自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

意外な出合い,アサギマダラ

2015-10-30 | 昆虫

我が家で直に確認したアサギマダラは,これで3回目。といっても,今回はシュウさんが今朝(10月30日)早々,我が家に持ち込んで来られた個体です。

シュウさんは田の耕作に忙しい方で,早朝から田に出かけて管理・耕作に勤しんでおられます。そのとき,畦の草の上にいたということで,さっそく持って来られたのです。「ヒデさん,珍しいチョウを見かけた。草の上で横になっていたので,なんというチョウかなと思うて,持って来たんや」。そうおっしゃるので,手に持たれたビニル袋のなかを覗くと,アサギマダラだったというわけです。

海を越えて渡りをすることで知られたチョウであること,生きていればマーキングして放つと研究に役立つかもしれないこと,そんな話を簡単に伝えてから受け取りました。どうやらいのち絶えている様子です。それで,とにかく写真を撮って記録しておくことにしました。

 

個体を仰向けにして撮りました。「こんな模様がよくぞ現れたものだ」と感じ入る姿です。まるで自然がつくり出したステンドグラス!
 


背側から撮りました。こんな白斑紋様のチョウを,わたしの地域で見かけた人はまずいないのではないでしょうか。 

 
次はアップ写真です。胸部に生え揃った毛,黒地に白いぶち。ほんとうに特徴ある姿です。


さらに倍率を上げて撮りました。口吻は単純なストロー構造ではありません。毛に付着した黄色いものは,たぶん花粉なのでしょう。花を巡っていた証拠といえそうです。 

 
前方向から両眼を見ました。半球の複眼は,全方位をカバーしているように見えます。


さらに,部分拡大してみました。眼には,個眼が無数に並んでいる様子がわかります。写真の左右方向の長さは5mm程度です。じつに小さな世界です。 

 
翅を,ミクロの目で観察してみましょう。小さな小さな毛が,それこそ無数に生えているのがわかります。いろんなものとの接触や,防水などに大いに貢献しているのでしょう。


渡りの途中,いのちが絶える個体は多いはず。たまたまその個体が,シュウさんの目に触れてわたしのところに持ち込まれました。この個体から学ぶことはたくさんあります。学ばないと申し訳ありません。