風は北から来た、帆が程よく風をはらんでいる、船を押した。帆走、漕走、ふたつの推進力で航走した。
オキテスは、例の風風感知器を持ち出して風に向かって構えた。彼はひとりごちた。
『風向きはやや東寄りから来ている。風力がこの程度なら、まだ櫂は上げられないな。西へ流されないように要注意だな』
オキテスはチエックを終えた。帆のはらみ具合を見つめた。
『うっう~ん、この程度なら西へ流されることもあるまい』
彼は、船の進み具合いを念頭に前を行く船団を眺めた。
アエネアスは、オキテスの所作を注意深く見ていた。彼はチエックの終わるのを見てオキテスに声をかけた。
『おっ、オキテス。お前、風変わりな道具を使っているな。ちょっと見せてくれ』
『あ~あ、これですか。どうぞ』
『この道具の使い方を説明してくれないか』
『はい、統領。これはですね、まず、吹いてくる風に向けてこのようにして構えるのです』
アエネアスは、船尾のほうに向き直り、風に向かってオキテスの言うように道具を構えた。
『オキテス、何がどうなのかを説明してくれるかな』
オキテスは、統領の質問に丁寧に答えるように頭の中で道具の機能を整理した。
オキテスは、例の風風感知器を持ち出して風に向かって構えた。彼はひとりごちた。
『風向きはやや東寄りから来ている。風力がこの程度なら、まだ櫂は上げられないな。西へ流されないように要注意だな』
オキテスはチエックを終えた。帆のはらみ具合を見つめた。
『うっう~ん、この程度なら西へ流されることもあるまい』
彼は、船の進み具合いを念頭に前を行く船団を眺めた。
アエネアスは、オキテスの所作を注意深く見ていた。彼はチエックの終わるのを見てオキテスに声をかけた。
『おっ、オキテス。お前、風変わりな道具を使っているな。ちょっと見せてくれ』
『あ~あ、これですか。どうぞ』
『この道具の使い方を説明してくれないか』
『はい、統領。これはですね、まず、吹いてくる風に向けてこのようにして構えるのです』
アエネアスは、船尾のほうに向き直り、風に向かってオキテスの言うように道具を構えた。
『オキテス、何がどうなのかを説明してくれるかな』
オキテスは、統領の質問に丁寧に答えるように頭の中で道具の機能を整理した。