流されず 堰に残りし 朽ち落葉
(ながされず せきにのこりし くちおちば)
13179 【季語】 落葉 【季節】 三冬
孤独ゆえ 淡き色なす 石蕗の花
(こどくゆえ あわきいろなす つわのはな)
13180 【季語】 石蕗の花 【季節】 初冬
冬鳥等 付かず離れず ペア多し
(ふゆどりら つかずはなれず ぺあおおし)
13181 【季語】 冬鳥 【季節】 三冬
冬の朝 野球人多き 日曜日
(ふゆのあさ やきゅうじんおおき にちようび)
13182 【季語】 冬の朝 【季節】 三冬
風もなく 枝垂れ桜の 枯葉落つ
(かぜもなく しだれざくらの かれはおつ)
13183 【季語】 枯葉 【季節】 三冬
虫食いか 枝垂れ桜の 老枯葉
(むしくいか しだれざくらの ろうかれは)
13184 【季語】 落葉 【季節】 三冬
餌を求め 川を闊歩せし 冬鴎
(えをもとめ かわをかっぽせし ふゆかもめ)
13185 【季語】 冬鴎 【季節】 三冬
パッと咲く 皇帝ダリアは 二階席
(ぱっとさく こうていだりあは にかいせき)
13186 【季語】 皇帝ダリア 【季節】 晩秋
柿見れば 口も顔をも 渋くなり
(かきみれば くちもかおをも しぶくなり)
13187 【季語】 柿 【季節】 晩秋
温暖化 落葉の色も 淡くなり
(おんだんか おちばのいろも あわくなり)
13188 【季語】 落葉 【季節】 三冬
顔見世の まねきの文字に 笑みこぼれ
(かおみせの まねきのもじに えみこぼれ)
13189 【季語】 顔見世 【季節】 仲冬
着水に バシャンと音す 真鴨かな
(ちゃくすいに ばしゃんとおとす まがもかな)
13190 【季語】 鴨 【季節】 三冬
着水に 羽打ち乱す 真鴨かな
(ちゃくすいに はねうちみだす まがもかな)
13191 【季語】 鴨 【季節】 三冬
着水に 音なき忍者 冬鴎
(ちゃくすいに おとなきにんじゃ ふゆかもめ)
13192 【季語】 冬鴎 【季節】 三冬
川筋も 海に近きや 冬鴎
(かわすじも うみにちかきや ふゆかもめ)
13193 【季語】 冬鴎 【季節】 三冬
茶の花や 黄色いおしべ 白い花
(ちゃのはなや きいろいおしべ しろいはな)
13165 【季語】 茶の花 【季節】 初冬
山茶花の 残りし雄蘂 散るを待つ
(さざんかの のこりしおしべ ちるをまつ)
13166 【季語】 山茶花 【季節】 初冬
短日や 昨日と違う 陽の高さ
(たんじつや きのうとちがう ひのたかさ)
13167 【季語】 短日 【季節】 三冬
生え際の 少し前進 木の葉髪
(はえぎわの すこしぜんしん このはがみ)
13168 【季語】 木の葉髪 【季節】 三冬
後退ばかりだったのに
朝の色 複雑怪奇 冬紅葉
(あさのいろ ふくざつかいき ふゆもみじ)
13169 【季語】 冬紅葉 【季節】 初冬
鯉居なきゃ 鷺鴨知れず 何も居ず
(こいいなきゃ さぎかもしれず なにもいず)
13170 【季語】 鷺 【季節】 三冬
砂場にも 落葉の絨毯 子等哀し
(すなばにも おばのじゅうたん こらかなし)
13171 【季語】 落葉 【季節】 三冬
公園の 陽当たらぬ隅に 青き落葉
(こうえんの ひあたらぬすみに あおきおちば)
13172 【季語】 落葉 【季節】 三冬
陽の当たる 所に太き 桜紅葉
(ひのあたる ところにふとき はなもみじ)
13173 【季語】 桜紅葉 【季節】 仲秋
電線に 冬雀が三羽 太ってら
(でんせんに すずめがさんば ふとってら)
13174 【季語】 冬雀 【季節】 三冬
心地よき 疲れ残りし 冬散歩
(ここちよき つかれのこりし ふゆさんぽ)
13175 【季語】 冬 【季節】 三冬
距離置いて 鶺鴒三羽 痴話喧嘩
(きょりおいて せきれいさんば ちわげんか)
13176 【季語】 鶺鴒 【季節】 三秋
付いて来し 背黒鶺鴒 尾を振りぬ
(ついてきし せぐろせきれい おをふりぬ)
