古代日本国成立の物語

素人なりの楽しみ方、自由な発想、妄想で古代史を考えています。

比売許曽神社

2017年07月15日 | 神社・仏閣
 ちょうど天日槍を考えている最中の2017年7月10日、朝から本社で会議を済ませて別のオフィスへ移動する途中、ふと思い出して立ち寄った。場所は大阪市東成区、鶴橋駅の近くである。
 


 
 日本書紀では垂仁天皇紀の都怒我阿羅斯等(大加羅国の王子)の話に、古事記では応神天皇段の天之日矛(新羅の王子)の話に登場する。都怒我阿羅斯等は白い石が変身した童女を追っていくと日本までやってきて、童女は難波で比売語曽社の神となった。一方の天之日矛は赤い玉が変身した妻を罵ったところ「祖国に帰ります」と言って逃げていき、難波にたどり着いた。この女神は難波の比売碁曽社にいる阿加流比売である。
 

 
 この難波の比売語曽社、あるいは比売碁曽社がここであろう、と思ってやって来たのだ。当然、ここの祭神は阿加流比売かと思いきや、全然違った。
 


 主祭神は下照比売命で、相殿神として速素盞嗚命・味耜高彦根命・大小橋命・大鷦鷯命・橘豊日命を祀っているという。神社縁起をみても前述の記紀の話は関係がなさそうだ。あとで調べてみると、阿加流比売命を祀るのは赤留比売神社で、それは大阪市平野区にあるという。なんと以前に住んでいた場所の近くだ。こんなことなら先に調べればよかったと思ってもあとの祭り。
 祭りと言えば、この比売許曽神社、ちょうど夏祭りの準備の真っ最中でした。



 それでも何か収穫は無いものかと思って神社の周囲をぐるりと歩き回り、狭い境内を隅から隅まで眺めて、そして発見。




 本殿の横にある稲荷社の提灯に「白玉稲荷大神」の文字。これぞ都怒我阿羅斯等が追いかけてきた童女の元の姿である白石と関係あるのではないか。そう思って帰宅後に調べてみると、どうも関係がなさそうだった。白玉稲荷は全国のどこにでもあるようだ。

 実地踏査にあたっては事前準備が必要であることを改めて認識した一日となりました。
コメント (2)
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