つい先日のこと。夕刻近くになって,クロヒラタアブが一匹舐蜜をしているのが目にとまりました。前日に見かけた個体なのかもしれません。ゆっくりゆっくりした動作でした。
「おやおや,もうすぐ寒くなるのに,どうするのかな」。そう思いながら写真に収めました(上写真)。
暗くなりかけた頃,再びたしかめるとすぐ傍の枝にじっとしていました。斜めに延びた枝の上側にいたのです。それで,「もしかすると,このままここをねぐらにして朝までいるのかもしれない」と直感しました。それで写真に撮ることにしました(下写真)。
翌朝,起きてクロヒラタアブの様子を確認しました。やはり思ったとおりでした。しかし,場所はかわって,枝の下側にいました(下写真)。これは,天敵や悪天候から身を守るために本能がはたらいた結果ではないでしょうか。一年前はこうやってキンバエが一夜をここで過ごすのを目撃しました。
こんなところで一夜を明かすというのは,いかにも当たり前すぎて,かえってびっくりするほどです。ふつうなら,どこかすこしでもあったかい場所を探そうとするのではないかと思うのですが,必ずしもそうではないというところがおもしろいなあと感じた次第です。