この記事は『ジャコウアゲハ観察記(その245)』で取り上げた個体のその後の変化についてです。
その後,個体は竹の支柱を何度か登ったり降りたり。さらに隣りの竹に移動して同じ動作を繰り返しました。おしまいは,さらに隣りに立てた枯れ木に移って静止。どうやら前蛹の場所を見つけたようです。夕刻のことでした。
頭を下向きにして,尾端を固定する糸を出し始めました(午後7時57分撮影)。やはりここを蛹化場所と決めたのです。
一度絹糸を出し始めると,この作業に集中しています(午後8時6分撮影)。出されたばかりの糸が,ごく細く写っています。
作業はまだ続きます(午後8時18分撮影)。
午後8時25分。からだを反転させ,頭を上側に向けかけました。これまでの作業を終えるという判断はどこでなされるのか,ふしぎな光景です。
上にすこしばかり移動しました(午後8時30分撮影)。 尾端が,糸の辺りに来るように調整しているのです。
尾脚をうまく使って,糸を集める作業に入りました。これで大丈夫と思ったようで,尾端をくっ付けました(午後8時41分撮影)。そうして,尾端が外れないか,念入りに確かめました。力を入れて尾端を離そうとしたり,強く押し付けるしぐさをしたり,実に入念なのです。餅をつくときの,杵の動きに似ています。
こうして,全体の作業の半分を終えました。あとは,帯糸をつくってからだを固定する作業を残しています。
(つづく)