俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

秋めく

2007年08月31日 | 俳句

『蝉時雨 今日は何なの 寂しいよ』
(せみしぐれ きょうはなんなの さびしいよ)

『露けさの ひときわ欲しく 陽は高く』
(つゆけさの ひときわほしく ひはたかく)

『秋の朝 大粒の雨 耳痛し』
(あきのあさ おおつぶのあめ みみいたし)

『秋雷や いつまで続く 細々と』
(しゅうらいや いつまでつづく ほそぼそと)

『蜩の 弱弱しくや 啼きにけり』
(ひぐらしの よわよわしくや なきにけり)

『吾亦紅 恋慕の君よ 密やかに』
(われもこう れんぼのきみよ ひそやかに)

『恋草の 生えるばかりの 秋花野』
(こいくさの はえるばかりの あきはなの)

『紅色に 染まりし雲は 秋の色』
(べにいろに そまりしくもは あきのいろ)

『一雨も 二雨更に 秋めいて』
(ひとあめも ふたあめさらに あきめいて)

『まだ更に 雨待つ心 秋めく日』
(まださらに あめまつこころ あきめくひ)

愁思

2007年08月30日 | 俳句

『雨雲を 割いて顔出す 秋入道』
(あまぐもを さいてかおだす あきにゅうどう)

『往き帰り 我慢してくれ 秋の雨』
(いきかえり がまんしてくれ あきのあめ)

『秋電車 外人さんと 隣席す』
(あきでんしゃ がいじんさんと りんせきす)

『幼子の ドドンのデンデ 愁思かな』
(おさなごの どどんのでんで しゅうしかな)

『秋哀れ 窓に映りし 我がすがた』
(あきあわれ まどにうつりし わがすがた)

『にぎやかに 弾けて飛んで 鳳仙花』
(にぎやかに はじけてとんで ほうせんか)

『知らずとも ひそかに咲きし 稲の花』
(しらずとも ひそかにさきし いねのはな)

『まだ立つや 花は枯れしに 向日葵よ』
(まだたつや はなはかれしに ひまわりよ)

『墓道に 役目を終えし 百日草』
(はかみちに やくめをおえし ひゃくにちそう)

『きりきりと 立つ桔梗に 妹愁う』
(きりきりと たつききょうに いもうれう)

秋鴉

2007年08月29日 | 俳句

『秋鴉 起き抜けにアホと 鳴きやがる』
(あきがらす おきぬけにあほと なきやがる)

『にわか雨 ほんのちょっぴり 秋風情』
(にわかあめ ほんのちょっぴり あきふぜい)

『秋雨や 少なすぎてか むっとして』
(あきさめや すくなすぎてか むっとして)

『秋雨や 生駒の山の 重黒く』
(あきさめや いこまのやまの おもぐろく)

『パソコンの 調子今一 秋暑し』
(ぱそこんの ちょうしいまいち あきあつし)

『ミニスカの 隣に座り 秋暑し』
(みにすかの となりにすわり あきあつし)

『揺れながら 雲に乗る夢 秋初め』
(ゆれながら くもにのるゆめ あきはじめ)

『雲の間の 青空透けて 気も涼し』
(くものまの あおぞらすけて きもすずし)

『双子かや 母娘の前で 秋止まる』
(ふたごかや おやこのまえで あきとまる)

『入道に 秋雲掛かり 日差し増す』
(にゅうどうに あきぐもかかり ひざします)

『京橋は ええとこどっせ 秋が来る』
(きょうばしは ええとこどっせ あきがくる)

『アナウンス スピードに合わせ 秋めいて』
(あなうんす すぴーどにあわせ あきめいて)

夕月夜

2007年08月28日 | 俳句

『秋の夜の 酒は別れの 泪酒』
(あきのよの さけはわかれの なみだざけ)

『夕月夜 心化粧の 別れなり』
(ゆうづきよ こころけしょうの わかれなり)

『露帯し 蓮の花びら 微笑し』
(つゆおびし はすのはなびら ほほえみし)

『水撒きも 効き目薄きや 秋暑し』
(みずまきも ききめうすきや あきあつし)

秋風

2007年08月27日 | 俳句

『仰ぎ見る 秋の青空 近付きぬ』
(あおぎみる あきのあおぞら ちかづきぬ)

『寂しさの 重なり聞こゆ 蝉時雨』
(さびしさの かさなりきこゆ せみしぐれ)

『浮雲の ため息に似て 秋来る』
(うきぐもの ためいきににて あききたる)

『秋風よ 待ち人連れて 吹いとくれ』
(あきかぜよ まちびとつれて ふいとくれ)

涼新た

2007年08月26日 | 俳句

『益軒の 孫先生や 涼新た』
(えっけんの まごせんせいや りょうあらた)
     =益軒=貝原益軒(かいばら えっけん)

『風ならで 蝉の道落つ 驚きぬ』
(かぜならで せみのみちおつ おどろきぬ)

