この時代、この小島(現在のPOLYAIGOS島)にはまだ名は無い。この島の近辺には海面上に姿を見せていない岩礁が多く、不用意に島に近づくと座礁の危険があったのである。風雨で荒れ気味のの海上にあって船団は危険を避けなければならなかった。
パリヌルスの船が先頭にたって船団を誘導した。彼の算段では、ミロス島の停泊予定地までにあと半刻あまりで着く。彼は浜までの海の深さを記憶のそこから想い起こしていた。どのようにして船団を接岸させるかを考えた。荒れた海での浅瀬への誘導に知恵を搾った。
『カイクス、海の深さを測る準備をしておいてくれ』
彼は各船に注意を促した。島の沿岸より5スタジオン(約1キロ)くらい離れての沿岸航法で航走するようにと信号をカイクスに送らせた。停泊を予定している浜までは残すところ6キロ余りである。彼は風雨の状態に注意を払いながら船団を慎重に誘導した。
彼は船列における各船の間隔を測った。各船の間隔は2分の1スタジオン(100メートル)が保たれている。彼は着岸のための方向転換点にさしかかるのを待っていた。徐々に沿岸との距離をつめながら進んでいた。彼はミロス島の停泊予定の浜の目印を探していた。
かすんで見える浜の目印が目に入った。目印はひときわ鮮やかに白く輝いて目に入ってきた。石灰岩でできた岩である。彼は一斉回頭を指示した。
パリヌルスの船が先頭にたって船団を誘導した。彼の算段では、ミロス島の停泊予定地までにあと半刻あまりで着く。彼は浜までの海の深さを記憶のそこから想い起こしていた。どのようにして船団を接岸させるかを考えた。荒れた海での浅瀬への誘導に知恵を搾った。
『カイクス、海の深さを測る準備をしておいてくれ』
彼は各船に注意を促した。島の沿岸より5スタジオン(約1キロ)くらい離れての沿岸航法で航走するようにと信号をカイクスに送らせた。停泊を予定している浜までは残すところ6キロ余りである。彼は風雨の状態に注意を払いながら船団を慎重に誘導した。
彼は船列における各船の間隔を測った。各船の間隔は2分の1スタジオン(100メートル)が保たれている。彼は着岸のための方向転換点にさしかかるのを待っていた。徐々に沿岸との距離をつめながら進んでいた。彼はミロス島の停泊予定の浜の目印を探していた。
かすんで見える浜の目印が目に入った。目印はひときわ鮮やかに白く輝いて目に入ってきた。石灰岩でできた岩である。彼は一斉回頭を指示した。
