『思い寝に 枕を濡らす 秋の夜』
(おもいねに まくらをぬらす あきのよる)
『団栗を 拾いし妹の いま遠く』
(どんぐりを ひろいしいもの いまとおく)
『カーテンの 膨らみに見る 秋の影』
(かーてんの ふくらみにみる あきのかげ)
『秋めくや 暮るるにつれて 寂と侘』
(あきめくや くるるにつれて さびとわび)
『室外機 静かになりて 蜩鳴く』
(しつがいき しずかになりて ひぐらしなく)
『赤とんぼ 街中ゆえか 色薄き』
(あかとんぼ まちなかゆえか いろうすき)
『苔むせる 地蔵の上に 赤とんぼ』
(こけむせる じぞうのうえに あかとんぼ)
『このごろは 濡れるしか無し 秋時雨』
(このごろは ぬれるしかなし あきしぐれ)
『女郎花 探して歩く 川の端』
(おみなえし さがしてあるく かわのはた)
『秋出水 ゲリラ豪雨と 変わりけり』
(あきでみず げりらごううと かわりけり)