『新豆腐 娘嫌いじゃ しょうがない』
(しんとうふ むすめきらいじゃ しょうがない)

『遠花火 娘の話に 掻き消され』
(とおはなび むすめのはなしに かきけされ)

夏の果て

2007年08月25日 | 俳句

『うとましき 快晴の空 夏の果て』
(うとましき かいせいのそら なつのはて)

『今更に 冷房効き過ぎ 風邪の元』
(いまさらに れいぼうききすぎ かぜのもと)

『熊蝉や 何日飛んで 灼けたもう』
(くまぜみや なんにちとんで やけたもう)

『優先の 座席に座り 夏旱』
(ゆうせんの ざせきにすわり なつひでり)

秋雷

2007年08月24日 | 俳句

『夕立の 上がりに鴉 三度啼く』
(ゆうだちの あがりにからす さんどなく)

『秋雲の 生駒の山に かかりしを』
(あきぐもの いこまのやまに かかりしを)

『秋雷や 目覚めて過ごす 四畳半』
(しゅうらいや めざめてすごす よじょうはん)

『恋草や 秋の千草や 風に揺れ』
(こいぐさや あきのちぐさや かぜにゆれ)

『秋風の 吹き渡れるに 色もなく』
(あきかぜの ふきわたれるに いろもなく)

『孫メール 露の泪の いとおしさ』
(まごめーる つゆのなみだの いとおしさ)


雨女

2007年08月23日 | 俳句

『夏痩せも 夏負けもなし この私』
(なつやせも なつまけもなし このわたし)

『首振りて 団扇の広告 見届けし』
(くびふりて うちわのこうこく みとどけし)

『駅ホーム 団扇の風も 凪いでいる』
(えきほーむ うちわのかぜも ないでいる)

『四方も 入道雲立ち 暑さ増す』
(よもかたも にゅうどうたち あつさます)

『現れよ 何何の君 今涼し』
(あらわれよ なんなんのきみ いますずし)
  =見るだけで、涼しくなるような人居ませんかね。涼しの君=


『君や君 目移り多き 夏旱』
(きみやきみ めうつりおおき なつひでり)

『北新地 下りる女は 夏美人』
(きたしんち おりるおんなは なつびじん)

『夕立や 世の中暗く 暗くなる』
(ゆうだちや よのなかくらく くらくなる)

『夕立よ 涼しさ連れて 早く降れ』
(ゆうだちよ すずしさつれて はやくふれ)

『夕立の 降る前に吹く 涼風よ』
(ゆうだちの ふるまえにふく すずかぜよ)

『夕立や 娘は今も 雨女』
(ゆうだちや むすめはいまも あまおんな)

酔芙蓉

2007年08月22日 | 俳句

『蝉時雨 暑すぎ故か 元気なく』
(せみしぐれ あつすぎゆえか げんきなく)

『温暖化 灼熱地獄 蝉落ちる』
(おんだんか しゃくねつじごく せみおちる)

『口開けて 電車の席に 昼寝女』
(くちあけて でんしゃのせきに ひるねびと)

『ピノキオの 鼻の伸びたる 小入道』
(ぴのきおの はなののびたる しょうにゅうどう)

『空見れば 秋雲なれど なお暑し』
(そらみれば あきぐもなれど なおあつし)

『酔芙蓉 夕日を浴びて なお赤く』
(すいふよう ゆうひをあびて なおあかく)

『さやけしや 夢にも出たる 妹の顔』
(さやけしや ゆめにもでたる いものかお)

秋花

2007年08月21日 | 俳句

『朝顔の 早出に合わせ 顔を見せ』
(あさがおの はやでにあわせ かおをみせ)

『明日香路の 風にそよぎし 女郎花』
(あすかじの かぜにそよぎし おみなえし)
 
『日暮道 照り返しに咲く 鳳仙花』
(ひぐれみち てりかえしにさく ほうせんか)

遠花火

2007年08月20日 | 俳句

『秋来たり 目にさやさやと 風通る』
(あききたり めにさやさやと かぜとおる)

『熊本の 守宮どうして いるのやら』
(くまもとの やもりどうして いるのやら)

『孫ビデオ 方言飛び交う 水遊び』
(まごびでお ほうげんとびかう みずあそび)

『水族館 約束果たせぬ 夏休み』
(すいぞくかん やくそくはたせぬ なつやすみ)

『音見るも 光見えざる 遠花火』
(おとみるも ひかりみえざる とおはなび)

花仙人掌(はなさぼてん)

2007年08月17日 | 俳句

『もうちょっと 朝焼けの女 惚れるとこ』
(もうちょっと あさやけのひと ほれるとこ)

『蝉時雨 神社詣は 鳩を連れ』
(せみしぐれ やしろもうでは はとをつれ)

『花仙人掌 命短く 咲きにけり』
(はなさぼてん いのちみじかく さきにけり)

『目焼くほど 夕焼け小焼けに 見とれおり』
(めやくほど ゆうやけこやけに みとれおり)