『冬旱 優先座席の 女高生』
(ふゆひでり ゆうせんざせきの じょこうせい)
『久し振り 満員電車 冬の陣』
(ひさしぶり まんいんでんしゃ ふゆのじん)
『今日もまた 遅延満員 冬の怪』
(きょうもまた ちえんまんいん ふゆのかい)
『冬の快 下りの列車 遅延する』
(ふゆのかい くだりのれっしゃ ちえんする)
『坐れれば これまた乙な 冬の旅』
(すわれれば これまたおつな ふゆのたび)
『冬陽射す 列車の揺れの 心地良し』
(ふゆひさす れっしゃのゆれの ここちよし)
『冬の暮 ドヤドヤ降りる 北新地』
(ふゆのくれ どやどやおりる きたしんち)
『雪雲の 東へ流れて 夕日消す』
(ゆきぐもの ひがしへながれて ゆうひけす)
『冬の宵 街路灯の 点き初め』
(ふゆのよい がいろとうの つきはじめ)
『夕焼けの 冬雲の中 朱を増して』
(ゆうやけの ふゆぐものなか しゅをまして)
『名残惜し 晦日正月 春はまだ』
(なごりおし みそかしょうがつ はるはまだ)
『妹恋し 生きながらえて 春隣』
(いもこいし いきながらえて はるどなり)
『生駒山 緑明るく 春隣』
(いこまやま みどりあかるく はるどなり)