自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ウマノスズクサの花

2013-07-05 | 花と実

ウマノスズクサはジャコウアゲハの幼虫の食草です。我が家の庭には,アゲハの飛来がたのしみで,ウマノスズクサをたくさん植えています。露地にも植木鉢にも,です。

ところで,この草の花なのですが,家で見たことはありません。理由は,花が咲くまでに幼虫が食べ尽くすからです。ふしぎなほどに幼虫の食欲が旺盛で,どんどん食べて,茎もなくなります。

今年は,昨年よりもっとウマノスズクサを増やしました。庭を,アゲハの園にしたいと思ったからです。竹の支柱が林立しています。この支柱をウマノスズクサが巻き上がっていきます。

4月から5月にかけて伸びたウマノスズクサは,それでも,幼虫にほぼ食べ尽くされました。これでは花を見ようにも見る機会ができません。二化目の卵が産み付けられている今,やっと食草の勢いが復活してきました。

それで,花が付く確率が高まるのではないかと密かに期待していました。案の定,7月5日(金)にその蕾を数個見つけたのです。期待していて,そのとおりになるというのはまったくうれしいものです。 

最下部に付いた蕾(№1)は付け根基部からの長さが3.5cm。萼(がく)の中ほどに突起状のものができています。開口部分が準備されているのです。

この蕾や,他の茎に付くかもしれない蕾に,これから目を向けておこうと思っています。せっかくですから,結実に至るまでの様子について随時経過報告することにします。

発見時に感じた特徴は以下のとおりです。

  • 蕾の付く茎にはまとまって付く。
  • 下部のものから順次膨らむ。
  • 全体が緑色なので,葉や茎と見分けが付きにくい。
  • 子房はわずかに細長く膨らんでいる。

ラッパ状に完成した際の器官全体が萼(がく)で,壺形の部分にオシベとメシベがあります。ということは,さらにその下部,つまり壺の外側に子房があるわけです。かたちは細長いので,まだ花茎とほとんど区別が付きません。でも,よく見ると少し太くなっているのがわかります。

五つの蕾を,下部から写真に撮りました。残り四つを載せておきます。

№2は基部からの長さ1.5cm。

№3は基部からの長さ1cm。 

№4は基部からの長さ3mm。 コンバージョンレンズを付けて撮影。

№5は茎先端付近に付いています。基部からの長さ4mm。  

 

 


ジャコウアゲハ観察記(その240)

2013-07-05 | ジャコウアゲハ

日曜日,部屋で寛いでいると,窓外に置いた植木鉢にジャコウアゲハが訪れているのが目に入りました。急いで外に出て,行動を観察しました。

結果,意外な事実が見えてきました。やはり,百聞は一見に如かず,です。

意外なこと,その1。茎に産卵するとき,直接茎を抱えて産卵の姿勢をとる。わたしのこれまでの解釈はこうです。葉にとまっていて,偶然排卵口が茎に触れ産卵に至るのではないか。この解釈は間違っていました。

 

意外なこと,その2。植木鉢の壁に産卵する際は,直接側面壁につかまって静止状態に入り,産卵行動へと至る。壁の中ほどに産卵する場合,当然この姿勢になります。わたしが見ていたとき,アゲハはずばり壁につかまってすぐに卵を産み付けました。迷いがあったとは思えません。

意外なこと,その3。植木鉢のすぐ脇まで伸びてきている半蔓性植物の葉に取り付き,裏側に産卵したのです。下写真には卵が写っています。これまで,ウマノスズクサ以外に産み付けたのを見たのはオシロイバナだけです。今回は,たぶん勘違いをしたのだろうと思います。

このように,ウマノスズクサに産み付けるという大原則がありながら,ジャコウアゲハも勘違いをして他のものに産卵することがあります。自然の原則・法則は単純でありながら,様相は多様でもあります。常にあいまいさが存在するのです。