俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

秋の色

2008年09月30日 | 俳句

『アイスより ホットが欲しき 秋の夜』
(あいすより ほっとがほしき あきのよる)

『雨雲の 灰色の街 秋の街』
(あまぐもの はいいろのまち あきのまち)

『なつかしの ジェットストリーム 秋の色』
(なつかしの じぇっとすとりーむ あきのいろ)

『秋雨に 傘を持たねば なりません』
(あきさめに かさをもたねば なりません)


新月

2008年09月29日 | 俳句

『秋萩に 契りしことも 薄れ行く』
(あきはぎに ちぎりしことも うすれゆく)

『石垣の 枝垂れる萩に 風優し』
(いしがきの しだれるはぎに かぜやさし)

『新月も 名月なりと 想う我』
(しんげつも めいげつなりと おもうわれ)

『女郎花 露けし姿 今は無し』
(おみなえし つゆけしすがた いまはなし)

『山の辺の 行く先示す 案山子かな』
(やまのべの ゆくさきしめす かかしかな)

『秋風よ 明日香の薫り 乗せて吹け』
(あきかぜよ あすかのかおり のせてふけ)

『夕焼けに 照らされし山に 秋の声』
(ゆうやけに てらされしやまに あきのこえ)

『菊咲けり 光を浴びて 菊咲けり』
(きくさけり ひかりをあびて きくさけり)

『秋の声 秋篠寺の 鬼瓦』
(あきのこえ あきしのでらの おにがわら)

『秋声や 一本足に 涙する』
(しゅうせいや いっぽんあしに なみだする)

『奴には 今日は生姜が 無いと言う』
(やっこには きょうはしょうがが ないという)

『窓の戸の 開け閉め毎に 秋の風』
(まどのとの あけしめごとに あきのかぜ)



秋の蠅

2008年09月28日 | 俳句

『薄紅の 曼珠沙華の 有ると言う』
(うすべにの まんじゅしゃげの あるという)

『ぽつぽつと 我の前行く 曼珠沙華』
(ぽつぽつと われのまえいく まんじゅしゃげ)

『白露の 一つ一つに 世界あり』
(はくつゆの ひとつひとつに せかいあり)

『露の玉 大きくなるまで 待ち居れぬ』
(つゆのたま おおきくなるまで まちおれぬ)

『捨てられし 案山子の顔に 露の玉』
(すてられし かかしのかおに つゆのたま)

『露の身の 弾けてしまえば 後も無く』
(つゆのみの はじけてしまえば あともなく)

『ご時世は 傘よりカッパ 秋時雨』
(ごじせいは かさよりかっぱ あきしぐれ)

『下々を 知らぬ存ぜぬ 秋扇』
(しもじもを しらぬぞんぜぬ あきおうぎ)

『小人が 巨人と名乗る 秋の蠅』
(しょうにんが きょじんとなのる あきのはえ)

『秋の街 今年一番の 夕まぐれ』
(あきのまち ことしいちばんの ゆうまぐれ)


彼岸花

2008年09月27日 | 俳句

『雨雲の 重くたちこめ 秋の朝』
(あまぐもの おもくたちこめ あきのあさ)

『我が裾に 纏わり付きし 猫じゃらし』
(わがすそに まとわりつきし ねこじゃらし)

『ずぶ濡れて 知る秋雨の 心変わり』
(ずぶぬれて しるあきさめの こころがわり)

『鉢に咲く 曼珠沙華の 儚さよ』
(はちにさく まんじゅしゃげの はかなさよ)

『お彼岸の 供え下ろしの 豊作に』
(おひがんの そなえおろしの ほうさくに)

『祖母が引く リヤカー越しの 彼岸花』
(そぼがひく りやかーごしの ひがんばな)

『石仏に 供えられたる 野菊枯れ』
(せきぶつに そなえられたる のぎくかれ)

『耳澄まし 心澄まして 秋の道』
(みみすまし こころすまして あきのみち)

『萩の花 手折れば露の 一雫』
(はぎのはな たおればつゆの ひとしずく)

『小夜更けて 窓の外には 見えぬ月』
(さよふけて まどのそとには みえぬつき)

