俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

惜春

2008年04月30日 | 俳句

『早きもの 牡丹花咲く 頃となり』
(はやきもの ぼたんはなさく ころとなり)

『陽の照るに 躑躅の燃えて 咲きにけり』
(ひのてるに つつじのもえて さきにけり)

『はや三年 過ぎゆく春に 妹八歳』
(はやさんねん すぎゆくはるに いもはっさい)

『チューリップ 見れば楽しき ことばかり』
(ちゅーりっぷ みればたのしき ことばかり)

『立ち並ぶ 人形屋の 鯉幟』
(たちならぶ にんぎょうやの こいのぼり)

『躑躅寺 参道沿いに 色付きて』
(つつじでら さんどうぞいに いろづきて)

『春風を 友に連れての 朝散歩』
(はるかぜを ともにつれての あささんぽ)

『雨風に 負けずに残る 花の塵』
(あまかぜに まけずにのこる はなのちり)

『惜春の 心の急きに 風通る』
(せきしゅんの こころのせきに かぜとおる)

『惜春の 心は明日香 見据え居り』
(せきしゅんの こころはあすか みすえおり)


昭和の日

2008年04月29日 | 俳句

『春霞 燕行く先 間違えて』
(はるがすみ つばめゆくさき まちがえて)

『花躑躅 陽の光浴び 紅さやか』
(はなつつじ ひのひかりあび べにさやか)

『春鶺鴒の 仲睦まじさ 見とれ居り』
(せきれいの なかむつまじさ みとれおり)

『春鶺鴒の 一羽さびしく 水遊び』
(せきれいの いちわさびしく みずあそび)

『杜若 池のほとりに 昭和の日』
(かきつばた いけのほとりに しょうわのひ)

『広げし手 何するでなく 蝶止まり』
(ひろげして なにするでなく ちょうとまり)

『角々に 咲きし躑躅の 色や良し』
(かどかどに さきしつつじの いろやよし)

『春烏 一声鳴いて 電線に』
(ひよどりの ひとこえないて でんせんに)


杏の花

2008年04月28日 | 俳句

『ひと雨に 娘恋しき 春の雨』
(ひとあめに むすめこいしき はるのあめ)

『薄紅の 杏の花の 花霞』
(うすべにの あんずのはなの はながすみ)

『初恋の 色に似たよな 桜草』
(はつこいの いろににたよな さくらそう)

『草陰に 碧い瞳の 菫咲く』
(くさかげに あおいひとみの すみれさく)

『葉桜に 風の通りて 空揺する』
(はざくらに かぜのとおりて そらゆする)


連休

2008年04月27日 | 俳句

『躑躅咲く 雌蕊の先に 色気あり』
(つつじさく めしべのさきに いろけあり)

『スートピー 淡き日和に しなやかに』
(すーとぴー あわきひよりに しなやかに)

『花水木 空の青さにゃ 勝てまいに』
(はなみずき そらのあおさにゃ かてまいに)

『先立たぬ 連休突入 肩身なし』
(さきだたぬ れんきゅうとつにゅう かたみなし)


2008年04月26日 | 俳句

『サボテンの 花咲く鉢に 笑顔して』
(さぼてんの はなさくはちに えがおして)

『白もよし 薄紅もよし 花水木』
(しろもよし うすべにもよし はなみずき)

『霞みたる 生駒の山の 緑かな』
(かすみたる いこまのやまの みどりかな)


葉桜

2008年04月25日 | 俳句

『咲き出せば 何故か気になる 花水木』
(さきだせば なぜかきになる はなみずき)

『春の雨 しとしと降りて 日は暮れて』
(はるのあめ しとしとふりて ひはくれて)

『葉桜に 空の青さを 恋しがり』
(はざくらに そらのあおさを こいしがり)


団子花

2008年04月24日 | 俳句

『地下出ると 男もしたい 春日傘』
(ちかでると おとこもしたい はるひがさ)