13177 【季語】 鶺鴒 【季節】 三秋
風の精 庭守泣かせ 枯葉舞う
(かぜのせい にわもりなかせ かれはまう)
13178 【季語】 枯葉 【季節】 三冬
鳥居の石 落とした過去も 神の留守
(とりいのいし おとしたかこも かみのるす)
13155 【季語】 神の留守 【季節】 初冬
神頼み 他人に任せて 神の留守
(かみだのみ たにんにまかせて かみのるす)
13156 【季語】 神の留守 【季節】 初冬
賽銭を 奮発している 神の留守
(さいせんを ふんぱつしている かみのるす)
13157 【季語】 神の留守 【季節】 初冬
紅葉に 枯れ色多き 年なるか
(こうように かれいろおおき としなるか)
13158 【季語】 紅葉 【季節】 晩秋
緑多き 落葉に秋は 有りや無しや
(みどりおおき おちばにあきは ありやなしや)
13159 【季語】 落葉 【季節】 三冬
団栗の 音を感じて そろそろり
(どんぐりの おとをかんじて そろそろり)
13160 【季語】 団栗 【季節】 晩秋
風有って 寒さ感じる 朝の道
(かぜあって さむさかんじる あさのみち)
13161 【季語】 寒さ 【季節】 三冬
冬散歩 小銭忘れし 寂しさよ
(ふゆさんぽ こぜにわすれし さびしさよ)
13162 【季語】 冬 【季節】 三冬
落葉径 昨日湿っぽく 今日乾く
(おちばみち きのうしめっぽく きょうかわく)
13163 【季語】 落葉 【季節】 三冬
近づけど 鳩逃げもせず 小春なる
(ちかづけど はとにげもせず こはるなる)
13164 【季語】 小春 【季節】 初冬
叩く手に 鯉は寄り来て 鴨逃ぐる
(たたくてに こいはよりきて かもにぐる)
13145 【季語】 鴨 【季節】 三冬
冬鴨は 羽ばたつかせ 降り立ちぬ
(ふゆがもは はねばたつかせ おりたちぬ)
13146 【季語】 冬鴨 【季節】 三冬
天に地に 桜紅葉の 錦織
(てんにちに さくらもみじの にしきおり)
13147 【季語】 桜紅葉 【季節】 仲秋
この冬は に紅葉 枯葉まで
(このふゆは みどりにもみじ かれはまで)
13148 【季語】 冬 【季節】 三冬
国の虹 隠れて見えず 幾年ぞ
(くにのにじ かくれてみえず いくとせぞ)
13149 【季語】 虹隠れて見えず 【季節】 初冬
秋ざくら 風を忘れて 立ち就くし
(あきざくら かぜをわすれて たちつくし)
13150 【季語】 秋ざくら 【季節】 仲秋
風乗らず ひらひらぼたっと 柿紅葉
(かぜのらず ひらひらぼたっと かきもみじ)
13151 【季語】 柿紅葉 【季節】 晩秋
神の留守 宮はしごして ご利益は
(かみのるす みやはしごして ごりやくは)
13152 【季語】 神の留守 【季節】 初冬
辞めて早 八年勤労 感謝の日
(やめてはや はちねんきんろう かんしゃのひ)
13153 【季語】 勤労感謝の日 【季節】 初冬
短日や 犬も昇らぬ 歩道橋
(たんじつや いぬものぼらぬ ほどうきょう)
13154 【季語】 短日 【季節】 三冬
写メール用 冬雲を撮りし 姥の笑み
(しゃめーるよう くもをとりし うばのえみ)
13140 【季語】 冬雲 【季節】 三冬
ありがたき 金色の光 冬の陽よ
(ありがたき こんじきのひかり ふゆのひよ)
13141 【季語】 冬の陽 【季節】 三冬
花水木 枯葉の色も もう褪せて
(はなみずき かれはのいろも もうあせて)
13142 【季語】 枯葉 【季節】 三冬
露帯し 枯葉の音も 湿りがち
(つゆおびし かれはのおとも しめりがち)
13143 【季語】 枯葉 【季節】 三冬
橋の下 鷺の住み家ぞ 隠れ家ぞ
(はしのした さぎのすみかぞ かくれがぞ)
13144 【季語】 鷺 【季節】 三冬
十年振り ジャケット着れて 嫁の笑み
(じゅうねんぶり じゃけっときれて よめのえみ)
13132 【季語】 ジャケット 【季節】 三冬