『秋の夜に 見えぬ兎を 捜しけり』
(あきのよに みえぬうさぎを さがしけり)


曼珠沙華

2008年09月26日 | 俳句

『秋彼岸 つかの間に間に 消え去りぬ』
(あきひがん つかのまにまに きえさりぬ)

『虚空なる 清浄の気よ 天高し』
(こくうなる せいじょうのきよ てんたかし)

『暮泥み 薄の色も 金色に』
(くれなずみ すすきのいろも こんじきに)

『孤独なり 女郎花の中の 曼珠沙華』
(こどくなり おみなえしのなかの まんじゅしゃげ)

『曼珠沙華 棚田の畦に 咲くばかり』
(まんじゅしゃげ たなだのあぜに さくばかり)

『曼珠沙華 花は天国 地は地獄』
(まんじゅしゃげ はなはてんごく ちはじごく)

『明日香には 曼珠沙華なる 明日があり』
(あすかには まんじゅしゃげなる あすがあり)


秋晴れ

2008年09月25日 | 俳句

『掛け軸の ととんと鳴りて 秋の風』
(かけじくの ととんとなりて あきのかぜ)

『花弁より 萼に結びし 露の玉』
(かべんより がくにむすびし つゆのたま)

『鶏頭を 怯えて撫でる 妹が居て』
(けいとうを おびえてなでる いもがいて)

『菊の香の効 眠られぬ 夜が来る』
(きくのかのこう ねむられぬ よるがくる)

『ちちろ鳴く 叔父の土産の ミンチカツ』
(ちちろなく おじのみやげの みんちかつ)

『秋日和 膝の痛さが 玉に瑕』
(あきびより ひざのいたさが たまにきず)

『宰相の 秋晴れ講釈 晴れ間なし』
(さいそうの あきばれこうしゃく はれまなし)

『赤まんま 指きりげんま 嘘のまま』
(あかまんま ゆびきりげんま うそのまま)

『稲架の下 雀の遊び場 雀の巣』
(はざのした すずめのあそびば すずめのす)

『月光や いか釣り舟と さざ波と』
(げっこうや いかつりぶねと さざなみと)

『唐辛子 一味に足らず 七味にも』
(とうがらし いちみにたらず しちみにも)


秋日傘

2008年09月24日 | 俳句

『その景は 稲穂にコスモス 彼岸花』
(そのけいは いなほにこすもす ひがんばな)

『畦の道 ぽつんぽつんと 曼珠沙華』
(あぜのみち ぽつんぽつんと まんじゅしゃげ)

『風に揺れ 煌めき返す 薄の穂』
(かぜにゆれ きらめきかえす すすきのほ)

『待合に 忘れ物あり 秋日傘』
(まちあいに わすれものあり あきひがさ)


秋彼岸

2008年09月23日 | 俳句

『秋風の 身にしむ朝 鴉啼く』
(あきかぜの みにしむあした からすなく)

『此岸より あちらが近き 秋彼岸』
(しがんより あちらがちかき あきひがん)

『とろろ茄子 美味と申さば 今日も出て』
(とろろなす びみともうさば きょうもでて)

『コーヒーの 買い溜め切れて 良夜かな』
(こーひーの かいだめきれて りょうやかな)

『夜半の秋 メタボの腹を 爪弾きぬ』
(よわのあき めたぼのはらを つまびきぬ)

『柿喰えば 死期が近くに 感じられ』
(かきくえば しきがちかくに かんじられ)

『木守柿 我が故郷に 実りあれ』
(こもりがき わがふるさとに みのりあれ)

『芒穂に 風の道筋 見えにけり』
(すすきほに かぜのみちすじ みえにけり)


彼岸花

2008年09月22日 | 俳句

『秋茄子を とろろに絡め 美味優る』
(あきなすを とろろにからめ びみまさる)

『旅終えて 心も軽く 良夜かな』
(たびおえて こころもかるく りょうやかな)



次の二句は、「ブックマーク」で紹介している「まほろば」さんのブログに
魅了されて、創った句です。

『光ある 写真の中の 彼岸花』
(ひかりある しゃしんのなかの ひがんばな)
 
