風雨の荒れた海での下船が行われた。荒波に翻弄され、彼らは船に取りすがった。改造交易船の2隻は軍船の4隻に比べて沖合いに停船している。船上の者たちを舟艇が浜へと運び下船作業を進めた。このあと、全員が総がかりで軍船の4隻を浜へ陸揚げした。
浜は平坦であり、かなり広く陸揚げ作業は難なく行えた。改造交易船にいたっては船底が海底に触れる深さのところに停船させ、想像を超える数の碇石で安定させた。
パリヌルスはカイクスを伴って点検を終えた。ここまでは全員が無我夢中で作業に取り組んだ。
彼らは我に帰った。浜を眺めた、風雨を避ける何ものもない浜であった。
パリヌルスは全員に陸揚げした船に身を寄せて風雨を避けるよう指示して、ギアスを呼んだ。
『ギアス、舟艇に積んでいる荷物は多いのか?』
『いえ、ほとんど無いに等しいですが』
『そうか、聞いてくれ。風雨を避けるのに舟艇を使う、いいな。使い方はこうだ。舟艇を逆さにして櫂で支える。判るな、それができたら、統領たちをそこへお連れしてくれ。それから市民の幼い子供たちもだ。風の向きに注意して作業をやるのだ。いいな』
『判りました』
ギアスへの指示を終えたパリヌルスは、リナウスを呼んだ。
『おう、リナウスきたか。お前、各所をまわって風雨の避け具合を点検してくれ。そして、怪我している者がいるか、いないかを調べてくれ。終わったら俺まで報告だ』
風雨の激しさは海上にいるときより増している。一木一草もなく、風雨をさえぎる何ものもない殺風景な浜であった。
浜は平坦であり、かなり広く陸揚げ作業は難なく行えた。改造交易船にいたっては船底が海底に触れる深さのところに停船させ、想像を超える数の碇石で安定させた。
パリヌルスはカイクスを伴って点検を終えた。ここまでは全員が無我夢中で作業に取り組んだ。
彼らは我に帰った。浜を眺めた、風雨を避ける何ものもない浜であった。
パリヌルスは全員に陸揚げした船に身を寄せて風雨を避けるよう指示して、ギアスを呼んだ。
『ギアス、舟艇に積んでいる荷物は多いのか?』
『いえ、ほとんど無いに等しいですが』
『そうか、聞いてくれ。風雨を避けるのに舟艇を使う、いいな。使い方はこうだ。舟艇を逆さにして櫂で支える。判るな、それができたら、統領たちをそこへお連れしてくれ。それから市民の幼い子供たちもだ。風の向きに注意して作業をやるのだ。いいな』
『判りました』
ギアスへの指示を終えたパリヌルスは、リナウスを呼んだ。
『おう、リナウスきたか。お前、各所をまわって風雨の避け具合を点検してくれ。そして、怪我している者がいるか、いないかを調べてくれ。終わったら俺まで報告だ』
風雨の激しさは海上にいるときより増している。一木一草もなく、風雨をさえぎる何ものもない殺風景な浜であった。