『餌は何 高架の上の 鴉の巣』
(えさはなに こうかのうえの からすのす)

『咲き出でし 薄くも濃くも 紅躑躅』
(さきいでし うすくもこくも べにつつじ)

『春の昼 脛に傷ある 女高生』
(はるのひる すねにきずある じょこうせい)

『雪柳 散れば咲きたる 団子花』
(ゆきやなぎ ちればさきたる だんごばな)
               団子花=小手毬の花

『春の夜の 月は陰りて 空澄みし』
(はるのよの つきはかげりて そらすみし)

『花馬酔木 鈴生りの鐘 撞きたきや』
(はなあしび すずなりのかね つきたきや)

『武者幟 ベランダ越しに 控え目に』
(むしゃのぼり べらんだごしに ひかえめに)


落椿

2008年04月23日 | 俳句

『桜散り 門前に咲く 桜草』
(さくらちり もんぜんにさく さくらそう)

『群れて咲き かまびすしきや 黄水仙』
(むれてさき かまびすしきや きすいせん)

『茅花の穂 白く輝き 風に舞う』
(つばなのほ しろくかがやき かぜにまう)

『花水木 うす緑の芯 隠しおり』
(はなみずき うすみどりのしん かくしおり)

『紅の花 天に伸びたる 紫荊』
(べにのはな てんにのびたる はなずおう)

『タンポポは さびしがり屋か 二輪咲く』
(たんぽぽは さびしがりやか にりんさく)

『春の風邪 何事も無く 無事なりき』
(はるのかぜ なにごともなく ぶじなりき)

『竹林の 陽の射すところ 落椿』
(ちくりんの ひのさすところ おちつばき)

『望過ぎて 菜の花畑 月あかり』
(もちすぎて なのはなばたけ つきあかり)
                    =6200
            

行く春

2008年04月22日 | 俳句

『見てる間に 落花ひとひら 盃に』
(みてるまに らっかひとひら さかずきに)

『行く春や ほろ酔い気分 ほど遠く』
(ゆくはるや ほろよいきぶん ほどとおく)

『葉桜も これまた良しや ほろ酔いに』
(はざくらも これまたよしや ほろよいに)


春の風

2008年04月21日 | 俳句


なかなか風邪が治りません


『春の風邪 古寺探訪 夢の中』
(はるのかぜ こでらたんぼう ゆめのなか)

『春の風邪 咳声喉に また熱が』
(はるのかぜ せきこえのどに またねつが)


朧月

2008年04月20日 | 俳句

『春の風邪 関節のきしみ その寒さ』
(はるのかぜ かんせつのきしみ そのさむさ)

『春の風邪 いつしか気力 衰えて』
(はるのかぜ いつしかきりょく おとろえて)

『参道の 木漏れ日の中 椿落つ』
(さんどうの こもれびのなか つばきおつ)

『松風に 桜蕊さえ 散りにけり』
(まつかぜに さくらしべさえ ちりにけり)

『風に散る 落花一片 水に舞う』
(かぜにちる らっかいっぺん みずにまう)

『葉桜の 緑まぶしき 昨日今日』
(はざくらの みどりまぶしき きのうきょう)

『天の巣や 濡れ羽の鴉 こち見てる』
(てんのすや ぬればのからす こちみてる)

『蝶飛べり 昔の自分 追いかけて』
(ちょうとべり むかしのじぶん おいかけて)

『菜の花や 何は無くとも 菜の花や』
(なのはなや なにはなくとも なのはなや)

『今ならば 花は何の花 藪椿』
(いまならば はなはなんのはな やぶつばき)

『春の夢 枕濡らして 覚えなき』
(はるのゆめ まくらぬらして おぼえなき)

『満月や 雲の彼方の 朧月』
(まんげつや くものかなたの おぼろづき)


春の風邪

2008年04月19日 | 俳句

『春の風邪 慎み深く 熱情も』
(はるのかぜ つつしみぶかく ねつじょうも)

