『ではでは、統領。説明いたします。この矢印板が風がどこから吹いてきているかを診る、風向感知板です。いま、吹いているこの風は、真北からではなく少しですが東寄りの方向から吹いてきていることが判ります』
『なるほどなるほど、では、これはどんな役目をしているのかな。小刻みに震えているではないか』
『これはですね、統領。風の力がどれくらいなのかを感知判断するのです。判断については只今研究中です。どれくらいでどうなるのか、どのように判断して如何なる指示を出すか。しっかり研究しています』
『なかなかの道具だな。お前、こんな道具を 何時、作ったのか』
『これはですね、エノスを出航する五日前くらいに造ったようなわけです』
『ふっふ~ん、なかなかよくできている。よく考えたな。これは至極、便利重宝な道具だ。それで、いま、どのように判読したのか、説明してくれるかな』
『はい、判りました。風向きが少し東寄りから吹いてきています。また、この風力では、船は西へ流されませんが、風力がもう少し強くなると、知らず知らずのうちに西へ流される危険が出てきます。帆の風のはらみ具合いだけでは判りかねるところです。また、風力がこれくらいでは、想定している船速を維持することができません。船速を維持するためには、櫂で漕がなければならないと判断されます』
『なるほどな。オキテスお前の説明でよく判った。これは感動ものだな』
オキテスは、風風感知器に手を添えて動かしながら丁寧に説明した。
『なるほどなるほど、では、これはどんな役目をしているのかな。小刻みに震えているではないか』
『これはですね、統領。風の力がどれくらいなのかを感知判断するのです。判断については只今研究中です。どれくらいでどうなるのか、どのように判断して如何なる指示を出すか。しっかり研究しています』
『なかなかの道具だな。お前、こんな道具を 何時、作ったのか』
『これはですね、エノスを出航する五日前くらいに造ったようなわけです』
『ふっふ~ん、なかなかよくできている。よく考えたな。これは至極、便利重宝な道具だ。それで、いま、どのように判読したのか、説明してくれるかな』
『はい、判りました。風向きが少し東寄りから吹いてきています。また、この風力では、船は西へ流されませんが、風力がもう少し強くなると、知らず知らずのうちに西へ流される危険が出てきます。帆の風のはらみ具合いだけでは判りかねるところです。また、風力がこれくらいでは、想定している船速を維持することができません。船速を維持するためには、櫂で漕がなければならないと判断されます』
『なるほどな。オキテスお前の説明でよく判った。これは感動ものだな』
オキテスは、風風感知器に手を添えて動かしながら丁寧に説明した。
