彦Gブログ(アラ還からの資格チャレンジ)

還暦おじさんが、人生楽しむため(以前は生き抜くため)、資格にチャレンジします。

知財マメ知識2~究極の特許調査

2020-10-10 18:35:08 | 旧ブログ(抽出分)

こんばんは、筒坊です。

今日は、歯医者と、半沢直樹の録画鑑賞など休養日(休養も仕事のうちなので)でした。

ところで、資格活用の備忘録の1つとして、ここ数年間、経験した特許調査を触れてみたいと思います。

 

 ← 上図で見えなければクリック願います。

 

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知財調査について

1.知財調査の種類

知財権は、主に、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つがありますが(他に、著作権、不正競争防止法等もありますが、特許庁に登録するのはこの4つ)、以下、これらの4つの知財権の中で、私が多く経験した特許調査をメインに述べます。

(1)先行技術調査 

新技術をマーケット導入(製造・販売等)する際、対象のマーケットに先行技術(特許、実用新案、意匠)やブランド名(商標)が無いか調査します。

(2)侵害予防調査 ⇦ 究極の特許調査

(別名、クリアランス調査、実施可否調査)

新技術をマーケット導入する際、他社権利の侵害にならない技術であるか調査します。極論すれば、❶特許権等の権利を取得していなくても、❷新製品をスピーデイーに、マーケット導入できるので、個人的に「究極の特許調査」と考えます。理由は、他社の特許権に触れる製造や販売をする、いわゆる他社への権利侵害をする/他社技術をパクる行為をする/地雷を踏むと、他社からの警告や訴訟提起を受ける(金払え!、販売を辞めろ!、謝罪広告を出せ!等)/地雷が爆発!がなされる可能性がありますが、この調査をすることで、地雷を避けて安心して製品を製造や販売することが可能となりますので。

いわゆる、北斗の拳でたとえると、あらゆる攻撃をかわす「トキ」のような、防御型の調査です。

↑  手前から、「トキ」、「ラオウ」、「ケンシロウ」

(3)権利化調査 

この調査は、上記(2)の調査とは逆に、新技術をマーケット導入する際、防御のみならず、他社への警告や訴訟提起をできる/権利行使をする/地雷をセットして爆発させることができる、知財権(特許権、実用新案権、意匠権など)を取得できるかを調査します。この調査は、特許庁の審査官が実施している拒絶理由通知や拒絶査定の調査と同様なものです。いわゆる、北斗の拳での「ケンシロウ」のような、攻撃&防御型の調査です。

(4)無効化調査、情報提供調査

新技術が他社権利の侵害の可能性がある場合(上記2の調査後や、他社から警告を受けた場合等)、他社の権利を無効(つぶす)にする証拠を探す調査です。調査方法は上記(3)と同様です。いわゆる、北斗の拳での「ラオウ」のような、敵を破壊する攻撃型の調査ですね。

ただし、この調査の後、無効審判請求すると、訴訟に発展するケースもあり、無効化は、会社にとってはリスクの高い手段ともいえます。無効審判は、当事者系で、審判請求人として名前がオープンになってしまいますので。その対応策として、弁理士さんに依頼すると、知り合いの第三者を審判請求人として請求してもらえますので、実際はそれを回避できますが、それでも、何となく相手にバレてしまうこともあります。大体、競合のA社だろうと・・・。実際は、この無効化できる証拠を隠し持っておいて、相手方から権利行使(攻撃)されてから、その証拠を切り札に相手と戦うという事に使われることも多いようです。すなわち、やられたらやり返すための武器(証拠)探しです。

なお、権利になる前であれば、(4)’ 情報提供理由の調査もあります。これも調査方法は上記(3)と同様です。(4)’ は、匿名で特許庁に提出できますので、かなりリスクは低い方法です。敵が地雷をセットしている(特許出願し、審査請求中)途中で、透明人間(匿名)のように、その地雷を密かに破壊してしまうという裏技です。ここで注意しないといけないのは、地雷を作ったり壊したりできるのは特許庁審査官や審判官なので、地雷を壊すための確実なツール、すなわち、彼らが納得できる十分な証拠(新規性、進歩性違反など拒絶理由の先行技術文献)が必要であることです。この証拠を探すのが(4)’の調査になります。特許出願が公開(出願から1年半後)されて技術内容が判明すれば、拒絶理由となる証拠を見つけて、権利化を阻止(拒絶査定、拒絶審決に導く)することもできます。

(5)その他

鑑定の調査」は、新技術と他社権利との境界がスレスレの場合、新技術が他社権利に抵触しないか否かを検討します。

 

2.お客様のニーズの高さ (私の経験上です)

(2)>(4)>>>(1)>(3)

∵(2)のニーズが高い理由は、早く新技術を販売して売上や利益を上げたいという会社の経営の要望に合致するからです。(4)が次に重要な理由は、(2)で侵害に該当する特許(地雷)を発見したときに、それを無効にする証拠を事前に持てばある程度安心して新技術を販売できるからです。それでも、有力な証拠が見つからず無効にできなければ、新技術を少し変えることで(設計変更)、販売できるからです。

 

3.調査側の難易度 (私の経験上です)

(2)>>>(4)>(3)>(1)

∵(2)が難しい理由は、特許請求の範囲(「クレーム」とも言い、権利の範囲を決める最重要の記載部分)が難解な用語で記載されており(個人的に、英語など外国語と同様な「知財語」と考えています)、すべての調査対象のクレームをしっかりと読み込む必要があり、他の調査よりも非常に時間がかかるからです。他の調査は、1つでもドンピシャの特許を発見できれば、短期間で、ほぼ完了してしまいますので。

4.まとめ

上記(2)侵害予防調査が、ニーズが高く難易度も高い重要な調査だと思います(すなわち、プロの調査技術者でなくてはできないお仕事です)。(2)を含め、これらの高度な知財ノウハウを獲得できたのは、特許のプロフェッショナル団体2社での実務経験のおかげです。将来、また、これらのノウハウを使って、社会貢献、特に中小企業さんの経営に貢献してみたいですね。ワクワク、楽しみにしておきましょう~!

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コメント
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