ)

『夕焼けの 冬雲の中 朱を増して』
(ゆうやけの ふゆぐものなか しゅをまして)

『名残惜し 晦日正月 春はまだ』
(なごりおし みそかしょうがつ はるはまだ)

『妹恋し 生きながらえて 春隣』
(いもこいし いきながらえて はるどなり)

『生駒山 緑明るく 春隣』
(いこまやま みどりあかるく はるどなり)

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冬帽子

2008年01月30日 | 俳句

『雨上がり ひんやりとして 冬の午後』
(あめあがり ひんやりとして ふゆのごご)

『曇天の 雪雲の空 まだ降らず』
(どんてんの ゆきぐものそら まだふらず)

『気持をも 冷たく濡らす 冬の雨』
(きもちをも つめたくぬらす ふゆのあめ)

『窓に見る 己が姿に 雪の降る』
(まどにみる おのがすがたに ゆきのふる)

『雪女 心の臓の 時刻む』
(ゆきおんな しんのぞうの とききざむ)

『キムチ鍋 二晩続きの 冬の鍋』
(きむちなべ ふたばんつづきの ふゆのなべ)

『冬雀 送電線の 下も雨』
(ふゆすずめ そうでんせんの したもあめ)

『冬帽子 耳隠しあるを 好むなり』
(ふゆぼうし みみかくしあるを このむなり)

『冬の夢 夢の続きを 見てる夢』
(ふゆのゆめ ゆめのつづきを みてるゆめ)

『冬の朝 膝の軋みと 話する』
(ふゆのあさ ひざのきしみと はなしする)

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春隣

2008年01月29日 | 俳句

『我神に 見放されずや 春隣』
(われかみに みはなされずや はるどなり)

『我が髪の 増えたる気配 春隣』
(わがかみの ふえたるけはい はるどなり)

『春近し 散歩の足も 軽くなり』
(はるちかし さんぽのあしも かるくなり)

『幾たびか 明日は雪と 嫁の言い』
(いくたびか あしたはゆきと よめのいい)
                      =5500

『日向ぼこ 窓際にある マッサージ機』
(ひなたぼこ まどぎわにある まっさーじき)

『初芝居 天吊り仕掛け 度肝抜く』
(はつしばい てんつりしかけ どぎもぬく)

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冬の世

2008年01月28日 | 俳句

『冬の陽を 受ける時間の 短さよ』
(ふゆのひを うけるじかんの みじかさよ)

『公園に 冬鶺鴒の 一羽二羽』
(こうえんに ふゆせきれいの いちわにわ)

『狼の 真似して冬も 半世紀』
(おおかみの まねしてふゆも はんせいき)

『冬の世の 男はつらい まして夜は』
(ふゆのよの おとこはつらい ましてよは)

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寒の夜

2008年01月27日 | 俳句

『冬の陽に 桜の木肌 銀色に』
(ふゆのひに さくらのきはだ ぎんいろに)

『赤旗を 拡げ読む人 冬旱』
(あかはたを ひろげよむひと ふゆひでり)

『桜木に 蕾が見えて 春近し』
(さくらぎに つぼみがみえて はるちかし)

『美咲似の 三駅で降りて いまだ冬』
(みさきにの みえきでおりて いまだふゆ)

『芝居引け らうめん旨し 冬の空』
(しばいひけ らうめんうまし ふゆのそら)

『くまとりの てぬぐい買いて 春を待つ』
(くまとりの てぬぐいかいて はるをまつ)

『チューハイの 一缶もなく 寒の空』
(ちゅーはいの ひとかんもなく かんのそら)

『万両や ここも塀から 顔を出し』
(まんりょうや ここもへいから かおをだし)

『寒雀 今年もえろう 肥えてござ』
(かんすずめ ことしもえろう こえてござ)

『寒の夜や 星も見えずに 心寒』
(かんのよや ほしもみえずに こころさむ)

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小雪

2008年01月26日 | 俳句

『冬陽浴び 大阪城も 満足げ』
(ふゆひあび おおさかじょうも まんぞくげ)

『煤煙の 如き雪雲 街覆う』
(ばいえんの ごときゆきぐも まちおおう)

『小雪より 小さき雪の 舞い降りて』
(こゆきより ちいさきゆきの まいおりて)

『娘来て 正月二度の めでたさよ』
(むすめきて しょうがつにどの めでたさよ)

『定番か 母子連れなる 受験生』
(ていばんか おやこづれなる じゅけんせい)

『寒の水 口に含みて 味覚失せ』
(かんのみず くちにふくみて みかくうせ)

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侘助

2008年01月25日 | 俳句

『白壁の 文字も消えゆく 冬の雨』
(しらかべの もじもきえゆく ふゆのあめ)

『いくたびも 雪の予報に 裏切られ』
(いくたびも ゆきのよほうに うらぎられ)

『満ち欠けの 月も引っ込む 寒さかな』
(みちかけの つきもひっこむ さむさかな)

