『蝉時雨 今日は何なの 寂しいよ』
(せみしぐれ きょうはなんなの さびしいよ)
『露けさの ひときわ欲しく 陽は高く』
(つゆけさの ひときわほしく ひはたかく)
『秋の朝 大粒の雨 耳痛し』
(あきのあさ おおつぶのあめ みみいたし)
『秋雷や いつまで続く 細々と』
(しゅうらいや いつまでつづく ほそぼそと)
『蜩の 弱弱しくや 啼きにけり』
(ひぐらしの よわよわしくや なきにけり)
『吾亦紅 恋慕の君よ 密やかに』
(われもこう れんぼのきみよ ひそやかに)
『恋草の 生えるばかりの 秋花野』
(こいくさの はえるばかりの あきはなの)
『紅色に 染まりし雲は 秋の色』
(べにいろに そまりしくもは あきのいろ)
『一雨も 二雨更に 秋めいて』
(ひとあめも ふたあめさらに あきめいて)
『まだ更に 雨待つ心 秋めく日』
(まださらに あめまつこころ あきめくひ)