『石仏の 微笑み洩れて 秋の澄み』
(せきぶつの ほほえみもれて あきのすみ)



『登高の 上りつめれば 下るのみ』
(とうこうの のぼりつめれば くだるのみ)

『布団干す 嫁に注意や 秋の雨』
(ふとんほす よめにちゅういや あきのあめ)

『赤のまま 妹のままなる まあだだよ』
(あかのまま いものままなる まあだだよ)

『鐘鳴れば 都府楼想う 秋の宵』
(かねなれば とふろうおもう あきのよい)


秋茄子

2008年09月21日 | 俳句

『秋茄子の 包丁さばき 秘技のあり』
(あきなすの ほうちょうさばき ひぎのあり)

『老いたれば 草と間違う キリギリス』
(おいたれば くさとまちがう きりぎりす)

『秋の夜や 大臣なんぞ 要るかしら』
(あきのよや だいじんなんぞ いるかしら)

『玄関まで 出迎え受けて 月見かな』
(げんかんまで でむかえうけて つきみかな)

『変わるまじ 男心と 秋の空』
(かわるまじ おとこごころと あきのそら)

『糸瓜を へちまと読めねど へっちゃらよ』
(いとうりを へちまとよめねど へっちゃらよ)

『露の玉 摘まんでみれば ただの水』
(つゆのたま つまんでみれば ただのみず)


秋彼岸

2008年09月20日 | 俳句

『咲く花に 先導されて 秋彼岸』
(さくはなに せんどうされて あきひがん)

『彼岸花 風に吹かれて ゆらゆらと』
(ひがんばな かぜにふかれて ゆらゆらと)

『曼珠沙華 咲いて地獄の 火とならん』
(まんじゅしゃげ さいてじごくの ひとならん)

『白粉の 花に涙を 注げども』
(おしろいの はなになみだを そそげども)

『雨に濡れ コスモスの花 色さやか』
(あめにぬれ こすもすのはな いろさやか)

『さやけしや 真白き月の 上る朝』
(さやけしや ましろきつきの のぼるあさ)

『台風は 列島の南 急ぎ去る』
(たいふうは れっとうのみなみ いそぎさる)

『秋風や 鳥肌の立つ 吹き加減』
(あきかぜや とりはだのたつ ふきかげん)

『秋風や 解散風の 虚しゅうて』
(あきかぜや かいさんかぜの むなしゅうて)

『雲行きも 忙しくなりぬ 秋の空』
(くもゆきも せわしくなりぬ あきのそら)

『秋の山 一色一色 歴史あり』
(あきのやま ひといろひといろ れきしあり)

『白露を 集めて飲まん 夢茶苦茶と』
(はくつゆを あつめてのまん むちゃくちゃと)


露けさ

2008年09月19日 | 俳句

『露けさや 義母の泪の 一雫』
(つゆけさや ははのなみだの ひとしずく)

『野分けをば 迎えに西へ 戻るなり』
(のわけをば むかえににしへ もどるなり)

『月欠けて 風情増すらむ 月の雲』
(つきかけて ふぜいますらむ つきのくも)

『萩の露 風の通りの 表示灯』
(はぎのつゆ かぜのとおりの ひょうじとう)

『俤の 燃え立ち出ずる 曼珠沙華』
(おもかげの もえたちいずる まんじゅしゃげ)

『名月は 雨雲すらも 突き抜けん』
(めいげつは あまぐもすらも つきぬけん)

『新涼や 旅の疲れの 回復薬』
(しんりょうや たびのつかれの かいふくやく)

『台風と 秋雨前線 ランデブー』
(たいふうと しゅううぜんせん らんでぶー)

『女郎花 駅を出ずれば お出迎え』
(おみなえし えきをいずるずれば おでむかえ)

『薬指 光るものあり 秋の昼』
(くすりゆび ひかるものあり あきのひる)

『聴かんとし 耳傾ければ 秋の声』
(きかんとし みみかたむければ あきのこえ)

『コスモスや 風と戯れ 惑わせん』
(こすもすや かぜとたわむれ まどわせん)