冬の陽を 息止め受けて 気の満つる
(ふゆのひを いきとめうけて きのみつる)
13133 【季語】 冬の陽 【季節】 三冬
冬雲の 逃げ足早く 北南
(ふゆぐもの にげあしはやく きたみなみ)
13134 【季語】 冬雲 【季節】 三冬
寒雲や 朱く燃えてる 鬼瓦
(かんうんや あかくもえてる おにがわら)
13135 【季語】 寒雲 【季節】 三冬
姥三人 皇帝ダリアの 花の下
(うばさんにん こうていだりあの はなのした)
13136 【季語】 皇帝ダリア 【季節】 晩秋
皇帝ダリア=木立ダリア
枯れ枯れて もったいなきや 公園の花
(かれがれて もったいなきや にわのはな)
13137 【季語】 枯れ枯れ 【季節】 三冬
冬の朝 挨拶返し 気も晴れて
(ふゆのあさ あいさつがえし きもはれて)
13138 【季語】 冬の朝 【季節】 三冬
踏みしめし 落ち葉の音色 カサカサと
(ふみしめし おちばのねいろ かさかさと)
13139 【季語】 落ち葉 【季節】 三冬
冬の朝 明けの明星 すぐに失せ
(ふゆのあさ あけのみょうじょう すぐにうせ)
13117 【季語】 冬の朝 【季節】 三冬
旬越えし 花寂しければ 我寒し
(しゅんこえし はなさびしければ われさむし)
13118 【季語】 寒し 【季節】 三冬
冬の陽に 楠の木映えて 神々し
(ふゆのひに くすのきのきはえて こうごうし)
13119 【季語】 冬の陽 【季節】 三冬
冬の陽を 目に焼き付けて 深呼吸
(ふゆのひを めにやきつけて しんこきゅう)
13120 【季語】 冬の陽 【季節】 三冬
冬ざれて 後歩きの 潔さ
(ふゆざれて うしろあるきの いさぎよさ)
13121 【季語】 冬ざれ 【季節】 三冬
咲く所 間違えたらし 石蕗の花
(さくところ まちがえたらし つわのはな)
13122 【季語】 石蕗の花 【季節】 初冬
石段の 割れ目に覗く 冬すみれ
(いしだんの われめにのぞく ふゆすみれ)
13123 【季語】 冬すみれ 【季節】 初冬
玄関の 片隅飾る 花八つ手
(げんかんの かたすみかざる はなやつで)
13124 【季語】 花八つ手 【季節】 初冬
外はもう 山茶花日和 乱れ咲き
(そとはもう さざんかびより みだれざき)
13125 【季語】 山茶花 【季節】 初冬
鳥よりも 花が際立つ ほととぎす
(とりよりも はながきわだつ ほととぎす)
13121 【季語】 ほととぎす 【季節】 三秋
ホトトギス草
側溝は 鶺鴒飛び出す 玉手箱
(そっこうは せきれいとびだす たまてばこ)
13122 【季語】 鶺鴒 【季節】 三秋
顔は陽に 背は背もたれに 秋の旅
(かおはひに せはせもたれに あきのたび)
13112 【季語】 秋 【季節】 三秋
逆向きに 座って不安 秋列車
(ぎゃくむきに すわってふあん あきれっしゃ)
13113 【季語】 秋 【季節】 三秋
朝ぼらけ 空の雲にも 秋風情
(あさぼらけ そらのくもにも あきふぜい)
13114 【季語】 秋 【季節】 三秋
椋鳥の 恋のささやき 屋根の上
(むくどりの こいのささやき やねのうえ)
13115 【季語】 椋鳥 【季節】 三秋
実と共に 季節外れの 茄子の花
(みとともに きせつはずれの なすのはな)
13116 【季語】 - 【季節】 -
露帯びて 光輝く 冬薔薇
(つゆおびて ひかりかがやく ふゆそうび)
13117 【季語】 冬薔薇 【季節】 三冬
立冬や 椿の季節 わが季節
(りっとうや つばきのきせつ わがきせつ)
13118 【季語】 立冬 【季節】 初冬
土産には 砂場の砂の 立冬の朝
(みやげには すなばのすなの りっとうのあさ)
13119 【季語】 立冬 【季節】 初冬
膝も良し 腰も後押し 立冬の朝
(ひざもよし こしもあとおし りっとうのあさ)
13120 【季語】 立冬 【季節】 初冬