マダラチュウヒ幼鳥
秋の与那国/石垣紀行も今回で最終章、先ずは10月8日午後に墓地群で出会ったシロガシラからです。海からの潮騒を聞きながら待っているとムナグロ、ツメナガセキレイ、イソシギ、亜種オサハシブトガラス等が現れ、そして、シロガシラが霊地の静寂を破るように騒がしく現れました。
ここでのお目当の鳥(ハシグロヒタキ)は現れてくれず、次に訪れたハイイロオウチュウのポイントで待っていると、シマアカモズが写真アングルで目の前に現れてくれました。きれいな♂成鳥のようです。
その後、観光で日本の最西端の碑がある西崎で台湾が見えないものかと西の方を眺めましたが、見えるのは海ばかり。次に訪れた島の南側の小さな川の河口近くにシギチが何種類もいました。中編でアップしたクロハラアジサシのポイント近くです。クロハラアジサシを散々撮りまくって、ふと気がつくと皆さん別の場所で双眼鏡を向けています。そこは橋の上から見下ろす浅い川で、何種類かのシギがいます。キアシシギ、イソシギ、ハマシギに加えて、遠くにコアオアシシギがいました。ちょっと遠かったですが、細い嘴が、可憐できれいなシギですが、左翼を少したらしていたのが気になりました。
観察していると、すぐ近くにヒバリシギが飛んできました。ヒトを全然気にしないのでしょうか。今まで見たことがあるのは、幼鳥だけだったので、そのイメージで見ると、全然違う鳥に見えます。幼鳥の特徴である明るい橙色の羽が全然ない、地味な色合いですが、可愛いシギです。
夕刻も近くなり、次に向かったのは、マダラチュウヒがいたというサトウキビ畑。バスを降りて散策していると、ガイドのIさんの「マダラチュウヒ!」の声。見ると畑の上をチュウヒらしく羽をV字にして、ゆったりと飛んでいます。獲物を見つけたのか、畑に降り立ち、待っていると飛び上がってきたので、急いで、シャッターを押しました。山の緑をバックに上手く撮れました。あの美しい♂成鳥ではありませんでしたが、図鑑通りの幼鳥のマダラチュウヒに間違いありません。とにかく嬉しいライファーです。畑の上をしばらく飛び回って、楽しませてくれました。
マダラチュウヒに興奮しながら宿に戻り、美味しいビールを傾けることができました。翌朝は、早くも最終日。なかなか明けない空にイジイジしながら、朝食前の短い時間、宿の周りを散策しました。宿を出てすぐの梯梧の木(多分、違ったらすみません)に鳥たちが集まっています。餌が豊富なんでしょう、何種類もいます。その中にムシクイがいました。翼帯が薄いので、なんだろうかなと思ったのですが、Iさんやベテランの方が写真を見て、即座にキマユムシクイと同定してくださったので、翼帯はくっきりしていませんが、頰の感じなどキマユムシクイで間違いないと思われます。この時期、島のあちこちで見かけました。
シロガシラも何羽も来ていました。
カラムクドリも5羽以上いましたが、なかなかカメラアングルになってくれません。
他には、コムクドリ、ヒヨドリ、メジロ等がいました。ここで、すっかり時間を取られてしまい、先に出かけられた同じツアーメンバーが戻ってきて、昨日と同じ場所にアカハラダカがいたよと教えていただいたので、慌てて、行ってみると、やっぱり、昨日と同じように電線の上に止まっています。警戒心が強くて、昨日は、全然近寄らせてくれなかったので、電柱を影にして、見つからないように近づき、納めた写真です。でもやっぱり、すぐそばには近寄らせてくれませんでしたが、嬉しいライファーです。ツミのような黄色いアイリングがなく、お腹は縦縞なので、アカハラダカの幼鳥のようです。9月が渡りのピークだそうなので、行き遅れた個体でしょうか。
朝食後、出かけて、再びハイイロオウチュウを待っていると遠くにタカが止まっていて、飛び立ちました。なんとハチクマです。与那国はハチクマの渡りルートではないので、まさしく迷鳥です。Iさんも与那国では初めて見たとのこと。
最後に何度も訪れた湿地でシギチやアマサギ等を見ていると、突然、Iさんが「コホオアカ!」の声、見ると遠くの枯れ草に止まっています。与那国でホオジロ類をほとんど見なかったのですが、最後の最後にコホオアカに会うことができました。
そして、偶然収めることができた飛立ちの写真を最後にして、本紀行の締めくくりとします。
次回は、10月19〜21日に参加したALPNツアーの十勝平野のハクガン、シジュウカラガン等をアップする予定です。