『春の風邪 熱ある内に 嫁いびり』
(はるのかぜ ねつあるうちに よめいびり)


花景色

2008年04月18日 | 俳句

『チューリップ 覗いて見たき 雌蘂かな』
(ちゅーりっぷ のぞいてみたき めしべかな)

『春風や まつ毛の長き 女高生』
(はるかぜや まつげのながき じょこうせい)

『雨上がり バス待ち居るに 春の風』
(あめあがり ばすまちおるに はるのかぜ)

『石段を 紅く染めしは 櫻蘂』
(いしだんを あかくそめしは さくらしべ)

『雨煙る 五十鈴の川の 花景色』
(あめけむる いすずのかわの はなげしき)

『春霞 薄紅色の 山化粧』
(はるがすみ うすべにいろの やまげしょう)

『雨降りて 春の風邪やら のど痛し』
(あめふりて はるのかぜやら のどいたし)

『シャボン玉 割れずに消えよ 空高く』
(しゃぼんだま われずにきえよ そらたかく)

『菜種梅雨 雨音に覚む うたたねよ』
(なたねつゆ あまおとにさむ うたたねよ)

『タンポポよ 絮飛ばすとき 教えてよ』
(たんぽぽよ わたとばすとき おしえてよ)


柿若葉

2008年04月17日 | 俳句

『大阪城 花見の次は 植木市』
(おおさかじょう はなみのつぎは うえきいち)

『赤白と 躑躅並んで 咲いている』
(あかしろと つつじならんで さいている)

『垂れ咲ける 社寺の土塀の 芝桜』
(たれさける しゃじのどべいの しばざくら)

『もう一度 もう一度だけ 勿忘草』
(もういちど もういちどだけ わすれなぐさ)

『まどろみの 幸せ満つる 春の風』
(まどろみの しあわせみつる はるのかぜ)

『門毎に 三色すみれ 咲き誇り』
(かどごとに さんしょくすみれ さきほこり)

『通勤に 美女に挟まれ チューリップ』
(つうきんに びじょにはさまれ ちゅーりっぷ)

『春の風 奈良の明日香の さそい風』
(はるのかぜ ならのあすかの さそいかぜ)

『さみどりの 柿の若葉の 目にしみて』
(さみどりの かきのわかばの めにしみて)

『八重桜 葉の色に見る 桜餅』
(やえざくら はのいろにみる さくらもち)

『忘られぬ ミモザアカシア 二度惚れて』
(わすられぬ みもざあかしあ にどほれて)



飛花落花2

2008年04月16日 | 俳句

『春の月 上弦の月 昼の月』
(はるのつき じょうげんのつき ひるのつき)

『朧なる 上弦の月に 兎居て』
(おぼろなる じょうげんのつきに うさぎいて)

『菜の花の 黄色の色が 好きなのね』
(なのはなの きいろのいろが すきなのね)

『『沸き出でし 土筆の子ならぬ 新入生』
(わきいでし つくしのこならぬ しんにゅうせい)
 
『八重桜 三重に重なり 重たげに』
(やえざくら みえにかさなり おもたげに)

『今日もまた 飛花落花の 中を行く』
(きょうもまた ひからっかの なかをゆく)

『春の昼 腹膨れれば 瞼をも』
(はるのひる はらふくれれば まぶたをも)

『春の昼 伝わり来る 欠伸なり』
(はるのひる つたわりきたる あくびなり)
『甲羅干し 亀の足にも 飛花落花』
(こうらぼし かめのあしにも ひからっか)

『山風に 心揺さぶる 竹の秋』
(やまかぜに こころゆさぶる たけのあき)

『誰が勝つ 戀の鞘当て 百千鳥』
(だれがかつ こいのさやあて ももちどり)

『春風や 七福神の 鬼瓦』
(はるかぜや しちふくじんの おにがわら)