月照の浜に檄が飛び交った、活気づいた。船が海に下ろされていく、浜は白砂であり、月の光で思いのほか明るい。各船からの準備完了の報告がパリヌルスに届く、船長、副長をその場に残らせた。
『オキテス、船団の船列構成は、昨日打ち合わせたとおりで行く、俺の一番船は船団の先頭を行く、皆に俺に続くように指示して、浜から送り出してくれ頼んだぞ』
『おう、判った』
オキテスは、船長、副長たちに指示を出していく。二番船、三番船、四番船と適当な間隔をあけて送り出した。彼はここでちょっと戸惑った。
オロンテスの船を先にしようか、俺が先に出ようかと迷った。
『オロンテス、お前の船が先だ。殿りは俺の船だ』
『はい、判りました。では、先に行きます』
オロンテスの船を見送ったオキテスは、船上にのぼった。彼は舳先にいるアエネアスと二言三言、言葉を交わしてから船上の各担当者に指示を出し、ミロスの浜をあとにした。
まだ黎明には間があり、ささやかな陸風が吹いているが、船を押す力は無かった。木版がリズムを打つ、海面が泡だった、海面に泡の航跡を残して船は前進した。
『オキテス、船団の船列構成は、昨日打ち合わせたとおりで行く、俺の一番船は船団の先頭を行く、皆に俺に続くように指示して、浜から送り出してくれ頼んだぞ』
『おう、判った』
オキテスは、船長、副長たちに指示を出していく。二番船、三番船、四番船と適当な間隔をあけて送り出した。彼はここでちょっと戸惑った。
オロンテスの船を先にしようか、俺が先に出ようかと迷った。
『オロンテス、お前の船が先だ。殿りは俺の船だ』
『はい、判りました。では、先に行きます』
オロンテスの船を見送ったオキテスは、船上にのぼった。彼は舳先にいるアエネアスと二言三言、言葉を交わしてから船上の各担当者に指示を出し、ミロスの浜をあとにした。
まだ黎明には間があり、ささやかな陸風が吹いているが、船を押す力は無かった。木版がリズムを打つ、海面が泡だった、海面に泡の航跡を残して船は前進した。