『気になるのは明日の空模様だ。明日からの航海は、このミロスから真っ直ぐ南下して、クレタに向かうわけだがクレタのハニアの浜まで島ひとつない海洋を行くわけだ。途中に船を寄せる島ひとつない大海原だ。航海を無事に終えるかどうかは、空模様と風向きだ。このふたつが統領以下、民族の運命を決めるといっても言葉が過ぎることがない。オキテス、お前はどう考える。俺ひとりで考えても、不安の全てを払拭することができない』
『俺だって不安だ。パリヌルス、お前がいるからこそ、この建国の大航海ができるのだ』
『天候の変わりやすいこの季節だ。多少の困難については覚悟をしているが、一日いっぱいの航海日和がほしいと願っている。とにかく早朝から日没まで天候の急変はご免こうむりたい』
『なあ~、パリヌルス、クリテスを呼んで、今頃のこの海洋について話を聞くというのはどうだ。我々が初めて渡る未知の海洋を行くわけだ。クリテスが海の気候について知っているかどうか、知っていれば、奴から予備知識を得ることができる。話を聞いてみて損はないだろう。どうだ』
『そうか、そんな手があるか。いいだろう。呼んで話を聞こう』
話が結論に達したところにオロンテスが帰って来た。
『夕めしを配り終えた。思いのほか海が深かった。浜まで運ぶのにちょっと手こずった』
『そうか、それはご苦労だったな。いま、俺たちは、クレタまで大海原を突っ切る相談をしていたところだ。そこでだ、デロスから同道しているクリテスを呼んで話を聞こうと思っている。三人で話を聞こう。いいな』
10月3日の投稿で間違えたところがあります。訂正いたします。
第5章 クレタ島 136
7行目 第一船 を 一番船 に
14行目 第二船 を 二番船、五番船 に訂正いたします。
申し訳ありませんでした。深くお詫び申し上げます。
『俺だって不安だ。パリヌルス、お前がいるからこそ、この建国の大航海ができるのだ』
『天候の変わりやすいこの季節だ。多少の困難については覚悟をしているが、一日いっぱいの航海日和がほしいと願っている。とにかく早朝から日没まで天候の急変はご免こうむりたい』
『なあ~、パリヌルス、クリテスを呼んで、今頃のこの海洋について話を聞くというのはどうだ。我々が初めて渡る未知の海洋を行くわけだ。クリテスが海の気候について知っているかどうか、知っていれば、奴から予備知識を得ることができる。話を聞いてみて損はないだろう。どうだ』
『そうか、そんな手があるか。いいだろう。呼んで話を聞こう』
話が結論に達したところにオロンテスが帰って来た。
『夕めしを配り終えた。思いのほか海が深かった。浜まで運ぶのにちょっと手こずった』
『そうか、それはご苦労だったな。いま、俺たちは、クレタまで大海原を突っ切る相談をしていたところだ。そこでだ、デロスから同道しているクリテスを呼んで話を聞こうと思っている。三人で話を聞こう。いいな』

10月3日の投稿で間違えたところがあります。訂正いたします。
第5章 クレタ島 136
7行目 第一船 を 一番船 に
14行目 第二船 を 二番船、五番船 に訂正いたします。
申し訳ありませんでした。深くお詫び申し上げます。