『仕方なく 寒さを友に 生きるのみ』
(しかたなく さむさをともに いきるのみ)

『侘助に 傘差しやりて 一休み』
(わびすけに かささしやりて ひとやすみ)

『息白し 確かめたくて もう一度』
(いきしろし たしかめたくて もういちど)

『嫁仕草 義母に似たりて 春近し』
(よめしぐさ ははににたりて はるちかし)

『水仙を 心に活けて 凛として』
(すいせんを こころにいけて りんとして)

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日脚伸ぶ

2008年01月24日 | 俳句

『雪無くも 凍てつく腰に 雨しとど』
(ゆきなくも いてつくこしに あめしとど)

『寒雀 行きと帰りに ごあいさつ』
(かんすずめ いきとかえりに ごあいさつ)

『雪予報 空振り続き 振り逃げか』
(ゆきよほう からぶりつづき ふりにげか)

『雪雲に すっぽり覆われ 生駒山』
(ゆきぐもに すっぽりおおわれ いこまやま)

『我が過去は 波乱万丈 日脚伸ぶ』
(わがかこは はらんばんじょう ひあしのぶ)

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雪雲

2008年01月23日 | 俳句

『信金の 前の山茶花 息長し』
(しんきんの まえのさざんか いきながし)

『山茶花の 色も形も 平べったく』
(さざんかの いろもかたちも ひらべったく)

『雪雲に 街包まれど 雪降らず』
(ゆきぐもに まちつつまれど ゆきふらず)

『眠たくて ただ眠たくて 冬列車』
(ねむたくて ただねむたくて ふゆれっしゃ)

『マフラーの 着付けがいいと 誉められて』
(まふらーの きつけがいいと ほめられて)

『蝋梅や 花屋の軒先 匂い立ち』
(ろうばいや はなやののきさき においたち)

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寒月

2008年01月22日 | 俳句

『寒月も 雪も見えねど 日は暮るる』
(かんげつも ゆきもみえねど ひはくるる)

『大寒や 太宰の梅は 咲いたやら』
(たいかんや だざいのうめは さいたやら)

『飛行機の 響きよろしく 冬の雲』
(ひこうきの ひびきよろしく ふゆのくも)

『葉牡丹は 役目終えても 咲き続け』
(はぼたんは やくめおえても さきつづけ)

『冬の夜は 濡れせんべいを 共にして』
(ふゆのよは ぬれせんべいを ともにして)

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雪催

2008年01月21日 | 俳句

『大寒に 大雪予報 発せられ』
(たいかんに おおゆきよほう はっせられ)

『新婚の 旅の雪にや 思い馳せ』
(しんこんの たびのゆきにや おもいはせ)

『寒菊や 仏前の花 日持ち良し』
(かんぎくや ぶつぜんのはな ひもちよし)

『明日は雪 逸る心に 積もる雪』
(あすはゆき はやるこころに つもるゆき)

『雪催 夜空眺めて 嘆息す』
(ゆきもよい よぞらながめて たんそくす)

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冬の日

2008年01月20日 | 俳句

『カーテンより 洩れる朝日に 冬の色』
(かーてんより もれるあさひに ふゆのいろ)

『天仰ぐ 空の青さよ 冬の日よ』
(てんあおぐ そらのあおさよ ふゆのひよ)

『川岸の 枯草に咲く 護美の花』
(かわぎしの かれくさにさく ごみのはな)

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初雪

2008年01月19日 | 俳句

『初雪も 見る間も無しに 止みにけり』
(はつゆきも みるまもなしに やみにけり)

『らあめんの 途絶えて長き 冬三日』
(らあめんの とだえてながき ふゆみっか)

『二度美味し 鍋の最後の 雑炊かな』
(にどおいし なべのさいごの おじやかな)

『嫁の食ぶ 蜜柑の匂い 気に入らず』
(よめのたぶ みかんのにおい きにいらず)

『寒椿 散り急ぎても 地に咲けり』
(かんつばき ちりいそぎても ちにさけり)

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寒土用

2008年01月18日 | 俳句

『陽を浴びて 綿雲西に 未だ冬』
(ひをあびて わたぐもにしに いまだふゆ)

『山茶花は 散り続けかつ 咲き続け』
(さざんかは ちりつづけかつ さきつづけ)

『鴉五羽 我追いかけて 冬の街』
(からすごわ われおいかけて ふゆのまち)

『寒土用 鍋物恋し 人恋し』
(かんどよう なべものこいし ひとこいし)

『冬草に 隠せし古木 未だ有り』
(ふゆくさに かくせしこぼく いまだあり)

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震災忌

2008年01月17日 | 俳句

『酒飲まぬ まとめの違い 冬旱』
(さけのまぬ まとめのちがい ふゆひでり)

『駄作でも 句あれば楽あり 春を待つ』
(ださくでも くあればらくあり はるをまつ)

『震災忌 いついつまでも 恐さ増し』
(しんさいき いついつまでも こわさまし)

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